このライブは、2024年5月に行われた全国7都市のライブハウスを巡る対バンツアー「GOOD BOPS TOUR 2024」の延長線上に位置付けられるもの。
今回は、3組のフロントマン鼎談を実施。はる(ガラクタ)、サクラ(ちゃくら)、たく(berry meet)の3人に、再集結のステージに臨む上での想い、また、今後の「GOOD BOPS」の展望について語り合ってもらった。
ーはじめに、2組のことを最初に知った時、または、最初に出会った時の印象を振り返って頂きたいです。
サクラ:ベリミを最初に知ったのは、スタジオ練習の時にベースのワキタルルが「あのさ」のMVを見せてくれた時で、今こういうバンドがいてすごい伸びてるんだよって言われて。そのMV、その時点で、たしか何十万回も再生されていて。それで、歌詞を聴いたら、女の子目線というか、女心をすごい優しい言葉で書いてるような歌で、すごい分かる、みたいな。男の人が書いてるのに、すごい素直で、純愛で、素敵な歌だなって思いました。
ーその後、ベリミのライブを観て、イメージが変わったりしましたか?
サクラ:変わりました。たく君とたなかりといこたんの3人が、すごいお客さんのことを大事にしてるというか、お客さんと一緒にライブを作り上げていることがすごい観てて伝わってきて。たく君の素敵な歌声ももちろんそうなんですけど、いこたんがMCで面白くしたり、たなかりが優しそうにベースを弾いていたり、お客さんが幸せになるライブしてるなって思いました。
ガラクタは、私、他のアーティストの楽曲を聴く時、特に声を聴くんですけど、はる君の歌声、すごい綺麗な声で、音程もぶれなくて。けっこう最初のほうに、はる君に直接「すごい歌うまいね」「声、綺麗だね」って言った覚えがあります。「どこか」って曲が特に好きなんですけど、サビがすごいキャッチーで、この曲すごいよねってちゃくらの中でよく話したりします。それに、ガラクタの4人、すごいワクワクするライブをしていて。
ーはるさんは、2組との最初の出会いについてどんなことを覚えていますか?
はる:ベリミには、自分たちを含む名古屋のライブハウスシーンで活動してるバンドが東名阪を周るイベントの東京編に出てもらったことがあって、その時が初めましてだったんですけど、東京のバンドってやっぱすげえなっていうか、楽曲のクオリティ高いなって思いました。一番印象に残ってるのは、その後の、去年5月の「GOOD BOPS TOUR 2024」の初日の札幌でのリハーサルで、ベリミの3人が「月が綺麗だって」を演奏してる時に、なんかもう、素直に悔しいなって思ったんですよね。バンドで作る音楽でここまで壮大なものができるんだって思って。ベリミのリハーサル、ガラクタのメンバー4人がそれぞれ別のとこから観てたんですけど、終わった瞬間メンバーみんなで集まって、「いや、あれはもうやばいね」「これから一緒に何か所か周るってなったら、俺らマジでもう食らいついていかないとやばいな」みたいなことをメンバーで言い合った記憶があります。
ちゃくらは、女子4人だし、ちょっとギャルだし、はじめはどうしようかなと思って。ちゃくらとガラクタの曲って、もしかしたら聴く人は別のジャンルと捉えるかもしれないというか、けっこう受け取られ方が違うと思うんですけど、ただ、去年「GOOD BOPS TOUR 2024」を一緒に周ってくにつれて、僕自身、分かると思う部分が多いことに気付いて。ちゃくらは、今の若者が抱えている不満とか葛藤をストレートに言ってくれる代弁者というか。僕自身、歌詞に思ってることを素直に乗せるのがあんまり得意ではないので、ちゃくらが歌ってくれることにすごく共感できるなと思うし、MCとかでも、それこそ僕は自分が思ってることをMCで伝えることが苦手なんで、ちゃくらのライブを観てて、言ってくれてありがとうって思うことが多いです。
ーたくさんは、いかがですか?
