
山下達郎
19:00-20:10 GREEN STAGE
突然の大雨もすっかり止んで、いよいよフジロックのステージに山下達郎が登場。新曲「MOVE ON」のセッションから始まり、実質的な1曲目である「SPARKLE」のイントロが鳴った瞬間の高揚感を、僕は今後も忘れることがないだろう。フジロックには20年以上通っているが、日本人アーティストの楽曲のイントロで、国籍・人種・世代を超えた全てのオーディエンスが一斉に狂喜する瞬間というのは、間違いなく初めての経験だった。そう、このステージはシティポップの世界的なブームを祝福するビッグパーティーなのだ。
今年がデビュー50周年であることを話し、「50年やってるとどの曲をやるか迷いますが、懐かしい、オールドスクールなファンクミュージックを」と言って披露された「SILENT SCREAMER」や「BOMBER」はこの後にヘッドライナーとしてVulfpeckが出演することの必然性を示し、「プラスティック・ラブ」の2番から竹内まりやがサプライズで登場した瞬間の大歓声は今年一の大きさだったはずで、そのまま竹内がコーラスで参加しての「RIDE ON TIME」も格別。「また呼んでいただけたらやりたいと思います」と話し、最後が〈いつまでも忘れないよ 雨に濡れながら〉と歌う「さよなら夏の日」だったのも、完璧なエンディングだ。フジロック史の中で長く語り継がれるであろう、メモリアルな名演。(金子厚武)
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