ー昨年末にEP『After Dark』をリリースし、最近ではシングルも立て続けにリリースしています。今回のアルバム『5FEET』の構想はいつ頃から?
「My Basket」をリリースした頃には「アルバムとしてまとめられるように曲を作っていかなきゃな」って感じでした。
ー5月にはヒップホップ・フェス「POP YOURS」への出演も。私も現地で観ていましたが、驚くほど堂々としていて余裕すら感じました。緊張はしていなかった?
緊張してたのかな?いまだに分からないんですよね。でも、私なりに頑張ってきた様子を見せることができたと思っています。やっぱり、(昨年の)「My Verse」の頃から比べると明らかに楽曲の完成度も高くなったと思うし、ラップも上手くなるよう頑張った。ステージを見ていたお兄ちゃんからは「余裕はあったけど、もっとがむしゃらさが欲しかった」と言われたけど、逆に友人は「余裕があって、スターだった」と言ってくれて。「人によって、ステージ上の私に対して求めることが違うんだ」って悩むきっかけにもなりました。
ーアーティストとして「どう振る舞うべきか?」と。問題が解決するというか、「これでいいんだ!」と納得する瞬間はありましたか?
それが、全然そんなふうにならなくて。個人的なことなんですけど、アルバムが完成するまでの間、二回も引っ越しを経験したんです。それも大変でした。一時期は(一軒家から)マンションに引っ越したんですけど、男の子が二人いるから、やっぱり歩いている音とか歌っている声とかが他の部屋に響かないかどうか、すごく心配で。常に「静かにして!」って言ってましたね。そこで、生活全体がキュって縮こまった感じがありました。それが制作にも影響してしまったのかも。制作すると、自分が思っていることが自然と出ていくんですよ。身の回りの何もかもが。だから、そこでまた悩むことも増えて。
ーアルバムの『5FEET』というタイトルは?
前にアメリカに行った時、私がちっちゃいから「何フィートなの?」って聞かれて。
ー全体的に、メロディアスなフロウが際立っているなと感じました。そうした点も、意識して作っていったのでしょうか?
そうですね。逆にメロディに寄っちゃうので「わ、ラップしなきゃ」って軌道修正することもありました。普段もメロディアスなラップのスタイルが一番好きで、ロディ・リッチとかドージャ・キャットとかをよく聴いています。
ー無意識にラップをすると、自然とメロディアスなフロウになっていく?
小さい頃から歌手なりたくてよくカラオケに行っていたし、鼻歌で勝手にフロウを作ったりしていました。
ー表題曲「5FEET」ではOMSBのビートでラップしています。何かの始まりを感じさせるような曲だし、最後には高音で歌うパートもあって。
今までのことを第三者目線で歌ってる、みたいな曲になってます。最後の高音の部分は夜中にレコーディングしていて、そのままの勢いで録ったパート。この曲は最初にOMSBさんのスタジオに行って、いくつかビートを選ばせてもらったんです。当初はまったく異なるビートだったんです。もっとダークで”呪い”のようなビートで、こんなこと言ったら恥ずかしいけど、今の私の能力的にはそのビートでは難しかった。私、やぎ座で亥年なんです。
ーそうだったんですね。楽曲を作っていく中で、コンセプトやテーマはあらかじめ決めていた?
最初は悩んでました、というか、つい最近まで色んな”悩み”の時期にいました。自分がいる環境が目まぐるしく変わっていって、その時の感じをそのまま書いています。「My Basket」の歌詞も、今見たら全然違うんですよ。だから、「その時に書いておいてよかったな」って思います。本当は、もっとコンセプト・アルバムみたいな作り方もしてみたいんですけど。
ー曲を書いた時期と今では、どんなところが違いますか?
