前作『Autofiction』(2022年)では、UKアルバムチャートで20年ぶりに2位を獲得し、14カ国を巡るワールドツアーも成功させたスウェード。記念すべき10作目となる本作のタイトル『Antidepressants』は「抗鬱剤」を意味する。もともとパフォーマンスアート作品として構想されていたが、ツアーで得た衝動が方向性を変え、ライブの熱量をそのまま音に昇華させた作品に仕上がった。
フロントマンのブレット・アンダーソンは「『Autofiction』がパンクなら、これはポスト・パンク。現代社会に漂う緊張や不安、孤立をテーマにした”壊れた人のための壊れた音楽”」と語り、Suedeのさらなる進化を象徴する内容になっていることを示唆している。アルバムに先駆けて公開されたリードシングル「Disintegrate」のミュージックビデオでは、モノクロの映像の中にノイズと歪みが交錯し、ライブの激しさを彷彿とさせる演出が施されている。
プロデューサーには、スウェードの初期作を支えてきたエド・ブラーが再び起用され、ベルギーのICPスタジオ、ロンドンのRAK、スウェーデンのRMVといった主要スタジオでレコーディングが行われた。ベーシストのマット・オスマンも「これはスケールの大きな、野心的なアルバム」とコメント。オアシス再結成、パルプの新作など90年代のブリットポップ世代が話題を集める2025年、『Antidepressants』も大きな注目を集める一作となりそうだ。

スウェード
『Antidepressants』
2025年9月5日リリース
フォーマット:SHM-CD
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