完全復活するどころか、2000年代の全盛期を超えるほどの人気を誇るイエローカード(Yellowcard)。1997年にフロリダ州ジャクソンビルで結成、2017年に解散し、5年後の2022年に再結成を果たした彼らは、大ブレイクしたアルバム『Ocean Avenue』の20周年を機に、再び熱い注目を集め、現在の人気を築き上げてきた。
期待が高まる中、リリースされたニューアルバム『Better Days』には、トラヴィス・バーカーが全面的に関わっている。ツアー中のライアン・キー(Vo, Gt)をキャッチして話を聞いた。

トラヴィス・バーカーとの出会い

―今年の3月末にPUNKSPRINGへの出演で来日しましたが、日本は楽しめました?

ライアン:日本の旅はいつも特別なんだ。あれから2週間後にまた戻って、「スター・ウォーズ セレブレーション」にも参加したよ。週末は友達と一緒に過ごして本当に楽しかったし、コンベンションもただただ素晴らしかった。僕は『スター・ウォーズ』の熱狂的ファンで、カリフォルニア、ロンドン、日本と、コンベンションにも3回行って、期待をはるかに超えるレベルの体験ができたんだ。僕のバンド以外での人生の次の大きな目標は、奥さんを連れて日本に行くことなんだ。彼女はまだ一度も行ったことがないから、1カ月ぐらい連れていって、全部を見せてあげたいんだよね。僕は何回行ったのか正確にはわからないけど、4月の最後の旅の時点で25回目くらいだと思う。イエローカードが終わったと思った2017~2019年の間も、1年に2~3回は行ってたよ。本当に日本が大好きだし、奥さんと共有するのが待ちきれない。あとは、日本語を話せるようになったら最高なんだけど。


―前回のインタビューでは、ニューアルバムについて少しだけ話してくれましたが、本当に良いアルバムを完成させましたね。

ライアン:ありがとう、本当にやった!という感じだね。アルバムが世に出るまでは、何を期待すべきか、みんながどう反応するかは本当にわからなかった。それに今は、『Ocean Avenue』が出た時とはかなり違う時代だ。今を抜きにすると、あの当時が僕たちのキャリアの頂点だった。当時はアルバムを出す前に複数の曲を先行リリースするのがお約束だったけど、個人的には、アルバム全体を通してアーティストが伝えたい旅を感じながら聴くのが好きなんだよね。今は曲の反応を早く知ることができるし、20年振りだけど当時に負けないくらいのポジティブなエネルギーを感じてる。アメリカでの本格的なラジオプレイにしても、たぶん最後にラジオでヒットした曲は「Light Up The Sky」の2007年だから、ほぼ20年振りになるよ。

僕たちは長い間ラジオから完全に離れてたけど、(新作の先行シングル)「Better Days」を出した時に学んだことがあって。ポジティブに感じて、良い気分でいることは大事だけど、人から言われたことに対して、過剰に期待して興奮しちゃいけないんだ。人に「あなたは世界一ビッグになる」って言われて調子に乗ってると、自分がぶっ飛ばされてしまうからね。このアルバムが完成して、周りに聴かせ始めた時、すでにシングル候補は「Better Days」に決まってたよ。
ロサンゼルスにはHits Magazineという、長年アメリカにある業界誌があってね。友達がやってるんだけど、そこはラジオ向けのサービスもやってるんだ。そこにインディ・レーベルが依頼をすると、曲を取り上げてラジオ局に配信してくれるんだ。僕たちはもうメジャーレーベルにいないから、そこに外注で頼んでるんだけど、その会社のオーナーが、「Better Days」は間違いなくナンバーワンになるって言うんだよね。業界で尊敬されてる人がそう言ってくれるのを聞くと、もちろんワクワクするじゃない? でも、慎重にもなりたいから、「まあ素晴らしい曲だとは思うけど、どうなるか見てみよう」って感じだったんだ。そしたら、アルバム発売1カ月前の9月に、実際にナンバーワンになってしまったんだ。しかも、3週間ナンバーワンだ。サブライムが新曲を出さなかったら、おそらく7週間ナンバーワンになってたはずだよ。「俺たちやったんだ!」って思ったね。

