米国のエンタメ業界向けデータ分析会社Luminate(旧MRC Data/Nielsen Music)が2025年の中間レポートを発表。そこには意外なデータが示されていた──ロックが息を吹き返したのだ。


同レポートによると、オンデマンド音楽ストリーミングによるアメリカの主要ジャンルランキングで、ロックは第2位にランクイン。再生回数は1233億回で、ヒップホップ/R&Bの1711億回に次ぐ数字だった。注目すべきはそれだけではない。ロックは2024年の同時期と比較して、最も成長率が高かったジャンルであり、それに続くのがラテン、カントリー、クリスチャン/ゴスペルだった。映画『罪人たち』のサウンドトラックと、それに参加したアーティストの活動によって、ブルースの再生回数も急増した。

また、『レッド・ツェッペリン:ビカミング』(※9月26日より日本公開)は「2025年これまでで最も観られた音楽ドキュメンタリー」の1位に輝き、視聴時間は3億2980万分に達した。このドキュメンタリーの影響で、レッド・ツェッペリンの世界的なオンデマンド音楽ストリーミングが急増し、2月27日の週には4040万回というピークを記録。その後も7月3日まで週平均3900万回という高い水準を維持している。同作はバーナード・マクマホン監督による公認作品で、バンド初期の歴史にフォーカスしている。伝記映画ではないものの、『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』『ボヘミアン・ラプソディ』『エルヴィス』のように、バンドとロックというジャンルを次世代に紹介する役割を果たしている。

その他のLuminateレポートでは、モーガン・ウォレンの『Im The Problem』が全米アルバム消費数トップ10で首位(合算消費256.2万枚)を記録。SZAの『SOS』とケンドリック・ラマーの『GNX』が続いた。
後者は全米アナログ盤アルバムのランキングで1位となり、サブリナ・カーペンターの『Short n Sweet』が2位に。

クラシック・ロック作品もアナログ盤チャートおよびカセットアルバムのトップ10にランクイン。フリートウッド・マックの『Rumours(噂)』はアナログ盤で8万3000枚を売り上げ、ニルヴァーナの『Bleach』はカセットで4,000本を記録した。ニール・ヤングの言葉に偽りなし──rock & roll can never die.(ロックンロールは決して死なない)。

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From Rolling Stone US.
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