それぞれの個性を掛け合わせ、変幻自在な活動を続けているボーイズグループ、OCTPATH。2025年11月18日には結成5年目となり、よりグループの理想形をハッキリとさせてきたように思える。
「伝えること」に意識が向き始めた彼らは、どのような心持ちで表現と向き合っているのか――。グループにとって挑戦の多かった2025年を振り返ってもらうと共に、8th single『スターライトランデブー』について語ってもらった。

―2025年はOCTPATHにとって、どのような年でしたか。

古瀬直輝:ライブ本数が特別多かったわけでもないですし、蓮汰が怪我をしてしまってOCTPATHとして完全体でないような感覚もあったんですけど、メンバーだけでなくTHme(※OCTPATHファンの呼称)も含めたみんなで一緒に手を取り合って、お互いを支え合って進んできた1年のように感じます。

西島蓮汰:僕は健康管理の年でした。2月くらいから、だんだん違和感が出始めて……。

四谷真佑:どれくらいが決定打だった?

西島:怪我をしたのは3月末でした。当初はめちゃくちゃ痛くて、本当にしんどくて。「昔みたいに戻れるのかな」って不安だったんですけど、ようやくカムバックすることができました。今は踊れて楽しいですね。ここからライブに向けて、一生懸命に取り組んでいきます。

栗田航兵:この前、まだ蓮汰を入れてパフォーマンスしたことがなかった『また夏に帰ろう』のカップリング曲の振り入れと構成をやったら、珍しくすぐ筋肉痛になっていて(笑)。


西島:ちゃんと踊ったのが久しぶりすぎて。朝起きたら、筋肉痛でした。

四谷:筋トレがね、足りてないのかもしれない。

海帆:よっつー(四谷)がいう⁉(笑)。

―初めてのファンクラブイベントとなった『OCTPATH 1stファンクラブイベント-THANKTHme』や2年ぶりのツアーとなった『OCTPATH Showcase 2025 ~à la carte~』、ハロウィンイベント『OCTPATH HALLOWEEN NIGHT 2025 ~トリック・オア・トリート~』など、OCTPATHにとってトピックが多い1年でしたよね。

小堀柊:「いろいろやっていこう」みたいな年でもあったので。ファンクラブイベントの時に、歴代の衣装を着てパフォーマンスしたのは印象に残ってるなぁ。こういうイベントならではだと思うし、今後もファンクラブイベントを続けていきたいですね。ひとりひとりに焦点を当てた『OCTPATH Showcase 2025 ~à la carte~』は、それぞれが違う角度で挑戦していて、僕的にも成長できたし自信がつきました。このツアーがきっかけで、個々のパーソナリティがより強く出るようになったので、ショーケースも続けていきたい。ハロウィンイベントは、ただただ楽しかったです。最下位だった海帆君どう?

海帆:来年もする?

小堀:リベンジしたいよね?

四谷:来年は、気合入ってるんちゃう?

海帆:今度やることになったら、MCしようかな。


栗田:何言ってるの(笑)。

小堀:『大阪・関西万博開催記念Survive FES』は、どうだった?

栗田:懐かしさがありながらも先輩もいて、めっちゃ楽しかったです。オーディション番組を見ていたり、僕らのことをなんか知っていたりした方々に、今の自分たちが作っているものを、お見せできたのもすごく嬉しくて。ありがたいことに両日出演させていただき、各日で違った刺激をいただけて、得られるものもすごく多かった。すごくいい2日間でした。

海帆:挑戦が多い年だったよね。『New Beginning Fes -公開収録-』では、初めて和楽器を演奏したし。

四谷:やりましたね。

小堀:深堀りする?

四谷:いい思い出で終わりましょう!

栗田:大事なのは、気持ちだから。ひとつやったやん、俺ら。

古瀬:1カ月で完璧に出来るものじゃないからさ。笛も三味線も、あそこまで仕上げてすごいよ。


栗田:すでに各方面で「篠笛やったことあります!」って言ってますからね。

四谷:これからは、特技に入るから(笑)。和楽器をやることなんてなかなかないし、いい機会でしたね。

栗田:また、やりたいよね。挑戦できることがあるのって楽しい。20代中盤になってきても、毎シーズンで挑戦することがあるのが本当に嬉しくて。いつまで挑戦できるかなぁ……。

古瀬:無限やんな。

小堀:僕らの挑戦をTHmeも楽しんでくれてたら嬉しいです。

栗田:総括して、2025年は最高だったな。

古瀬:毎年言ってるけどな、それ(笑)。

栗田:最高をずっと更新し続けてる! 強いて言えば、2025年は自分が戻ってきた感がありますね。
いい意味で内面が学生時代に戻ってきたというか。この3年間は「大人にならなきゃいけないのかな」とか「周りにどう見られているんだろう」って常に考えていたんですけど、最近になって「何かになろうとしなくていいか」と思うことが増えてきて。オーディション前の自分が持っていた考えかたや気持ちのつけかたに戻ってきた感覚があるんです。そのおかげで、すごく生きやすくなりました。