最初はスゴく慎重だったけど、今では未来のこと、アルバム『Better Days』が僕たちの人生やキャリア、家族、イエローカードのストーリーに与える意味について、本当にワクワクしてる。僕たちのディスコグラフィの中で、このアルバムが『Ocean Avenue』以来、最高で最も重要なレコードだと思ってるくらいだ。しかもファンの中にはアルバム先行曲を聴かないで、アルバムが出る時まで我慢して待ってる人もいるんだ。
そういう人たちが初めてアルバムを聴く時のリアクションも楽しみなんだよね。今、「本当に良いアルバムを完成させた」って言ってもらえたけれど、本当、感謝の気持ちしかないんだよね。

―フルアルバムを作ろうという、そもそものアイデアはどのようにして出てきたのですか?

ライアン:2023年にアメリカで『Ocean Avenue』の20周年記念ツアーを行なったんだけど、僕たちのキャリア史上、最大規模で最も成功したツアーになった。その時の反応は本当に衝撃的でね。でもそれが終わった後は、次に何をするのかを考えないといけなかった。『Ocean Avenue』のノスタルジーだけでずっとツアーができるわけじゃないし、自然な次のステップとして、もし続けたい気持ちがあるなら、ニューアルバムを作る必要があったんだ。しかも作るなら、ただリリースして、推しとなる曲が1曲だけみたいなアルバムにはしたくなかった。コアなファンは盛り上がるだろうけど、すぐに消えてしまうようなアルバムじゃダメだと思ったんだよ。『Ocean Avenue』以降に作ったアルバムはそんな感じだったからね。

とは言っても、ファンにとって本当に意味のあるアルバムを作るために、どういうのが正しい道なのかがわからなかったし、既存のファン以外にもインパクトを与える方法を見つける必要があった。それでアルバム制作の話を始めた時、作詞をバンドメンバー以外のライターと一緒にやるのも面白いんじゃないかって、メンバーに提案したんだ。そういうのはこれまでのアルバムではやったことがなかったからね。
今の僕は45歳になって、いろいろ他の音楽ジャンルにも興味が広がってる。音楽自体はイエローカードらしいポップパンクの核心を捉えつつも、45歳の僕がそういう音楽をそのままやるのには少し怖れもあった。でも、長年のバンド仲間でソングライターとして成功してる、ニック・ロングという友達がいて。ニックはトラヴィス・バーカーともたくさん仕事をしてるし、マシン・ガン・ケリー、ブリンク182、アヴリル・ラヴィーンとか多くのアーティストの制作にも関わってるんだ。最初に連絡を取ったのはニックだったんだけど、僕たちにはレコード契約もまだなく、アルバムを作る計画もなく、ただ曲を書き始めたいとだけ言ったところ、「スケジュールを空けるよ。やろう」って言ってくれたんだ。それで、LAに行って数日間一緒に作業する計画を立てたんだよ。アコースティックギターでジャムセッションをして、ハングアウトして、様子を見てみた。

ニューアルバム『Better Days』ではアヴリル・ラヴィーン参加曲「You Broke Me Too」も収録

それで一度、セッションの合間の時、ニックから、「今、トラヴィス・バーカーとスタジオにいるんだけど、トラヴィスにイエローカードの制作の話をしたら、2日ほど予定を空けるからセッションに参加したいって言うんだ」って言われて。僕たちは驚いたし、衝撃を受けたし、「今、何って言ったの?」って感じになったよ(笑)。過去にトラヴィスに会ったのも、数十秒挨拶を交わす程度で、特に友人というわけでもなかった。それでスタジオに入った初日、ニックに「久しぶりだね。
曲を作ろう」という感じで始まったんだけど、その時点でも、レーベルも契約もアルバムを作る計画もまだなかった。文字通り、ただ集まっただけだったんだ。でも、その週末に最初の曲「Barely Alive」が出来たんだ。それが2024年4月の話だ。それで週末の終わりには、トラヴィスが「一緒にフルアルバムを作るってアイデアはどう?」って持ちかけてきて、「俺が関わって、レコードをプロデュースして、ドラムも叩くのはどう?」って言ってくれたんだ。僕たちは「もちろんだ、やろう!」って返したよ。こうして、エキサイティングでエネルギッシュでポジティブ全開の、久しぶりのレコーディングセッションが始まったんだ。あとは、アルバムを出してくれるレーベルを探すことがミッションになったね。そこからBetter Noise Musicとも出会った。彼らはこのプロジェクトにスゴく興奮してくれたんだ。僕たちは40代になったけど、もう一度挑戦して、このアルバムを出して、大きくやろうって決めたんだ。

