矢部昌暉の活動再開後初ライブとなった『DISH// ARENA TOUR 2024-2025「群青飛行」』、初の「皿組GOLD」会員限定ツアーとなった『DISH// FC TOUR 2025 「愛してるぜベイベー//」』、3年ぶりにコニファーフォレストでの野外ライブとなった『DISH// SUMMER AMUSEMENT 25 – GAME –』。11月8日(土)に東京ガーデンシアターで開催された『皿祭 -sarafes- 前夜祭ワンマン ~早めの忘年会~』は、そのすべてをひっくるめた一夜だった。各イベントのセットリストを反映させて再構築し、いいことばかりではなかったであろう各々の2025年を凛々しく受け止めたのである。
【ライブ写真ギャラリー】皿祭 -sarafes- 前夜祭ワンマン ~早めの忘年会~
場内BGMがBEGIN「笑顔のまんま」に移り変わると、すでにスラッシャー(DISH//ファンの総称)は準備万端といった様子。音楽に合わせてクラップが刻まれるたびに、色とりどりのライトバングルも揺れ、暗闇を鮮やかに彩っていく。暗転した舞台上に光が灯ると、いよいよ真打ちDISH//のお出ましだ。
冒頭の「皿に走れ!!!!」から、すでにメンバーはフルスロットル。体力配分を度外視した全身全霊のロックサウンドが東京ガーデンシアターに響き渡った。《On the Winding Road 皿に走れ!!!!》と突き上げられる拳のなんと力強いことか。彼らの熱にほだされたのか、スラッシャーも全力のヘドバンとシンガロングで応答し、フロアの熱が瞬く間に上がっていった。
北村匠海が「さあ、踊りなさい」と焚きつけ、ダンスロックバンドたるDISH//を堪能できる「万々歳」へ。間奏では橘柊生(DJ/Key)がショルダーキーボードを担ぎ、北村匠海(Vo/Gt)・矢部昌暉(Gt/Cho)と共に息の合ったステップを披露。
Photo by Ray Otabe
未来への希望を「SING-A-LONG」で高らかに叫ぶと、『DISH// SUMMER AMUSEMENT 25 – GAME –』での思い出をなぞっていくゾーンへと突入。HIPHOPのグルーヴが心地よい「B-BOY」、自分らしく生きていこうという前向きなメッセージが印象的な「KICK-START」、『DISH// SUMMER AMUSEMENT 25 – GAME –』へ向けて制作された「踊りゃんせ」と、異なるリズムでオーディエンスを躍らせていく。泉大智(Dr)の生み出す安定感のあるビートを感じながら、カリスマ性溢れる演奏や佇まいで、観る者の心をつかんでいった。
北村が「ちょっとしっとりした曲をやります」と宣言し、導かれたのは「ウェディングソング」。大切な人の幸せを願う言葉が紡がれるたび、観客はその声にうっとりと吸い込まれていく。愛の温度が漂う自然体で柔らかなムードが、温かく場内を満たしていった。
インストゥルメンタルの繋ぎを越えると、あっという間にライブは折り返し。「ついて来れるか、お前ら!」と北村が煽り、メンバー全員で作詞作曲を行った「rock'n'roller」が投入された。バシバシと激しく切り替わる照明、ヘビーなバンドサウンド、感情をぶつける歌唱。単なる熱量だけでは言い表せない何かが、巨大なエネルギーの波となって飛びかかってくる。続く「Newフェイス」ではクラップやヘドバンを巻き起こし、ロックのパワーをまざまざと魅せつける。「ウェディングソング」からの5曲を通して、『DISH// FC TOUR 2025 「愛してるぜベイベー//」』の記憶を鮮やかに蘇らせた。
MCでは、橘が今回の選曲について「忘年会ということで、コニファーを思い出せたりとか、ファンクラブツアーを思い出せるようなセットリストになっております」と説明。「この後も、今年をフィーチャーしたような曲がいろいろ出てくるんじゃないかなと思います」と話し、場内を盛り上げた。
その流れを引き継いだまま、橘が「ちゃんと”忘年”をしていきたい」と口火を切り、会場にいる全員で空想のグラスを掲げながら、大きな声で「カンパーイ」と叫んだのを合図に「乾杯」へ。各メンバーへバトンが渡されていくボーカルと温かな音作りも相まって、まるで本当の忘年会かのようにフランクな空気が広がる。
Photo by Ray Otabe
コニファーver.でのソロ回しを経て、いよいよ本公演もラストスパート。「サイショの恋~モテたくて~」と「ピーターパンシンドローム」をパフォーマンスして勢いよく畳みかけていく。その後も、タオルがクルクルと天を舞う「東京VIBRATION」、フロアが上下左右に揺れる「JUMPer」と展開。すでに終盤だというのに、彼らの爆発力はとどまるところを知らない。
最後のMCは北村が、丁寧に言葉を選びながら真っすぐな想いを口にしていった。
盛大な「おかわり!」コールに呼び戻されてアンコールに転じると、最新シングルの「ごはん」をドロップ。日常に潜む幸せを掬いとり、醜さも愚かさも抱きしめながら、情景を描いていく。大トリには「沈丁花」を投下して、この日一番の大合唱を巻き起こし、晴れやかに忘年会を締めくくったのだった。
Photo by Ray Otabe


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