高橋わたる:それは、いい1年だね。

栗田:そう! だから、最高の1年でした。

―ここからは、8th single『スターライトランデブー』についてお伺いさせてください。表題曲の「スターライトランデブー」は”日本を、世界を元気に”といったテーマがあるとのことですが、曲とテーマはどちらが先に決まったのでしょうか。

四谷:最初にテーマが固まりました。

太田駿静:もともと吉本興業に”誰もが、いつでも笑顔や笑い声をもてる社会”という社訓がありまして。

栗田:OCTPATHにとって”8”は、特別な数字。今回のリリースは8枚目シングルになるので、どういう楽曲をやろうかと考えていくなかで社訓に立ち返ることにしたんです。
「歌で社会を明るく元気にしたい」っていうのは、僕らのモットーでもありますからね。100点の時代を180点にしたいんですよ。

四谷:僕たちの音楽で、現状をより良くポジティブに。

海帆:これまでもOCTPATHって、何かを応援したり支えたりする曲が多いし、THmeもそういったテイストを好んで聴いてくださっているので。「スターライトランデブー」も、新しいアプローチでの応援ソングになると思います。「楽しんでいこう」というポジティブな意味の入った曲が、8th singleのタイミングで出せてよかったです。

―90年代っぽいサウンドに感じたのですが、アレンジャーがSMAP「夜空ノムコウ」や嵐「WISH」を手掛けているCHOKKAKUさんなんですね。

小堀:生楽器の音も足してくれたのかな。デモから異彩を放っていましたけど、アレンジした曲を聴いたときは、一段といい曲になっていて笑っちゃいました。めっちゃいいなって。新しさを感じましたね。

古瀬:それでいて、懐かしさも感じますし。


海帆:2Aのインストを聴いたときなんて、「藤井風さんが宿っているんじゃないか⁉」って思ったもんな。ジャンジャンっていうすごいピアノ演奏が繰り広げられているうえに、「この譜割りなんや!」って。めちゃくちゃ衝撃を受けて超テンション上がってたら、僕にそこのパートが来て嬉しかったです。

四谷:個人的には、サウンドにちょっと前のボカロっぽさを感じて、ビビッと来ました。それぞれ違う音楽を通ってきている僕らが「聴き馴染みがある」と感じるということは、日本人に馴染みのあるメロディーや音が「スターライトランデブー」の土台にあるのかもしれませんね。

太田:今年は、日本語に合いそうなデモが多かったよね。「あの夏に帰ろう」はケツメイシのRYOJIさんが作ってくれたし、「スターライトランデブー」も日本語に合いそうな宇宙語のデモだったし。「J-POPに寄った曲をやった年だったな」って印象ですね。

日本語を、日本語らしく歌う

―日本語に関連して、ひとつお聞きしたいことがありまして。前回のインタビューで「伝えることに意識が向いてきた」とお話ししてくださったかと思うのですが、それにより「日本語を日本語らしく歌おう」という意識も強まっていますか。

栗田:その節はあるかもしれないですね。今までの曲を否定するわけではないんですが、英語に合わせて作られた譜割りに日本語を無理やり当てはめているから、どこかの発語を捨てなきゃいけないこともあって。たとえば「ありがとう」という歌詞なのに、「りがとう」じゃないと歌えないとか。ボイストレーニングへ行っていたときに「こういうところもちゃんとハマる楽曲が出来たら、もっと伝えられるのに」という話をしていたので、最近は一言一句無駄にしない歌詞が続いていて嬉しいです。濁すことなく、一つひとつの言葉を伝えられる歌は、すごくいい音楽だと思うので。

四谷:僕もボイストレーニングの影響はあると思います。ちょっと前に、それっぽくニュアンスで歌っている部分が自分にあったと気がついて。トレーナーさんから「ちゃんと口を大きく開けてハキハキ歌ったほうが、発声的にもいいし言葉も体から出て伝わる」と言われたんですよ。「言葉を伝えよう」というOCTPATHの意向にもマッチしていますし、それを意識したことによって、個人としてもグループとしてもいい方向に進んでいる感じがします。

小堀:2024年にリリースした「Present」で「もっと歌を聴かせる」や「歌詞を伝える」に重きを置いた楽曲選びが始動してから、ずっと意識して活動し続けてきたので、少しずつその成果が実ってきているのかなって。僕たちの変化を感じとっていただけているのであれば、すごく嬉しいですね。リード曲で日本語を大事にしつつも、カップリングでは遊び心を持って、しっかりと意味のある選曲や制作を続けていきたいと思います。そうしたら、OCTPATHはどんどん変わっていけると思うので。

