東京と大阪で、計2公演にわたって開催されたブランデー戦記のワンマンツアー「BRANDY SENKITOUR 2025 AUTUMN」。この記事では、11月6日、Zepp DiverCityで行われた東京公演の模様をレポートしていく。
筆者は、これまで何度も彼女たちのライブを観てきたが、その中でもこの日の公演は特に忘れられない一夜になった。きっと、メンバー自身にとっても、ライブ観が大きく変わるような深い手応えを得られた一夜になったと思う。順を追って振り返っていきたい。

【写真】ブランデー戦記、Zepp DiverCity公演(全30枚)

会場に入ってまず目に入ってきたのが、ステージを彩るホームパーティーの風船の数々。後のMCで、蓮月(G・Vo)は風船の装飾について、「このキラキラのステージかわいくないですか?」「入った瞬間、みんながワクワクできるような装飾を作ってもらいました」「パーティーに参加しているような気持ちで過ごしてください」と語っていたが、まさにその言葉のとおりの温かなウェルカムムードが開演前の会場を満たしていた。

ブランデー戦記、3人の人間性が赤裸々に爆音で響いたZepp DiverCity公演


定刻を過ぎ、いよいよライブがスタート。ステージに現れ、白い高台に鎮座するみのり(B・Cho)、ボリ(Dr)、そして、蓮月。しばしの沈黙。そして1曲目の「メメント・ワルツ」が壮絶なロックショーの幕開けを予感させ、続く「Kids」のイントロが鳴り響いた瞬間、フロアから一気に大歓声が上がる。冒頭とは思えないほどの並々ならぬ熱狂。その後も、「黒い帽子」「Musica」が立て続けて放たれ、蓮月の「今日はみんな来てくれてありがとう。よろしくお願いします」という簡単な挨拶を挟み、「Twin Ray」へ。
Zepp DiverCityは、彼女たちのワンマンライブ史上最もキャパシティの大きい会場であるが、それぞれの楽曲は、Zepp DiverCityの広さをゆうに超えてような雄大なスケールを誇っていて、何度も圧倒される。「The End of the F***ing World」と「悪夢のような」をシームレスに繋ぐ流れの美しさに惚れ惚れしていたら、気付けば時刻は「27:00」。〈感情的になってよ もっと感情的になってよ〉という呼びかけに応え、観客は懸命に拳を突き上げてゆく。なんてエモーショナルな展開なのだろう。

ブランデー戦記、3人の人間性が赤裸々に爆音で響いたZepp DiverCity公演


次の「水鏡」では、体調が悪くなってしまった観客がいたため演奏を一時中断。蓮月は、「みんなも体調が悪くなったら......、ボリが止めます」とフロアに呼びかけ、退場した観客に「もしまた戻ってこれたら、いつでも戻ってきて」と呼びかける。またその間、みのりは、観客に水をしっかり飲むように促していた。予期せぬ出来事ではあったが、3人の温かな人間性が伝わってきた一幕だった。

仕切り直して、「水鏡」、「Untitled」「赤いワインに涙が・・・」を立て続けて披露。先ほど、Zepp DiverCityの広さをゆうに超えていくスケール感のある表現について述べたが、同時に、どれだけ会場が大きくなっても、それぞれの楽曲に宿る温かな親密さが失われることはないと強く感じるブロックだった。

ブランデー戦記、3人の人間性が赤裸々に爆音で響いたZepp DiverCity公演

蓮月(G・Vo)

ブランデー戦記、3人の人間性が赤裸々に爆音で響いたZepp DiverCity公演

みのり(B・Cho)

ブランデー戦記、3人の人間性が赤裸々に爆音で響いたZepp DiverCity公演

ボリ(Dr)

続けて、「Coming-of-age Story」へ、そして、蓮月が「私にとってすごく大切な曲を歌います」という前置きを挟み、「Fix」を披露。その後のMCパートで、蓮月は、ライブ活動に対する想いを赤裸々に打ち明け始めた。
納得していないと見せたくない。しっかり練習してからじゃないと見せるべきじゃない。彼女の中には、完璧にしたいという想いがあるが故、最近ライブをすることに対して後ろ向きな気持ちがあったという。また、そのようなマインドでライブ活動をしていくことで、神聖な楽曲制作にも悪影響が出てしまうんじゃないか、という不安があったことも正直に語った。その上で、「でも、みんなの顔を見て嬉しい気持ちになった」「今日来て、やってよかったです」「今日は皆さん、時間作ってきてくれてありがとうございました」と誠実な語り口で伝えた。

フロアから送られる温かな拍手。涙を拭う蓮月とみのり。感慨深い表情のボリ。ここから突入したクライマックスは、言うまでもなく凄まじい盛り上がりだった。「ラストライブ」、「春」、そして「土曜日:高慢」。単に熱い一体感が湧き上がっているだけではない。3人が神聖と思えるほど大切にしている一つひとつの楽曲を、一緒に大切に謳歌し合うような熱く温かな一体感が、会場全体に満ち溢れていた。
ラストは、「僕のスウィーティー」「ストックホルムの箱」の2連打。ミラーテープが放出する中で迎えた熱烈な大団円。総じて、あまりにも素晴らしいロックアウトだった。ロックバンドという表現形態は、結局どこまでいっても、歌を歌う/音を鳴らす人の人間性がそのまま響く表現なのだと思う。その意味で言うと、今日は、3人の人間性が、かつてないほどにダイレクトに、赤裸々に、そして爆音で響いていた。今後のライブに対する期待がさらに高まるような一夜だった。

セットリスト
1. メメント・ワルツ
2. Kids
3. 黒い帽子
4. Musica
5. Twin Ray
6. The End of the F***ing World
7. 悪夢のような
8. 27:00
9. 水鏡
10. Untitled
11. 赤いワインに涙が・・・
12. Coming-of-age Story
13. Fix
14. ラストライブ
15. 春
16. 土曜日:高慢
17. 僕のスウィーティー
18. ストックホルムの箱

OFFICIAL HP https://brandysenki.com/
編集部おすすめ