反移民を掲げるトランプ大統領は、プエルトリコ人ミュージシャンによるスーパーボウルのパフォーマンスを「アメリカの偉大さに対する侮辱」と断じた。

今年のスーパーボウル・ハーフタイムショーの出演者としてバッド・バニーが最初に発表された際、ドナルド・トランプ大統領は彼のことを知らないと主張していた。
しかし、このプエルトリコ人アーティストが、自身のルーツ、ラティーノの連帯、そして団結したコミュニティの強靭さを、妥協なく象徴的に表現してみせたことで、大統領は「ベニート(バッド・バニーの本名)」が何者であるかを正確に思い知ることとなった。そして誰もが予想した通り、彼は激昂している。

長年、ラティーノやヒスパニックを自身の政治プロジェクトの主要なスケープゴートにしてきたトランプは、ここ一年の大半を、強制送還や恣意的な拘束、人種プロファイリングによって、合法・非合法問わず移民コミュニティを恐怖に陥れることに費やしてきた。肥大化し軍隊化した国土安全保障省、ICE(移民・関税執行局)、国境警備隊による野放しの横暴は言うまでもない。全編スペイン語でパフォーマンスを行ったバッド・バニーは、トランプや彼個人の「反移民軍団」について直接言及することはなかった。しかし、そのハーフタイムショーには大統領への明確なメッセージが込められていた。すなわち、「ラティーノはここに存在し、彼らこそがアメリカである」ということだ。

ハーフタイムショー終了直後、トランプはTruth Socialに投稿した長文のメッセージの中で、このパフォーマンスは「アメリカの偉大さに対する侮辱であり、我々の成功、創造性、あるいは卓越性の基準を代表するものではない」と記した。

Donald Trump reacts to Bad Bunnys #SuperBowl halftime show. pic.twitter.com/hATjRYE9wF— Pop Base (@PopBase) February 9, 2026
「この男が何を言っているのか誰も一言も理解できないし、ダンスは吐き気がする」とトランプは付け加えた。「このショーは我が国に対する平手打ちに過ぎない。この支離滅裂なハーフタイムショーには、インスピレーションなど微塵もない。見ていろ、フェイクニュース・メディアはこのショーを絶賛するだろう。
彼らは現実の世界で何が起きているのか、これっぽっちも分かっていないのだから」

「それと、ついでに言っておくが、NFLはあの馬鹿げた新しいキックオフ・ルールを即刻元に戻すべきだ」と彼は締めくくった。

この激しい反応は、ホワイトハウスが「トランプはハーフタイムショーを視聴せず、代わりにキッド・ロックがヘッドライナーを務めるTurning Point USAの裏番組『リアル・アメリカン・ハーフタイムショー』を視聴する」と公に宣言した後に発せられたものだった。

パフォーマンスのわずか1週間前、バッド・バニーはグラミー賞の授賞式——最新アルバム『Debí Tirar Más Fotos』が最優秀アルバム賞を受賞した——でのスピーチを利用し、ICEによる移民コミュニティへの暴力的で、しばしば不当な標的化や虐待に注意を促していた。

「神に感謝を捧げる前に、こう言わせてもらう。『ICEは出ていけ』と」バッド・バニーは最優秀アルバム賞の受賞スピーチでそう宣言した。このアーティストは以前、自身のアルバムツアーからアメリカの都市を除外していた。その理由は、あらゆる層、特にヒスパニックやラティーノに人気のある自身のコンサートが、ICEやトランプ政権による移民取り締まり強化の標的にされることを懸念したためだった。

ハーフタイムショーをボイコットすると主張していた多くの右翼人士と同様、大統領もまた、地球上で最も人気のあるアーティストの一人を見たいという誘惑には抗えなかったようだ。たとえそれが、単に「怒りのネタ」を拾うためだったとしても。

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From Rolling Stone US.

ALL THE LATIN AMERICAN COUNTRIES BEING MENTIONED BY BAD BUNNY IN THE HALFTIME SHOW. #SuperBowl pic.twitter.com/sYySsOmTE8— Access Bad Bunny (@AccessBadBunny) February 9, 2026Lady Gaga took the stage for a surprise appearance during Bad Bunny's Super Bowl halftime show. pic.twitter.com/onG0OOa0Gq— New York Post (@nypost) February 9, 2026
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