―「スターライトランデブー」はダンスも印象的な1曲ですが、振り付けはどなたが担当されたんですか。

古瀬:TERUPOPさんです。バックダンサーやテーマパークダンサーの経験があるだけでなく、今もポールダンスの大会に挑戦されているすごい方なんですよ。これまでOCTPATHとTERUPOPさんが交わる世界線ってあるようでなかったのですが、「スターライトランデブー」では良い化学反応を起こせそうな気がしてお願いしました。僕らから「シアターっぽい踊りで」って提案したわけじゃないのに、楽曲からのインスピレーションでとてもマッチした振りを作ってくださって。僕らの直観は、間違いなかったですね。最初から最後まで、観ていて飽きないコレオグラフになっています。

太田:テーマパークっぽさがある一方で、HIPHOPの動きも混じっていたり、すごくいい塩梅の振り付けなんですよ。すごくキャッチーだし、楽しく踊れていますね。

古瀬:踊っていると、自然と笑顔になるよね。

海帆:イントロと最後にあるフロアは、特にこだわった部分で。初めてTERUPOPさんに振りを教えていただいたとき、地面から足がワーッと立ち上がる様子は、まるで鯨みたいで感動しました。今までのOCTPATHの振りにはなかったので、パフォーマンスの質をグッと上げたんじゃないかなと思います。

―カップリング曲についてもお伺いしたいと思います。「prism」は、どのような楽曲になっていますか。

小堀:「これがカップリングか」ってくらい贅沢な1曲ですね。楽曲を選ぶ際にお話しさせていただいたのは、今年の年末に控えている『OWV・OCTPATH MASHUP LIVE 2025 TWO THRONE』に向けて、OCTPATHがデビュー当時から貫いてきた高貴や華麗、綺麗といった要素を取り込みつつ、OCTPATHらしい力強い歌詞と意志の強さ、想いを伝えることなどを全部盛り込んだ曲が欲しいということ。せっかくライブの副題にも『-GRACE-』(優美や上品の意)と付けましたからね。意図を汲んで持ってきてくださって、聴いた瞬間からイメージにピタリとハマりました。歌詞にも注文を出して、”Grace”などのワードを入れてもらっています。

海帆:パッとシンセな感じで、めっちゃカッコイイんですよ。世界観がシュワーン、ゾワーン、スパーンって。

太田:「prism」の妖艶さや華麗さがOCTPATHに合うっていうのは、我ながらすごくわかりますね。

小堀:ライブで歌っているみんなの姿が、想像つくような曲にしたいなと思ってて。本当に楽しみにしていてほしいですね。「8枚目のシングルに入るOCTPATHらしい曲って、これだな」って感じもあって、お気に入りです。

―「Sugar Noise」は、どのような楽曲でしょうか。

古瀬:これまでに「Like」や「Showtime」を手掛けた方が作ってくださったんですけど、また違うテイストというか。

海帆:1曲のなかで、すごく変化があるんですよ。急にジャジーになったり、Y2Kチックになったりするので、インストだけでも音楽が好きな人に楽しんでもらえると思います。僕自身、視聴会で何回も驚いた記憶がありますね。

四谷:それだけ変化があるのに、聴きやすいっていう。

高橋:落ち着けるのに乗れる曲で、全体的に僕は好きですね。もしかしたら、OCTPATHの曲で一番好きかも。

海帆:たしかにわたるは、ゆったり聴ける曲が好きだもんね。

高橋:振り付け付いたらどうなるのか、めっちゃ楽しみ。早く表現したいなって思います。

海帆:「実際に僕たちが歌ったらどうなるんだろう」ってワクワクするよね。(取材時は、レコーディング前)

四谷:表現する人によって、曲の雰囲気がマジで変わりそうだもんね。だからこそ、きっとOCTPATHの良さが出る楽曲になると思います。

小堀:実をいうと、「もうちょっとストリーミングを伸ばしたい!」という裏テーマというか、本音がありまして……。そういったところを意識してもらいつつ、持ってきていただいた曲なんです。歌詞に特徴的なワードが並んでいたり、耳に残りやすいメロディになっていたり。僕的には「チャートのトップにいってもいいんじゃないか」って期待している曲なので、ぜひたくさんストリーミングで聴いてください。

海帆:僕らも「Sugar Noise」でいろいろ遊んでいきたいですね。

OCTPATHが語る、伝える音楽──挑戦の一年と8枚目シングル

8th single『スターライトランデブー』
OCTPATH
配信中/発売中
https://octpath.lnk.to/8thsingle_info

収録曲
M1 - スターライトランデブー
M2 - prism
M3 - Sugar Noise
M4 - スターライトランデブー-instrumental-
M5 - prism -instrumental-
M6 - Sugar Noise -instrumental-

『OCTPATH CALENDAR 2026』
OCTPATH
発売中
https://octpath-official.com/news/detail/1842
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