たく:ちゃくらは、初めて会ったのが静岡のライブハウスで。最初は、うちのメンバー2人がすごく怯えてたんですね。その頃、いろんなサーキットイベントとかでちゃくらの名前を見ることが多かったんで、認知はしてるし、曲も知ってる。でも、どんな人か分からない上で、ビジュアルだけ見た時に、ちょっと怖い。怯えながら静岡に行ったんですけど、会ってみたら、ほんと普通の女の子って言ったらあれですけど、なんか普通に同級生にいた、みたいな感じで。ライブハウスの壁に落書きとかしてて、そんな怖い人じゃないんだなってなってから、同い年っていうのもあって仲良くなっていって。それまで僕たちは、ちょっと年上の人たちと対バンすることが多かったから、知り合いのバンドに同い年があんまりいなくて、同い年のバンドがどういうライブしてるのかも気になってて。4人が持つ自分の中の熱量をお客さんにぶわって出すスタイルは、僕が初めてちゃくらのライブを観た時からずっと変わってないところで、そこがちゃくらの一番好きなところです。
ガラクタは、僕も、はる君の歌がすごい好きで。はる君は、声がすごく通るので、ライブ中に歌詞が聴こえないとかそういうことがぜんぜんなくて、そこがすごく羨ましいといつも思っています。
ー去年5月の「GOOD BOPS TOUR 2024」初日の札幌公演をリハーサルから観させてもらって、あの日は本番の一番手がちゃくらで、想像以上にギラギラ、メラメラしていて、圧倒されたんです。サクラさんが、その時のMCで、ベリミのようにMVが回ってるわけじゃないし、ガラクタのようにリールが回ってるわけじゃない、でも音楽にかける気持ちだけは誰にも負けない、というようなことを言っていて。
サクラ:めっちゃ覚えてます。北海道があんまり行ったことない土地で、強い2バンドとどうやって戦っていこうかなって考えた時に、本当に今振り返って頂いたとおりなんですけど、ちゃくらは、自分たちの音楽を信じてやってるんです、っていう気持ちだけは絶対に負けたくなくて。あの日は、勢いを詰め込みすぎて、しかもトッパーだったから、お客さんもどんな感じなんだろうなって伺っていて。後から振り返ると、なんか空回りしちゃったなっていう。その時はすごい悔しかった思い出があります。
ー初日の1番手のちゃくらのステージを観て、僕は、このツアーは、単なる同世代バンド同士の仲良しツアーじゃないんだなって一発で確信しました。初日の2番手がガラクタで、その時、はるさんは、MCで「負けたくない」とおっしゃっていて。
はる:そのままになっちゃうんですけど、本当に負けたくなかったんです。それこそ、さっき、ベリミのリハーサルで「月が綺麗だって」で衝撃を受けた話をしたんですけど、初日のリハーサルでベリミとちゃくらのライブを観て、マジで、いやもう、ツアーファイナルの時には俺らが1番になる、って気持ちが出てきて。ツアーの合間に何度もスタジオ入って、けっこうがっつり改善してって。

ー前の2組がギラギラ、メラメラしていたのに対して、初日のトリを務めたベリミは、2バンドの熱い想いをしっかり受け止めつつも、堂々と、自分たちらしくやってるように見えました。
たく:今から思うと、初日の時は、自分たちはそんなにギラギラしていなくて。3組とも、いい意味で音楽性が被っていないからこそ、僕らは僕らの音楽をやろう、いつもどおり自分たちの音楽を届けよう、っていうスタンスで臨んだ気がします。
ーファイナルに向けて2組と対バンを重ねていく過程で、何かしらの心境の変化はありましたか?
