コレサワ、ついに日本武道館のステージへ。9月16日、彼女にとって初の日本武道館公演「あたしを選んだ君と行く武道館」が開催された。
メジャーデビュー8周年を迎えたタイミングで辿り着いた念願のステージだ。会場は超満員。彼女のメモリアルな舞台を共に祝うために、たくさんのコレンズ(コレサワのファンの総称)が武道館に集結した。この記事では、この日だからこそのスペシャルな瞬間の連続だった同公演の模様をレポートしていく。

【画像】コレサワ、初の日本武道館公演(全5枚)

まず会場に入ると、ステージに鎮座するれ子ちゃんの超巨大セットに驚かされる。開演時間になると、アニメーションのオープニング映像がスタート。CDショップでコレサワのCDを手に取ったり、勉強中にスピーカーでコレサワの曲を流したり、部屋でコレサワのミュージックビデオを観たり、自販機でれ子ちゃんのぬいぐるみを手に取ったり。それぞれが武道館に集まり、会場はコレンズでいっぱいに。幕の裏で待機するれ子ちゃん。少しずつ幕が上がると同時に、実際の幕も同じように上がり始め、ステージにコレサワが登場。この時点では逆光のため見えていたのはシルエットのみであったが、並々ならぬ大歓声が会場中から巻き起こった。そのまま1曲目の「かわいいもん」へ。
1サビ前、コレサワは「武道館ー!」とめいっぱい叫び、続く「あたしを彼女にしたいなら」では、次々とコール&レスポンスを成立させつつ、「せーの!」「もっと!」と観客の歌声をどんどん引き出していく。

「すごーい。たくさん来てくれてありがとうございます」「コレサワ、ついに武道館に来ました」「ここで歌いたかった曲歌います」。そう告げた後に披露したのは、「君のバンド」。ラストのサビでは、原曲の歌詞を替えて〈君と武道館に行きたい〉と高らかに歌い上げてみせた。続けて、「お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな」へ。そして、この曲の最後にスタッフに猫のカチューシャを付けてもらい、「にゃんにゃんにゃん」へ繋ぐ。次の「デートの前の夜に」も然りだが、それぞれの曲でコレサワと観客のコール&レスポンスが何度も巻き起こり、そのたびに会場全体の高揚感が高まっていくのを感じた。友達と来た人も、家族で来た人も、一人で来た人も、好きな人と来た人も、誰一人置き去りにせずに巻き込んでみせる温かな包容力は本当に圧巻だ。「ぷんぷん」の後に披露した「SPARK!!」では、キックボードに乗ってステージの端から端まで移動し、上の階の観客に「やっほー!」と語りかける一幕も。「死ぬこと以外かすり傷」では、コレサワに合わせて観客が一斉にタオルを回す。あまりにも鮮やかな光景だった。


コレサワ、初の日本武道館「遠回りかもしれないけど、この道を通ってきてよかった」

コレサワ(Photo by 小坂茂雄)

ここで、コレサワが一度退場。スクリーンに「くまさんバンド」の文字が表示され、ここで、なかむらしょーこ(B)、U(Dr)、北村真奈美(Key)、ひぐちけい(G)によるバンドセッションが展開される。そして、新しい衣装に着替えたコレサワが、ステージ下手側の高台から再登場。淡いピンクのロングワンピースには、動くたびに揺れるハートの飾りがフリルの先端にいくつも施されていた。泡のブクブクとしたSEが響く中、「バスタイム」が披露され、同曲の落ちサビでは、コレサワからマイクを託された観客が大合唱で彼女の想いに応えてみせた。その後も、次々と披露されていく歴代の代表曲たち。その中でも、この日の中盤のハイライトを飾ったのが、映像演出なしで届けられた「たばこ」だった。1番はアコギとピアノで披露。会場は大きいが、彼女の歌声は、まるでライブハウス公演の時のようにダイレクトに、かつ、親密に響いていて、とても感動的だった。

