10月31日、11月1日の2日間にわたり、『#RUNSEOKJIN_EP.TOUR_ENCORE』が韓国・仁川市の仁川文鶴競技場メインスタジアムにて開催された。今年の6月から9都市18回行われたJINにとって初となるソロファンコンサートツアー『#RUNSEOKJIN_EP.TOUR』のフィナーレを飾る本公演。
BTS公式YouTubeコンテンツ『Run Jin』を踏襲したコンセプトはそのままに、セットリストや演出をブラッシュアップし、ツアーを通して磨き上げてきたパフォーマンス力を遺憾なく発揮すると共に、ARMYと密な時間を作り上げた。本稿では10月31日公演の様子をお届けする。

【ライブ写真ギャラリー】JIN『#RUNSEOKJIN_EP.TOUR_ENCORE』

照明が落ちたのを合図に、一瞬にして歓声が沸き上がった会場。その熱量をすべて掴み、「Running Wild」と共にシルバーの衣装をまとったJINが姿を現した。甘く柔らかな歌声を響かせながら、アリーナのトラックをグルッと巡っていく。さすが世界を魅了してきたアーティストとでもいうべきか、晴れやかな表情は緊張を一切感じさせない。その流れを止めぬまま、ロックサウンドの「Ill Be There」へ。すでにARMY(BTSのファン呼称)も準備万端なようで”oh-oh-oh”と伸びやかな合唱が響き渡る。たっぷりと2曲かけてJINはステージにたどり着くと、ドラムやギターを演奏するモーションに連なって元気よくジャンプ。会場の規模による寂しさを感じさせない、ホットな演出でオープニングを飾った。

JIN、ソロとしての集大成を刻んだステージ――ARMYと描いた、愛と成長のフィナーレ

(P)&(C)BIGHIT MUSIC

往年のロックスターのように「With the Clouds」を歌い上げたかと思えば、「Falling(feat. Taka)」では視線だけでも魅せる。異なるテイストの楽曲を軽やかに繋ぎ、即座に世界観に没入してしまうのだから、彼の多彩さは底知れない。
たっぷりともったいつけて投げキスを放つと、黄色い声を割れんばかりに轟かせていた。

センチメンタルなギターが印象的な「Dont Say You Love Me」では、言葉を語り掛けるようにして歌っていく。花びらの形を模した花吹雪が舞うなか、お立ち台に腰掛け歌うJINの、なんと幻想的なことか。彼が手を左右に振ると、場内のライトスティックも左右に揺れ、一体感のある光景が作り出されていた。

ARMYがお題をジェスチャーで表現し、JINが答えるテレパシーゲームの『伝えろARMY』では、なんと2問とも正解。90秒のお着換えタイムを経て、白スーツにウサギ耳のついた帽子を合わせたスタイルでJINは再びステージへ舞い戻った。そのまま流れるように「Super Tuna」へ繋がれると、なんとバックダンサーのような振る舞いでJ-HOPEとJUNG KOOKが登場。嬉しすぎるサプライズゲストに、オーディエンスも一段と前のめりに。3人はわちゃわちゃと戯れるように、ポップなパフォーマンスを繰り広げていった。

J-HOPEが「Killin It Girl(feat. GloRilla)」を披露し、メリハリのあるダンスと歯切れのいいフロウで強気なオーラを放てば、JUNG KOOKは「Standing Next to You」をドロップし、伸びやかな歌声と共に大人の色気を解放。それぞれの個性が煌めくソロタイムで、JINのコンサートに華やかなスパイスを足していった。

ふたりからバトンを受け取ったJINは、星屑をまぶしたようなブラックのスーツで再登場。
ピアノの前に座り、鍵盤をポロポロと弾き呼吸を整えると、「I will come to you」へ潜っていった。穏やかなムードで紡がれていくピアノと声には、思わずスッと吸い込まれる。そのままBTSのユニット曲「The Truth Untold」に繋がれると、表現は一段とエモーショナルに。バンドの演奏も力強く、JINの描きたい世界をパワフルにアシストしていた。

JIN、ソロとしての集大成を刻んだステージ――ARMYと描いた、愛と成長のフィナーレ

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折り返しを過ぎてもなお、JINの集中力が途切れることはない。ロングトーンや視線から切なさが伝わる「Background」、戦い続ける決意をこめた「Another Level」と堂々たるステージが展開されていく。そして、ラストスパートを前にARMYの合唱を聴いてJINが正解を予想する『歌えARMY』へ。場内に広がる盛大なシンガロングを耳にして、JINは満足そうな表情を浮かべていた。

再びライブセクションへ戻ると、「Loser(feat. YENA)」「Rope It」と連投して最後の追い込みをかける。続くBTSメドレーでは、J-HOPEとJUNG KOOKもステージに再集結。リズミカルなダンスと艶っぽい歌声で魅了する「IDOL」、ペットボトルの水をかけ合う攻防戦となった「So What」、メッセージを真っすぐに手渡す「My Universe」と、仲間と一緒だからこその時間が作り上げられていった。

JIN、ソロとしての集大成を刻んだステージ――ARMYと描いた、愛と成長のフィナーレ

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MCで「ステージを完成させるのは、やはりARMYの声ですね。
一緒に歌ってくれてありがとうございます。成功させるためには、最後まで一緒に歌っていただかないと。できますよね、みなさん」と焚きつけ、導かれたのは「The Astronaut」だ。柔らかく清廉なボーカルはあまりにも美しく、胸の奥にグッと迫りくる。JINの「一緒に!」という煽りに導かれ、”Oh oh oh oh oh oh oh”の大合唱。多幸感溢れるまま「Nothing Without Your Love」へ誘うと、会場一丸となってみんなでジャンプ。ステージを端から端まで駆け抜けて一人ひとりに愛を届け、大団円のうちに本編を締めくくった。

ほどなくして、JINにとって初めてのソロ曲である「Awake」をきっかけに、アンコールへと突入。始まりの歌をソロコンサートで披露するとのことで、きっと思い入れも一入だったのだろう。大人の魅力を開花させながら、しっかりと言葉を伝え抜いていった。

MCになると「成長した姿をARMYに見せたくて、やるつもりがなかったアンコールも用意しました」と語るJIN。「ARMYが望むながら、僕は徹夜でも出来ます」と断言した次の瞬間には、「でも、みなさんは徹夜を望んでないですよね」なんてチャーミングに言ってのけるのだから、本当に彼の魅力は計り知れない。


なんと今回の公演では、Wootteoデザインの気球もコンサートに参加。バルーンに乗り込んだJINは、「Moon」を歌いながら紫の光で埋め尽くされた神秘的な会場を巡っていく。高所恐怖症な彼にとっては、特大の挑戦のひとつだったに違いない。「怖いよ~。でも、したかったから!」と話す姿は愛らしくも勇ましく、ARMYへの愛に溢れていた。オオトリには、ライトスティックを振り回しながら「To Me, Today」をステージング。配信のコメント欄にも”The One”のメッセージが並ぶ様子は、距離など関係なくみんなでライブを作っている事実を歌う。「世界中のARMYが幸せになるまで、僕は走り続けます!」と宣言し、颯爽と舞台を後にしたのだった。

JIN、ソロとしての集大成を刻んだステージ――ARMYと描いた、愛と成長のフィナーレ

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