たく:めちゃくちゃ変わりました。やっぱり、みんなどんどんアップグレードしていってるというか、それは演奏もそうだし、MCもそうだし。みんなが変わっていってるんだから、僕らこのままじゃダメだよねっていう気持ちが途中からどんどん強くなって。それこそ、ちゃくら、ガラクタから得たものをベリミに取り入れることも多かったです。
はる:僕らはどちらかというと、初日は、勝たなきゃ、負けたくない、っていう気持ちが強かったんですけど、最終日に向けて、逆に、自分たちの音楽、ありのままの音楽をやってこうよ、っていうモードにだんだん切り替わってったのかなって思います。
サクラ:すごく分かります。ツアーやってく中で、うちのワキタルルが、たく君とはる君と話す機会が多くて、2人それぞれがどういう想いで音楽をやってるのかとか、バンドに対してどういう悩みがあるのかとか、すごい深く話し合ったらしくて、その断片をたまに聞いたりするんですよ。実は2組とも迷ったり悩んだりしながら進んでいるってことを知って、ちゃくらも、悔しい思いをすることは多いけど、自分たちのやってることに自信を持てるようになってきたというか、ファイナルの時には、2組のことを高め合っていく仲間として、堂々と「私たちの歌を聞いてください」ってなれてた気がします。
ー短い期間の中で全国7カ所を一緒に周って、きっといろいろな感慨深い気持ちがあったのだろうと想像します。
たく:ファイナルの日は、とにかく終わっちゃうのが寂しかった。
はる:ツアーファイナルが終わった時は、自分たちの中ではわりと達成感があったというか、このツアーを通して成長できたなって思ってたんですけど、最近その時の映像を見返した時に、あれ、なんか全然じゃん、ってなって。「GOOD BOPS TOUR 2024」の最終日に成長しきったってわけじゃなくて、どちらかと言うと、あのツアーがあったおかげで、あれから今までの約1年間でさらに大きく成長できたのかなって最近気付いて。
サクラ:めちゃめちゃ分かります。私も、あの当時は頑張ったって思ってたんですけど、あれから約1年経って、最近ファイナルの映像を見返した時、なんかすごいことになっちゃってる……やばくね……ってなって。でも、ファイナルのあの日、WWW Xのフロアで、3バンドのタオルを持った人たちがすごい笑顔で聴いてくれてるのを観て、ベリミとガラクタがいないと観られなかった景色を観さしてもらってるなってすごい思って、それがその後の1年間のすごい糧になりました。

ーあれから1年数ヶ月が経って、今年の8月に、3バンドが再集結して、次はZepp Shinjukuでやるって決まった時の心境って覚えていますか?
たく:もう、よっしゃあ、だよね?
はる:ギラギラよっしゃあ。
サクラ:ギラギラよっしゃあ!
ーやはり、ギラギラですね。
はる:やっぱり、去年のツアー初日の札幌の時のギラギラの気持ちは今もあって、あれから1年、自分たちだけではなくて各々が成長してきたし、それを見せ合える場になるので、ギラギラっす。
サクラ:去年のツアーファイナルの頃の自分たちとは違うところがたくさんあるし、何より、1回離れた上で、またこの3バンドが巡り会って、もう1回できることが嬉しくて、かっさらってやろうっていう、そういうギラギラです。
たく:この1年間、お互いがそれぞれのライブを観に行ったりしていて、そういう戦友でありライバルでありっていうこの3組でもう1回できるっていうのがシンプルに嬉しい。
はる:この1年の中で、例えばベリミがメジャーデビューするとか、ちゃくらがフェスに出るとか、そういうトピックスがあると、すぐメンバー4人でそのことを話したりするし、やっぱりまあ、2組とも仲いいバンドではあるんですけど、頭の片隅ではやっぱ嫉妬というか、うん、悔しいなって毎回思います。この1年間、常にそういう気持ちを持ちながらやってきたんで。8月の開催が決まってからは、もう無意識的に、1回1回のライブを通してその日に向けていかに成長していけるかっていうふうに、自分たちの気持ちが動いてるのかなって思っています。
ーたくさんがおっしゃっていたように、今この3バンドが再集結することを楽しみにしている方も多いと思いますが、今回はどんな「GOOD BOPS」を見せたいと思っていますか。
サクラ:私が思うのは、それぞれの音楽性は違っても、3バンドとも、人間性というか、そういうところで繋がれてる気がしてて。1年経って、それぞれやるべきことをやってきた3バンドがもう一度合わさった時、お客さんにもその共通点が見えてくれたら嬉しい。
ーサクラさんは、3バンドの共通点をどのように捉えていますか?
