7月、自主レーベル「0A」設立後初となるアルバム『Sono nanika in my daze』をリリースしたAge Factory。彼らは、同作を掲げ、約2カ月にわたるツアー「”Sono nanika in my daze” Release Tour 2025」を敢行。
そのツアーファイナル公演が、11月3日、東京・Zepp DiverCityにて行われた。はじめに結論から書いてしまえば、今回も凄まじく壮絶なロックアクトだった。約90分間を通して感じた"その何か"(Sono nanika)を言葉にして表すのは野暮と思えるくらい、えも言われぬ気持ちで胸がいっぱいになった。その前提の上で、あの一夜の出来事を、でき得る限り克明にレポートしていきたい。

【画像】Age Factory、Zepp DiverCity公演(全9枚)

「陽炎」がSEとして響き、白いライトが激しく明滅する中、清水英介(Vo・G)、西口直人(B・Cho)、増子央人(Dr・Cho)、そしてサポートギターの有村浩希が登場。1曲目は、「rest/息」。ツアーファイナルということもあってか、4人の渾然一体のサウンドは痺れるほどに極まっていて、何より、歌であり、シャウトであり、ポエトリーリーディングであり、同時に、そのどれでもない、まるで魂の猛烈な震えそのもののような清水のボーカルは本当に圧巻。「最後までよろしく」という簡単な挨拶を経て、続けて「海に星が燃える」へ。まだ序盤にもかかわらず次々と続出するダイバー。ここまではアルバム『Sono nanika in my daze』の冒頭をなぞるセットリストだったが、ここで「Shadow」が披露される。並々ならぬ歓喜の声。さらに沸き立つフロア。
まるでクライマックスのような熱狂だ。

Age Factory、Zepp DiverCityで奏でた壮絶な90分間「俺たちは新しい場所へ向かう」

Photo by Kazma Kobayashi(Bearwear, UUWorks)

「全員でいこう」。清水の呼びかけの後、ここから再び、最新アルバムの楽曲が連打されていく。「3」、そして「漆黒」。次の曲に移ろうとしたタイミングで清水のギターにトラブルが発生。清水は、「かましすぎたわ」とぼやきつつ、復旧に時間がかかりそうな空気を察して、「どうせならしゃべろうかな」とMCを始めた。彼は、これまで15年間、Zeppツアーを目標にバンドをやってきた、とこれまでの歩みを振り返った上で、「15年間やってきたことは間違ってなかった」と語った。観客から送られる温かな拍手。そして、「このツアー初、メンバー喋るか」「なかったらいいよ」とメンバーに呼びかけ、西口が「でも、まぁ、感謝ですね、やっぱり。ありがとうございます。だけかな」と語る。続けて、増子が「シンバルが折れたので変えました」と報告、BOYが「これからもAge Factoryを、皆さん愛してください」と呼びかけたところで、ギターが復旧。
清水は、「一緒に今の時代に音楽残せてマジでよかったな」と語り、ステージに迎えたYDIZZYと共に「hernoiz feat. YDIZZY」を披露。次の「CLOSE EYE」もYDIZZYと共に披露するという非常にスペシャルな展開。YDIZZYは、「Age Factoryに最大の感謝とリスペクトを」という言葉を残し、熱烈な拍手が送られる中、ステージを去っていった。

ここから、「Sono nanika in my daze」より前までの楽曲を軸とした展開へ。まずは、「向日葵」。何度も巻き起こる観客の一斉ジャンプ。清水は、「俺はずっと友達のために曲を作ってる。あいつらが踊ればいいなって思ってる。そこにみんなもいる」と告げた上で、「今ここにいる友達に」向けて、「Dance all night my friends」を披露。自由に踊り、歌いながら、胸の内の全ての感情を高らかに解放していく観客。その熱量と高揚感は次の「HIGH WAY BEACH」へと引き継がれ、そして、「もう一人、最高な友達がいるんだ」と清水が告げて披露した「may feat. lil soft tennis」では、lil soft tennisがステージに登場。2人目のスペシャルゲストの登場を受け、さらに沸き立つフロア。
清水とlil soft tennisは、バースを分け合いながら熾烈なマイクリレーを繰り広げ、その上に観客の懸命な合唱が重なる。あまりにも熱い展開だ。続く「プールサイドガール」では、この日最大人数のダイバーがフロアを飛び交い、「TONBO」では、この日の一番を更新する特大シンガロングが巻き起こった。観客の魂の熱唱に呼応するように、バンドのライブパフォーマンスがさらに激っていく。なんて凄まじい応酬、そして、なんて輝かしく美しい景色なのだろう。続く「1994」でも最高の熱狂が生まれていた。

Age Factory、Zepp DiverCityで奏でた壮絶な90分間「俺たちは新しい場所へ向かう」

Photo by Kazma Kobayashi(Bearwear, UUWorks)

ここで、しばしの沈黙。フロアから「ありがとう!」の声が次々と送られる中、清水が語り始める。「俺らを最高にしてるのは、演奏、音だけじゃない」「ここにいる一人でも欠けてたら、全く同じ景色はない。俺たちは同じポイントにはいない」「みんながAge Factoryの一部なんだよ」「俺たちのためにも、Age Factoryのためにも、いこう」。そして、「Blood in blue」へ。はじめはステージを照らしていた青いライトが、サビになるタイミングでフロアのほうを向き、一人ひとりの観客を鮮やかに照らし出す。
続く「Everynight」では、ミラーボールが煌びやかな光を放ちながらゆっくりと回転し、会場全体にドラマチックな高揚感が満ちてゆく。

今回のライブを締め括ったのは、アルバムのラストの3曲。「鳴っていたピアノ」、そして、「俺らがここにいるのは偶然じゃない、そう思うんだ」という言葉を添えて「Because」を披露。ここで清水が再び語り始める。「俺たちは進む。たとえ間違いだとしても、俺たちはこの道を進む。そう思えた。本当にそう思えた。だからもう戻らない」。深い決意の言葉の後、清水は「ありがとう」と感謝を告げ、ラストの「Sono nanika in my daze」へと繋ぐ。全身全霊を尽くし切るような渾身のサウンド、そして、魂の絶唱。観客は、圧倒されるように、もしくは見惚れるように、ただただ立ち尽くしている。
壮絶な轟音の中で迎えた万感の終幕。最後に清水は、「『「Sono nanika in my daze」』が今日をもって終わる。俺たちは新しい場所へ向かう」と宣言し、2026年11月、初の日本武道館公演を開催することを伝えた。メンバーがステージを去った後も、しばらく観客の歓喜の声とどよめきが止むことはなかった。

セットリスト
1. 陽炎(SE)
2. rest/息
3. 海に星が燃える
4. Shadow
5. 3
6. 漆黒
7. hernoiz feat. YDIZZY
8. CLOSE EYE
9. 向日葵
10. Dance all night my friends
11. HIGH WAY BEACH
12. may feat. lil soft tennis
13. プールサイドガール
14. TONBO
15. 1994
16. Blood in blue
17. Everynight
18. 鳴っていたピアノ
19. Because
20. Sono nanika in my daze
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