バンドの現メンバー、ジャッコ・ジャクジクは米音楽誌『Goldmine Magazine』の最新インタビューで、21stセンチュリー・スキッツォイド・バンドでの活動を経て、2013年にキング・クリムゾンに加入した経緯を語っている。
「ロバート(・フリップ)から最初に電話があったのは2013年9月のことでした。『バンドを再結成することに決めたんだけど、君にリード・シンガー兼セカンド・ギタリストをやってほしい』と伝えられて。その知らせを受けて、僕が最初に興奮しながら電話した相手の一人が、ベーシストのニック・ベッグスだったんです。すると彼はこう返したんですよ──「それって、ロック史上いちばん長いオーディションだったんじゃない?」って(笑)。本当にその通りでした」
ジャクジクはその後のやり取りで、このように明かした。
「あれは素晴らしい経験でしたし、ある意味ではまだそれが続いているようにも感じています。今まさに、キング・クリムゾンのスタジオ・アルバムを制作しているところです。ただ、それがいつ出るのか、どんな形で出るのか、どんな流通形式になるのか──そのあたりは僕の管轄外なのでわかりません。でも少しずつ制作を進めていて、数カ月前にマネジメントから『これ、やれるかな?』と連絡が来たんです。それで『やろう』ってことになって。だから今は、いつか何らかの形で世に出すつもりで録音を続けています。けれど、いつになるかは誰にもわかりません」
キング・クリムゾンは近年までツアーを続け、ライブ盤をいくつも発表してきたが、スタジオ・アルバムは2003年にリリースした『The Power To Believe』を最後に発表していない。
ジャクジクによると、制作中である新作アルバムには、近年のライブ盤で初披露された楽曲のスタジオ・バージョンも含まれる予定。キング・クリムゾンの最新ラインナップ──ロバート・フリップ、メル・コリンズ、トニー・レヴィン、パット・マステロット、ギャヴィン・ハリソン、ジェレミー・ステイシー、そしてジャクジクが録音に参加しているという。
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