サクラ:私が勝手に思っちゃってたらあれだけど、音楽に対する姿勢というか。解釈の仕方は違うかもしれないけど、たく君もはる君も、うちの曲書いてるワキタも、命かけてというか、自分を削って楽曲作ってるのがすごい伝わる瞬間があって。ルルは、常に隣にいるからしみじみ分かるんですけど、2人からも同じものを感じるし。たく君はすごい自信持って自分たちの曲を作ってるし、はる君は明るい曲作ってるけど、実は真面目に考えていて、ネガティブな部分もあって、っていうところがすごい好きだし。そういう、ただ遊びで音楽をやってるんじゃないというか、そういう音楽に対する真面目さがすごい共通してるなって思います。
ちゃくらはちゃくらで、この1年ですごい成長した自覚があるというか、うん、ちゃくらとしているべき場所、立ちたい場所が、去年以上にはっきりした上で挑む「GOOD BOPS SUMMER 2025」なので、それがお客さんに伝わったら嬉しいなと思います。

ー3バンドの成長と比例するように、今回の会場はZepp Shinjukuで、昨年のツアーファイナルのWWW Xから大きくスケールアップしています。
はる:正直、ガラクタだけだったらZepp Shinjukuは不安になると思うんですけど、あれから1年経って、今のこの3バンドだったらZepp Shinjukuでしょ、っていう気持ちが強いです。当日はZepp Shinjukuに見合うライブがもちろんできると思うし、去年見せれなかった景色が今年なら絶対見せれる。お客さんに、Zeppで見るべきライブだよねって思ってもらえるようライブができる自信があるので、すごい楽しみです。
たく:ほんとにめちゃめちゃ楽しみですよ。去年のファイナルと全く違うberry meetになっているからこそ、いい意味で去年と全く違うライブをしようと思っています。2組のライブを観るのもすごく楽しみだし。で、去年の「GOOD BOPS」に来たお客さんが今年も観に来てくれたら、あの時とぜんぜん違うぞって感じてくれるんじゃないかなと思って。
ーもしかしたら皆さん自身もそう思っているかもしれませんが、今年の8月のZepp Shinjukuが終わった後も、「GOOD BOPS」がさらに続いていく、もっと大きくなっていくことを期待して、楽しみにしている人は多いと思っています。
サクラ:「GOOD BOPS」が、3バンドの定期的な報告会みたいになればいいなと思います。3バンドがそれぞれ進むべき道をそれぞれ進んでいって、今回の夏みたいに、「私たちここまで行きました」とか、「僕たちこういうことできます」とか、「こう成長しました」とか、そういうのを定期的に見せ合える間柄でありたいというか、ずっと戦友でいたいし、ずっと友達でいたい。これからも高め合っていきたいと思います。勝手なこと言っちゃった、でも、そうでありたい。2組と会うたびに、楽しいことだけではなくて、嫉妬とか悔しい感情とかも思い出すし、そういう機会ってやっぱりすごく大切だなって思うこともこの1年間多かったので、これからも、「GOOD BOPS」は、そういう気持ちを思い出せる場所でありたいし、自分たちがいるべき場所とか行きたい場所を再確認できるような場所であり続けてほしいと思っています。
たく:この2組に対しては、ジェラシーを感じた時に素直に言えるんですよね。「(ガラクタは)タイアップ決まってますやん」とか。羨ましいと思ったら、いいなと言える関係性なのがすごい僕は嬉しくて。お互いの活動の色が違うからこそ、すごい刺激になることが多いので、本当にありがたい存在です。
はる:僕は、基本、人と比べちゃうっていうか、SNSとかで他のバンドがやってることを見て、うわ、俺らできてないのに、すごいな、いいな、とか思ったりするんですけど、僕も、この2バンドに対しては素直にその悔しさを伝えれるし、素直に悔しいって思える2バンドとこういう関係性を結べていることが、嬉しい。それが今後の自分たちの活動の糧になるというか。
ー5年後、10年後、3組が、また、「GOOD BOPS」がどうなってるか、とても楽しみです。
サクラ:どうなっちゃってるか(笑)。
たく:もっとおっきいところにみんなで行きたよね。ライブハウスを飛び出して、ホールとか、そういうところも行きたいと思うし、またツアーも周りたいよね。
はる:アジアツアーとか? 東名阪タイ。
たく:東名阪タイ?
全員:(笑)。
たく:変だねー? それ組んだ人やばいね。
サクラ:どうしても行きたかったんだ、タイに(笑)。
たく:ただ行きたいだけ(笑)。
<ライブ情報>

GOOD BOPS SUMMER 2025
2025年8月6日(水)Zepp Shinjuku(TOKYO)
開場 17:00 開演:18:00
料金 ¥4500(税込)
チケット https://eplus.jp/goodbops/