活動休止と再始動の背景
「たぶん、少し歯車が噛み合わなくなってしまったんだ。
ヨークはさらにこう続ける。「どのみち、僕は止まる必要があった。というのも、自分に”喪に服す時間”を与えていなかったから」と語り、2016年にがんで亡くなった元パートナーであり、子どもたちの母親でもあるレイチェル・オーウェンの死について言及した。「その悲しみは、いろんな形で表に出てきていたんだ。それで”これはちゃんと向き合わなきゃいけない”と気づいたんだよ」
「音楽は、物事に意味を見出すための方法になり得る。でも、自分の調子が悪いからといって、それをやめなければならないなんて……? たとえどん底にいても、それは無理だった」と、当時のツアーについてヨークは振り返る。「何かにつかまっていたかったんだ。でも、これまでの人生で、音楽に救いを求めてピアノを弾いても、それが本当に痛かったことがある。身体的に。
ギタリストのエド・オブライエンは、『A Moon Shaped Pool』ツアーの終盤には「事実上、レディオヘッドをやり切っていた」と語った。「最後のツアーはあまりよくなかった。ライヴは楽しめたけど、それ以外の部分が嫌でたまらなかったんだ。僕らはバラバラで、完全に燃え尽きていた。そういうことは起こるものさ。だって、これは僕らの人生そのものなんだから。他に何がある? 成功って人をおかしくするんだよ。ただ、もうやりたくなかった。それをみんなに伝えた」と彼は明かしている。
「その後、僕は”魂の長い暗夜”をくぐり抜けた。深い鬱に陥って、2021年にはどん底にいた。
11月4日のスペイン・マドリード公演から始まる今回のヨーロッパツアーに向けて、トム・ヨークは65曲に及ぶ候補曲リストをメンバーに送ったという。「僕ら全員、それを必死で練習してるところだよ」とギタリストのジョニー・グリーンウッドは語る。「でもトムが来て、”その半分はやめよう”って言うんだ(笑)」。最近の再結成ツアーのように固定されたセットリストではなく、公演ごとに内容が変わる予定だという。トムも「曲が多すぎるんだ」と笑いながら付け加えた。
イスラエル・パレスチナ問題との向き合い方
またバンドは、イスラエルとハマスの紛争、パレスチナにおける「ジェノサイドの隠蔽」とされる問題についても長く語った。ジョニー・グリーンウッドはイスラエル人アーティストのシャローナ・カタンと結婚しており、同地域で多くの時間を過ごしているという。
「最近、何度か街中で”Free Palestine!(パレスチナを解放せよ!)”と叫ばれたことがある」とトム・ヨークは語っている。「ある人と話したんだけど、彼の言い分は”あなたには発言の場があり、責任がある。
バンドの中でも、特にエド・オブライエンはSNSで「Free Palestine(パレスチナに自由を)」の立場を明確に示してきた。一方で、ドラマーのフィル・セルウェイは次のように語っている。「BDS(ボイコット・投資撤退・制裁運動)が僕たちに求めていることは、現実的には不可能なんだ。彼らは”ジョニーと距離を置け”と言うけれど、それはつまりバンドの終わりを意味する。ジョニーは信念のある立場から行動しているんだ。だけど、これまで共鳴してきたアーティストたちから疎外されるのは、複雑な気分だよ」
また、今回のヨーロッパ公演後のバンドの今後について、新曲を披露する予定があるかどうかも質問された。
*レディオヘッドのライブアルバム『Hail To The Thief (Live Recordings 2003-2009)』日本盤は10月31日リリース。詳細はこちら。
From Rolling Stone US.
Radiohead 2025
They're cool. pic.twitter.com/2iuMIVpwWy— Radiohead videos (@raradiohead) October 26, 2025
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