マキシマムからミニマムな演出へ
エグゼクティブ・プロデューサーのベン・ウィンストンは、ポッドキャスト『Rolling Stone Music Now』の最新エピソードで、ガガのリハーサル時間があまりに短かったため、彼女が出演を白紙に戻しかけていたことを明かした。「授賞式の数週間前、彼女を番組から外さなければならないかもしれないと考えた瞬間がありました」とウィンストンは語る。「彼女自身も『どうやって実現すればいいのか、さっぱりわからない』という様子だったので」。
ガガは「The MAYHEM Ball」ツアーの真っ最中で、東京ドームで4公演を行っていた。日本での最終公演は1月30日で、グラミー賞のわずか1日前だった。彼女がロサンゼルスに降り立ったのは授賞式当日の朝で、生放送まで36時間を切っていた。「他のどの出演者もダンサーやバンド、クリエイティブ・チームと一緒にリハーサルをする時間があったのに対し、彼女にはそれができませんでした」とウィンストンは言う。「彼女は文字通り(日本で)ステージに立っていましたから」
通常の状況であれば用意したであろう豪華な演出──ウィンストンの言葉を借りれば「100人のダンサーを従えた大掛かりなもの」──の代わりに、ガガと彼女のチーム(振付師のパリス・ゲーベル、ディレクターのベン・ダルグリーシュ、そして婚約者のマイケル・ポランスキーを含む)は、バンドに焦点を当てたミニマルなアプローチを編み出した。
「The MAYHEM Ball」ツアーのエグゼクティブ・プロデューサーであるアンドリュー・ワットがギターを担当し、共同プロデューサーのサーキット(Cirkut)がシンセを、ジョシュ・フリーズがドラムを叩き、ガガは2台のキーボードを操りながら、モジュラー・シンセサイザーの音色を能動的に微調整した。彼女は「Abracadabra」のロック・アレンジ版でバンドをリードし、その顔は巨大で不気味なウィッカー(編み細工)のヘッドピースに覆われていた。ステージ上のダンサーはガガ一人だけだった。「あまりに異色で、独創的で、壮観でした」とウィンストンは言う。
新アレンジ&カメラワークの背景
ガガがツアーを回っている間、授賞式のオジー・オズボーン追悼コーナーでも演奏したワットは、この曲の新バージョンの制作に取り組んでいた。「数週間前の真夜中に、彼がトラックを送ってきたんです」とウィンストンは振り返る。「私はまだ起きていたけど、妻のメレディスは眠ってました。彼は『絶対に聴くべきだ』と言ってきて。私はトイレにこっそり入り込み、AirPodsを装着して、便座に座ってそれを聴いたんです。そしてこう思いました。『おいおい、これはこのトラックを信じられないレベルにまで引き上げたぞ』って」
パフォーマンス中のヘッドピース越しに見えるクローズアップ映像は、事前プログラムされたロボットアームに搭載されたカメラによって実現した。ウィンストンによれば、アワード・ショーのライブ・パフォーマンスとしては初の試みだったという。それはリスクを伴う手法だった。「一度あのロボットの再生ボタンを押したら、もう止まりません」とウィンストンは語る。「ヒューマン・エラーなら修正できますよね。人間が何かを間違えれば、インカムで叫べばいい。
パフォーマンスが終わると、制作トラックの中は歓喜に包まれた。「みんなでハイタッチをして祝いました」とウィンストンは言う。「面白いですよね。状況によって特定のクリエイティブに追い込まれることもありますが、そのクリエイティブが完璧に決まれば、たとえ過去に戻って制約を取り払えたとしても、やはりその同じクリエイティブを選ぶでしょう」
放送終了後、ウィンストンはガガの楽屋を訪ねた。「私はオフィスで一息ついていましたが、彼女がまだ楽屋にいたので、会いに行って一緒に過ごしました」と彼は語る。「彼女はあのパフォーマンスを本当に誇りに思っていたと思います。なぜなら、それは彼女と彼女のチームの天才的な頭脳から生まれたものだったから。あのショーには、永遠に語り継がれるであろう瞬間がいくつもある。ガガのステージは、間違いなくその筆頭に挙げられるでしょう。特別なものとして記憶されるべきです」
From Rolling Stone US.
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