今は彼の実家で、大家族みたいな感じで住んでいるんです。これまでは「ああ、今日もギリ生きてた」って感じの生活だったんですけど、今は家族がたくさんいる生活で、私の子どもたちも勉強する習慣が身についたり、”こういう大人になろう”という男性像のロールモデルもできてきたりして。
ーというのも、アルバムの歌詞の中に「変化」について歌っているものが多いなと感じたんです。「My Basket」でも〈私は変わり続けてるよ〉とラップしていて、「FINAL FORM」や「WATASHI」もそうした表現が顕著ですよね。
そうかも! 私の近くにいる人は、私がどう変化しているのかが分かるかもしれないけど、そうじゃない人には「変わったこと」っていうのが伝わらないのかも、と思ったんです。「音楽ですごい世界に行ったんだ」って思う人もるかもしれないけど、そうじゃなくて、中身から叩き直されている感じがして。だから、前の自分とはだいぶ変わりましたね。「RAPSTAR」でそのきっかけをもらったって感じです。「こんなに世界は広いんだ」っていうことに気づいたし、その後にアメリカに行って色んな人に出会って、「うだうだ言わずに、ほんとに頑張らなきゃな」って思わされました。
ーこの一年あまりでアーティストとしてもプライベートな面でも、大きな変化があったんですね。
「自分の大事なところまで無くしそうになってしまっていたかも」とも感じましたね。「WATASHI」という曲もそうなんですけど、「自分って何なんだろう?」って思うことが多くて。突然、「自分の声」みたいなものが分からなくなってしまったんです。
Photo by Daiki Miura, Hair and Make up by Yayoi Tanda
迷いと再生、その狭間で見つけた光
ー「WATASHI」では〈きっと前世騙されて死んだ〉というリリックもあって、ちょっとドキッとしました。
関係あるか分からないけど、私はすごく疑い深いんですよ。だから、「前世は騙されて死んだんじゃね?」と思って。当時はマンションに住んでいて、毎晩悪夢を見て、朝起きたら泣いていて、目元がカピカピになっている、ということが続いたんです。自分のことを色々考えながら、夢というか、人生を賭けてこれを成し遂げなきゃ、という思いってどこから来ているんだろう?と思って。それって、前世とか前々世の人たちからの期待が今の私に乗っかっているんだ、と思うようになって。でも、その人たちの思いって言葉として聞くことはできないから、マジで自分の直感に従った方がいいんだな、とか考えるようになって。
ードラスティックな変化ゆえ、なんですかね。そのスピードに実際の身体やマインドが追いつかなくなる時もあった、みたいな。
脳みその切り替えが難しくて。曲のことや自分や子供のこと、Charluのキャリアのことーーそれを切り替えて行動することが、本当に下手くそなんです。前はもっと切り替えやすい頻度や周期だったんですけど。最近では、「私ってほんと何もできないじゃん」ってことも思い知らされて。家のこととアーティストの活動、両方やりたいけどどっちも中途半端になってる気がしたんです。「あ、やばい!」って目の前のことを慌ただしくこなしている感じが、すごくダメだなあって。でも、そんな時に「両方は手に入らねえんだよ!」って彼にも背中を押された。「あなたはアーティストなんだから」って。家でレコーディングする時も「何もやるな、(レコーディングに)集中しろ!」って子供の面倒を見てくれることもあって。そうやって救ってもらいました。
ーそうした気持ちの揺らぎや迷いも、そのまま『5FEET』リリックに反映されているのかな、と感じました。
亡くなったパパの親戚とか彼のお母さんにも私の曲が届くようになって。だからこそ、すごく不安になることも増えたんです。でも彼が「気にすんな」って言ってくれて。それでやっと「誰のことも気にしなくていいや」って思えるようになりました。「私が思ったことを(歌詞に)書こう」って。普通の人だったら1日でたどり着くような答えかもしれないけど、私はアルバム制作を通して、やっとそれに気づくことができたんです。
Photo by Daiki Miura, Hair and Make up by Yayoi Tanda
ー「CAP」では、迷いを払拭するようなフレックスな姿勢でラップしていますよね。こうしたCharluの曲を聴くことができて嬉しいです。
さっきも言った通り、私はやぎ座(Capricorn)で、仲のいい友達も一緒なんです。彼女と”やぎ座の宿命”みたいなことを話していて(笑)、それをテーマにしました。”CAP”は”嘘”を意味するスラングで、そこにカプリコーンのCapを掛けている。この曲が完成して、アルバムの最後にちょっと足りなかった要素、”昔の私”を取り戻すことができたんじゃないかなって思っています。だからアルバム全体として、音楽的にも進化し続けた自分の内側の、最終進化バージョンみたいなものを表現できたんじゃないかなって。「CAP」が完成してほっとしました。
ーゲスト・アーティストは唯一、「Lifes Too Short」に気鋭のラッパーであるTepa Roucciが参加しています。
一緒に曲をやりたい人はいっぱいいるんですけど、今回の作品はより等身大に近づけたかったから、どんな人かも一番よく分かっているし、このアルバムを作るにあたって一番支えてくれたのも彼だったので、人としてもアーティストとしてもリスペクトできる彼にぜひ作品に入ってほしいと思って誘いました。
ー初めてのワンマンライブも目前に控えています。意気込みは?
色んな人が来るんだって思うと、「全員に届けなきゃ」って思いますね。「子供を連れて一緒に行きます」って言ってくれる人もいるし、老若男女、幅広い人たちが来てくれるのかなと思って。だから、若い子もちっちゃい子も、お父さんお母さん世代の人も、全員にちゃんと楽しんでほしいなって思っています。
『5FEET』
Charlu
https://Charlu.lnk.to/5FEET
01. 5FEET (Prod. OMSB)
02. Asian Magic (Prod. Zen Masuta)
03. 星に願う (Prod. JIGG)
04. WATASHI (Prod. Speace88)
05. FINAL FORM (Prod. BLKZEN)
06. CAP (Prod. Den Virghee)
07. Ed Hardy freestyle (Prod. Den Virghee)
08. Selfish (Prod. Zen Masuta)
09. My Basket (Prod. JIGG)
10. In The Sky (Prod. Den Virghee)
11. Lifes Too Short feat. Tepa Roucci (Prod. KM)
12. キズダラケ (Prod. JIGG)
Charlu ONE MAN LIVE ”5FEET”
11/15(土)東京・WWW X
時間:18:00 Open / 19:00 Start
チケットURL:https://eplus.jp/charlu1115/
前売:¥3,000(税込) ※ドリンク代別
問い合わせ:WWW X 03-5458-7688


![VVS (初回盤) (BD) [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51lAumaB-aL._SL500_.jpg)