―スゴい流れですべてが決まっていったんですね。


ライアン:そうなんだ。ラジオでヒットするとか、そういうことだけが目的じゃなかった。音楽がすべてで、良い曲を作ることが第一前提だった。必要な時には誰かが助けてくれるもので、トラヴィスはまさにその誰かだったんだ。彼のおかげで、イエローカードの本来のサウンドを再発見することもできた。多くのファンが何十年も追いかけてきたサウンドをね。僕自身もそれを追い続けてはいたんだけど、トラヴィスのエネルギーとヴァイブスが、それを再び見出す手助けをしてくれた。だから「Better Days」を聴くと、最初に「Way Away」とか『Ocean Avenue』を聴いた時の懐かしい感覚もあるし、同時に、この20年間で成長して成熟して、癒されて変化してきた僕たちが作ったアルバムという感覚もある。

完全復活を果たすまでの葛藤

―今回のアルバム制作で一番特別だったことは?

ライアン:アルバム制作で一番特別で、一番怖かったことは、長い年月を経て、再びラジオでかけてもらうという大きな挑戦をする時に、どうやったら本物らしく聴こえるかということだった。「ラジオ向けの曲を作ろうとしてる」と感じさせずに、偽ることなく、自然に、正直に作ることができるのかということだ。それはスゴく大きなプレッシャーになったね。でも、トラヴィスは僕の心の中にある恐怖や不安を払拭してくれたんだ。「ただ曲を書けばいい。ハングアウトして、楽しんで、それで一緒に曲を書こう」「今日最高の曲が出来なければ、明日またやればいい」って言ってくれたんだ。

―結果、曲作り、レコーディングのプロセスは楽しめましたか?

ライアン:最初は本当に大変だったよ。これまでも、自己不信というか、インポスター症候群みたいな感覚にとらわれることは多かったんだ。「俺はここにいるべきなのか?」という自問自答だよ。『Ocean Avenue』が突然ブレイクした初期の頃も、ガレージバンドからわずか3年でMTVアウォードをもらった時も、全然居心地が良くなかった。その感覚を理解して克服するために、人生の後半で多くの時間を費やすことにもなった。だから、このプロセスが始まった時、そういう悪魔が再び顔を出してきて、「トラヴィス・バーカーとスタジオにいる俺は何をやってるんだ?」って思い始めたんだ。バンドを解散した後だったから余計にそう思わされたんだ。でも、彼は忍耐強く支えてくれて、僕がスタジオで自分の居場所を見つけられるように助けてくれたんだ。そこはトラヴィスだけじゃなく、バンドメンバーのライアン(・メンデス:Gr)、ジョシュ(・ポートマン:Ba)、ショーン(・マッキン:バイオリン)にも感謝だ。

それで一旦、自分の居場所を見つけた後は、これまでのキャリアで一番エキサイティングで、一番楽しい曲作りとレコーディングの経験に変わったよ。ポジティブなエネルギーで満ちていて、バンド全体の目標も明確だった。誰か一人が目立つための曲じゃなくて、メンバー全員で作る感覚があったんだ。最初は怖くて大変だったけど、すぐに自信にあふれた、最高に楽しいスタジオ体験に変わったんだよ。それに、僕自身のエゴ抜きで言っても、今までの人生のアルバム・レコーディングの中で最高のボーカル・パフォーマンスを形にすることができた。トラヴィスは部屋に座って、「深呼吸して、落ち着いて」って励ましてくれたから、スゴく協力的でポジティブな体験になったんだ。

Yellowcardが語る、トラヴィス・バーカーと共にパンクバンドが掴んだ新たな黄金期

Photo by Joe Brady

―アルバム全体を聴いて感じたのですが、『Ocean Avenue』を彷彿とさせるクラシックなイエローカード・サウンドへの回帰が感じられると同時に、モダンなプロダクションもあって、ノスタルジアにはとどまらない現在進行形のサウンドで、フレッシュで新しいんですよね。シンプルに聴こえる曲でも、ビートやメロディ、曲の構成など、細かなディテールにこだわりが詰まっていますよね。今回の制作はどのように進めていったのですか?