MCパートで、コレサワは、やっと武道館のステージに立てた感慨を語りつつ、これまでの歩みの中で、「いつになったら武道館できるんだろう」と不安な気持ちを抱いたことがあったと振り返った。その上で、「遠回りかもしれないけど、この道を通ってきてよかった。そう思えたのは、皆さんのおかげです」と語り、その言葉を受け会場全体から温かな拍手が巻き起こった。
そして、「絶対に武道館で歌いたかった曲」「アルバイト辞める前に作った曲」として「最後の有給」を披露。彼女のパーソナルヒストリー、いや、生き様が深く滲んだ楽曲で、この曲に刻まれた一つひとつの決意の言葉が、武道館の広大なステージ上でとりわけドラマチックに響いていた。また、アコーディオンの美しい調べと共に披露された「この恋はスクープされない」で、ステージ中央に設置されたブランコをこぎながら歌うコレサワの姿も忘れられない。

ここで、コレサワは、「みんなは、自分のこと、ちゃんと好きですか?」と観客に問いかけた。そして、「私も、好きって思う日と、ほんまに嫌いって思う日があるけど」と前置きしつつ、「みんなも自分のことを愛してほしい」と伝えた。そして、最新曲「I LOVE ME」を披露。輝かしい煌めきを帯びたメロディに乗せて歌われる〈あたしのままでいい こんな世界なんだし 好きな色を着て出かけよう すぐ歌えるよ I love me〉という渾身のメッセージが、深く胸を打つ。自分を愛して生きていく、という逞しくストレートな宣誓に、心を強く奮い立たされた人は性別を問わず多かったはず。気付けば、ステージの背景一面が無数の星空で彩られていた。

コレサワ、初の日本武道館「遠回りかもしれないけど、この道を通ってきてよかった」

コレサワ(Photo by 小坂茂雄)

一度退場し、ウェディングドレスを思わせる真っ白なドレスを来て再登場。背景は教会。左手にはブーケ。
披露されるのは、もちろん「お嫁さんになるの」だ。〈君〉との未来が末永く続いていくことを願うように清く誠実な愛を高らかに歌い上げてみせた、と思いきや、スクリーンに表示された時計の針が深夜0時を回り、鐘の音が鳴り渡る。そして彼女は、ブーケを投げ捨て、ドレスの巻きスカートを脱ぎ捨て、ステージ上で装いを変化させた。「武道館、まだまだ盛り上がるよ~?」と不敵に観客を煽った上で「シンデレラ」へと繋いでみせた。スクリーンにはギラギラと光るミラーボールが映し出され、客席は一人ひとりの観客が手に持つペンライトによって真っ赤に染まる。なんて激的なコントラストなのだろう。ただ、この振れ幅こそが、コレサワのライブの真髄であり、どちらの曲も嘘偽りない本心として歌ってくれることこそが、彼女がこんなにも多くの観客から信頼を得ている理由なのだろう。

コレサワ、初の日本武道館「遠回りかもしれないけど、この道を通ってきてよかった」

コレサワ(Photo by 橋本塁)

「今日はさ、とてもスペシャルな日でしょ。だから彼氏を呼んだんだけど、みんなに紹介していい?」ここでステージに彼氏の犬くんが招かれ、共に「浮気したらあかんで」を披露。観客の、〈浮気したらあかんで〉という歌詞に合わせて天井につっこみを入れるフリもばっちり決まっていた。気付けば、ステージ下手に、ピンク色の車(トロッコ)が停まっている。そこに乗り込んだコレサワは、「ペーパードライバー」を歌いながら、犬くんの運転のもとアリーナの周囲を一周。
スクリーンには、「コレサワ デート中」の文字。曲終わり、犬くんが車に置き忘れたスマホを手に取るコレサワ。そのスマホの画面には、羊ちゃんからの「昨日のデート楽しかったね」「次いつ会える?」というメッセージが表示されていた。激怒するコレサワ。そして、犬くんとのお別れを経て、「最上級にかわいいの!」へ。曲が終わった後も、観客の「かわいいー!」という声が鳴り止むことはなかった。「みんな、今日は私に会いに来るってことを選んでくれて、本当にありがとう」。改めてコレンズに感謝を告げた後に披露されたのは、「あたしを選ばなかった君へ」。スクリーンに映るコレサワがキラキラと発光していたのが忘れられない。続く「元彼女のみなさまへ」では、スクリーンにカラオケ風の歌詞が表示され、その粋な計らいに観客が大合唱で応えてみせる。曲の最後には、コレサワのギターの先端のクラッカーが炸裂!