ライアン:いい質問だね。正直、最初のうちは水の中におそるおそる足を入れるみたいな感じだったんだ。だって僕たちがバンド以外の誰かと一緒に曲を書くのは初めてだったからね。最初は、外部のライターと一緒にやることに対して、「自分たちだけでやれないのか?」って、ちょっとした偏見があったと思う。でも、最高の曲を作るなら、誰が書くかなんて関係ないし、誰が部屋にいるかなんて関係ないと思ってね。純粋で素晴らしい曲が出来て、それに誇りを持てるなら、それを恥じる必要は全くないんだ。

―具体的には誰と一緒にやったのですか?

ライアン:20年来の友達であるニック・ロングを中心に、アンドリュー・ゴールドスタインという長年の友人、それにトラヴィスだ。彼らの直感や本能は本当に素晴らしくて、曲の方向性を決めるセンスが特別なんだ。その影響で、僕自身の直感も生き生きとしたものになった。例えば、去年の10月のセッションの後、家に帰って3曲の歌詞を書いたことがあるんだ。デモ作りから始まって、ギターを弾いて、ドラムのプログラミングをやって、歌詞を書くというのを、全部自分でやったんだよ。そんなことは何十年もやらなかったことだ。そうやって出来たアイデアを全員に送って、トラヴィスからも「この曲は素晴らしい」って言われて、アルバムにも収録されることにもなったんだ。大きな自信にもつながったし、バンドとのつながりにおいても大切な瞬間になった。「これは俺の曲だ。みんな演奏してくれ」って自分の曲を押し付けるのではなく、みんなが「この曲はスゴいな! 俺はベースラインを足すよ」「ここにバイオリンを入れたい」、「一緒にこの曲をさらに良いものにしよう」という感じになったんだ。それはスゴくうれしいことだったね。

―トラヴィス・バーカーのことをプロデューサーとしてどう見ていますか?

ライアン:スタジオに入る前、トラヴィス・バーカーはブリンク182のドラマーとして知ってたし、僕たちの世代で最高のドラマーの一人だと思ってた。彼のことは「こういう人だ」って、頭の中でイメージは出来上がってたけど、実際の彼がどれだけ才能にあふれ、どれだけ情熱的で、どれだけ頭の切れるプロデューサーなのかは、実際にやってみてわかったし、驚かされたよ。別に、彼がそんな人だとは思ってなかったということじゃない。ただ、新しいプロデューサーと一緒にやるのは常に緊張することなんだ。でも彼は本当にオープンで、僕たちがどういうバンドなのか、どういう人間なのかを理解しようと全力で向き合ってくれた。そして実際に曲作りにおいても、僕たちがアイデアに詰まってスタジオの中をウロウロ歩き回っていると、ふと彼が「そうそう、それだよ」とか言ってくれるんだ。スタジオの中で起きてることをただ見て、みんなの間にあるエネルギーやつながりを感じ取って、自分が「この一言で曲が一気に完成に向かう」って確信した時にだけ口を挟むんだ。それができるのは本当に特別な人で、彼はそれを完璧にやってのけるんだ。それに加えて、僕たちのバンドにはフルタイムのドラマー、5人目のメンバーがいないんだけど、トラヴィスと一緒にやるという素晴らしい経験をすることができた。僕が歌ってる後ろでトラヴィス・バーカーがドラムを叩いてる……それってまるでパラレルワールドみたいな、信じられない体験なんだ。本当に、彼の関わりなしでは今回のアルバムは作れなかったと思うし、今こうして彼を友人と呼べること、そしてイエローカードの物語の一部になってくれてることは、光栄としか言いようがないね。

「honestly i」ではトラヴィス・バーカーのドラムが大活躍

―制作のプロセスの中で、若い時の自分にも、現在の自分にも向き合うことがあったと思いますが、それはどういう感覚でしたか?