いよいよ、残すところ2曲。コレサワは、本当は今回の武道館のステージで、もっとやりたかったことがあったが今回は断念したことを明かした。
そして、これから先、絶対に武道館よりも大きな会場でライブをすると宣言。「うちが、空飛んで、花道ばっーってできるように、ついてきてくれますかー!」「じゃあ今からみんなでファミレスに行くぞー!」。そう叫び、「ファミレスへGO!」を披露。まるで、ファミレスの隣の席で語りかけてくれるような、あまりにも親密な歌声。落ちサビでは、コレサワが観客にマイクを丸々託し、これまでで最も大きな大合唱が巻き起こる。そして、最後の1曲として、満を持して「♡人生♡」が披露される。「みんな、人生、楽しんでるー?」コレサワの呼びかけに、両手でハートマークをつくって応える観客たち。《好きな子と武道館!》歌詞を替えつつ、幾度となく繰り返されるコール&レスポンス。コレサワは、最後の最後まで一人ひとりの観客と熱烈なコミュニケーションを重ね、そして全身全霊で「人生、楽しむぞー!」と呼びかける。その後も、会場が明るくなり大量の紙吹雪が舞う中、トロッコに乗ってアリーナの周囲を周りながら、何度も何度も観客とのコール&レスポンスを続ける。あまりにも感動的なフィナーレだった。

自分を愛して生きていくこと。自分の好きなように生きていくこと。それは言うほど簡単なことではないことを、コレサワも、一人ひとりの観客も、痛いほどよく分かっている。それでも、いや、だからこそ、コレサワは、そうした生き様をまっすぐ歌い続け、そして、そうした彼女の姿勢に共鳴するコレンズによって、今回の初の武道館公演歌は見事に埋め尽くされた。コレサワが、ライブ中、もっと大きな会場を目指すと宣言していたように、この共鳴の輪は、これから先さらに大きくなっていくはず。いつか、彼女が花道を駆け抜け空を飛ぶ日が来ることを、楽しみに待ち続けたい。

セットリスト
1. かわいいもん
2. あたしを彼女にしたいなら
3. 君のバンド
4. お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな
5. にゃんにゃんにゃん
6. デートの前の夜に
7. ぷんぷん
8. SPARK!!
9. 死ぬこと以外かすり傷
10. バスタイム
11. あたしが死んでも
12. SSW
13. たばこ
14. 最後の有給
15. この恋はスクープされない
16. I LOVE ME
17. お嫁さんになるの
18. シンデレラ
19. 浮気したらあかんで
20. ペーパードライバー
21. 最上級にかわいいの!
22. あたしを選ばなかった君へ
23. 元彼女のみなさまへ
24. ファミレスへGO!
25. ♡人生♡

セットリストプレイリスト:https://lnk.to/atakimibudokan

<ライブ情報>

「コレサワ Zepp LIVE 2026 ラブリーパンクツアー」
チケット代(一般):¥6,000(税込み) ドリンク代別
チケット代(U18):¥5,000(税込み)ドリンク代別

入場制限:未就学児童入場不可
入場制限:U-18チケットに関しては18歳以下のみ入場可能(入場時要身分証確認/※販売数制限あり)
券種:スタンディング
企画:RECO RECORDS
制作:ハンズオン・エンタテインメント
1月24日(土)北海道・Zepp Sapporo
開場 16:00 開演 17:00
問:WESS
info@wess.co.jp
https://wess.jp/

1月31日(土) 大阪・Zepp Namba
開場 16:00 開演 17:00
問:清水音泉 
06-6357-3666(平日 12:00~17:00)
info@shimizuonsen.com

2月1日(日) 愛知・Zepp Nagoya
開場 16:00 開演 17:00
問:サンデーフォークプロモーション
052-320-9100(12:00~18:00)
https://www.sundayfolk.com/

2月7日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
開場 16:00 開演 17:00
問:キョードー西日本
0570-09-2424(月~土11:00~15:00)
http://www.kyodo-west.co.jp/main.php

2月15日(日) 東京・Zepp DiverCity
開場 16:00 開演 17:00
問:DISK GARAGE
https://info.diskgarage.com/

ファンクラブ先行(コレパーク全会員)
受付:9月23日(火祝)18:00~9月25日(木)23:59
https://korepark.com/2026_zeppall/
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