ライアン:若い時の自分は常に僕の中にいるよ。だって同じ自分だからね。僕たちは、まずイエローカードのファンをワクワクさせるアルバムを作りたかった。でも、自分だけのために作るのか、ファンへの愛と感謝を表現するのか、そこのバランスは本当に微妙だった。クリエイティブなリスクは取りたいけど、同時に、25年もの間バンドを支えてくれたファンに対して、愛と感謝を表現することも大事だからね。だから僕としては、少し俯瞰して物事を見ることが必要だった。今の自分の人生のレンズを通して客観的に見るということを、いろいろな方法でやろうとしたんだ。

アルバムに「City Of Angels」って曲があるんだけど、僕はロサンゼルスという都市との関係でずっと葛藤してきた。ロサンゼルスに潰されたとは言いたくないけど、若い頃、バンドが成功した時期に暗い場所に引きずり込まれたこともあった。でも同時に、僕の人生やキャリアの多くはロサンゼルスに支えられてきたし、そこでの経験に感謝もしてる。ちょうど今年の1月にパリセーズで山火事が発生した時、僕たちはロサンゼルスにいて、スタジオをキャンセルせざるを得なかった。トラヴィスも自宅の安全を確認しなきゃいけなかったし、本当に大変な状況になってた。その時トラヴィスが、「今起きていることをどう感じてるか、それを書くべきだ」ってメッセージをくれたんだ。その日の夜はヘッドホンとペン、紙を出して、デモを何度も聴きながらこの曲を書いたよ。音楽的には、僕の好きなエレクトロニック・ミュージックが入ってるんだ。でも、結局は火事や悲劇そのもののストーリーを書いたわけじゃなく、最終的にはロサンゼルスという街に対する愛情や感謝を書いたんだよね。昔の友達、家族とか、僕たちのキャリアを築いてくれたCapitol Recordsの友達のこととか、ロサンゼルスでいろいろ経験してきたことを考えながらね。昔のアルバム『Lights and Sounds』には「City of Devils」という曲もあるんだけど、ロサンゼルスの暗い側面やナイトライフ、ドラッグやアルコールに溺れないようにという葛藤をテーマにしてる。一方で、「City Of Angels」は、ロサンゼルスが僕に与えてくれたポジティブなものを見つけるというのをテーマにした曲だ。悲劇の中の体験そのものを描いたものではなく、愛とか自分の人生の旅路とのつながりについて書いたものになるんだ。

―前回のインタビューでは、イエローカードが再び急激に人気が爆発した理由を聞きましたが、わからないと答えましたよね。今はツアーを続ける中で観客を見たり、ネット上でアルバムのニュースが出た時のコメントを見たりするので、ある程度ファンのリアクションからわかることがありますよね。今一度聞きますが、再び人気が出た理由は何でしょう?

ライアン:今は世界中に僕たちのバンドを愛してくれる人がたくさんいるんだ。僕たちにはたぶん火がつくためのきっかけが必要だったんだよ。人生やキャリアのある段階で、自分たちを本当に目に見える形、聴かれる形、理解される形で示す必要があったんだ。2020年4月の48時間セッションで、トラヴィスが僕たちのバンドに可能性を見出してくれたおかげで、僕たちはアルバムを作ることができた。もし彼がいなかったらアルバムなんて作ろうと思わなかったはずだ。彼はアルバムのクリエイティブな判断にもすべて関わってくれたし、それは本当に素晴らしいプロセスだった。トラヴィスこそが僕たちに必要なきっかけだったんじゃないかな。バンドと音楽に再び人々がつながってくれる感覚を味わえるのは久しぶりだし、まるで新たなスタートが始まったばかりのように感じるんだよね。

Yellowcardが語る、トラヴィス・バーカーと共にパンクバンドが掴んだ新たな黄金期
Better Days [Explicit] | Yellowcard

イエローカード
『Better Days』
発売中
再生・購入:https://yellowcardofficial.lnk.to/bdalbum
編集部おすすめ