アレックス・G(Alex G)が2月19日(木)東京・EX THEATER ROPPONGI、2月20日(金)大阪・梅田CLUB QUATTROで来日公演を行なう。今回は昨年広く絶賛されたメジャー移籍作『Headlights』を携えての登場。
フィラデルフィアのインディー・ヒーローが、卓越したフォーク・ロックを奏でる逸品を紐解く。

アレックス・Gの新作の再生ボタンを押すことは、アラン・ムーアのコミック『ウォッチメン』で、ドクター・マンハッタンが火星の岩の上に座り、時間の本質に思いを馳せるあのシークエンスに少し似ている。時は2014年。私は、アレックス・Gがフィラデルフィアの小さな部屋で独りレコーディングした、妙に心に響く曲を聴いている……時は2019年。私は、アレックス・Gがフィラデルフィアの、少しだけ広くなった部屋で独りレコーディングした、妙に心に響く曲を聴いている……時は2022年。私は、アレックス・Gがフィラデルフィアのまた別の場所にある、また別の部屋で独りレコーディングした、妙に心に響く曲を聴いている……時は2025年。

そして辿り着いたのが、このインディー・ロック・ヒーローにとって10枚目のアルバムであり、RCAレコードからの初リリースとなる『Headlights』だ。かつて──いわゆる90年代──であれば、アレックス・Gことアレクサンダー・ジャンナスコリのようなアーティストがメジャー・レーベルと契約することは、全国のコピーされたZINEで賛否両論の激しい議論が巻き起こるほどの地殻変動のように感じられたことだろう。だが、そんな世界はとうの昔に過ぎ去った。それは、ジャンナスコリとその世代のDIY作家たちが2010年代に先導した革命のおかげでもある。彼は、10代の頃から自宅録音の音楽をBandcampに直接投稿することで全国的な聴衆を掴んだ、最初期かつ最高峰のアーティストの一人だった。Rolling Stoneのような媒体が彼について書き始める頃には、彼はすでに4年の歳月を費やし、控えめながらも深い精神性を湛えたアルバムを何枚も世に送り出していた。


それから10年以上が経つが、彼はその航路から大きく逸れてはいない。逸れる必要がどこにあるだろうか? 彼の信頼のおける手法は、リリースするレーベルの規模に関わらず、異様なほどに人を惹きつける結果を生み出し続けている。火星の風景の中に座る場所を見つけ、ヘッドフォンで『Headlights』を聴いてみれば、まずは「June Guitar」の鐘のように響くコードと静かな叡智に迎えられるだろう。〈愛なんてどうせ若者のためのものじゃない/転びながら学んでいくものなんだ〉と、ジャンナスコリは歌う。この曲のコーラスは、これから何年にもわたって、あなたの最も淡く霞んだ白昼夢の中でエコーし続けることになるだろう。この曲のクレジットに名を連ねるミュージシャンは彼一人だけだ。アコースティック・ギター、ベース、ドラム、そしてハーモニウムのような音を奏で、長年の共同プロデューサーであるジェイコブ・ポートレイトがミキサーを担当している。これほどまでに魔法のようで、かつ生活感の染み込んだサウンドを一人で作り上げる彼の能力は、相変わらず驚異的だ。まるでフォークとロックの全歴史が、この落ち着いた男を通じて表現されているかのようである。

ライブでのバンドメンバーたちの存在感は、今作ではいつも以上に薄く、登場するのは活気ある締めくくりの合唱曲「Logan Hotel (Live)」の1曲のみだ(このサブタイトルにもかかわらず、彼自身「基本的にはスタジオ曲」だと認めている)。それ以外は、ひたすら「アレックスがアレックスであること」に徹している。裏口のポーチで爪弾くようなギター、曖昧ながらも力強いイメージの連なり、そして時折差し込まれるボーカル・エフェクト。
そのすべてが、即興的でリラックスした、魅力的な緩さで提示されている。何気なくメロディアスな「Real Thing」では、彼(あるいは誰か)の人生を率直に反映したような数節から始まる──〈このレーベルからの金の残りで/なんとか4月まで持ちこたえられればいいんだが〉。その後、曲は言葉のないコーダへと移っていく。「Is It Still You in There?」では、長年のパートナーであるモリー・ジャーマーを含む3人のゲスト・シンガーに、不気味な自問自答の言葉を託している。〈君の願いは叶ったの?/世界と君の間には、もう何も残っていないの?〉。アルバムの随所にこうした疑念の影が差しているものの、温かくノスタルジックな「Oranges」や、明るいブルーグラス調の「Afterlife」といった楽曲は、彼のキャリアの中でも屈指の、生を肯定するような賛歌となっている。

結論は、これまでと何ら変わりない。この音楽を素晴らしいと思うか、思わないか、そのどちらかだ。現在、素晴らしいと感じている人々の中には、多くの大会場を埋め尽くすほどの熱狂的な信奉者だけでなく、ホールジーやフランク・オーシャンといったセレブリティのファンも含まれている(両者とも彼をセッション・ギタリストとして起用しており、そのことについてインタビューで聞かれることに、本人は間違いなく飽き飽きしているだろうが)。アレックス・Gのカルト的なオーディエンスは、かつてないほど巨大で、かつ寛容だ。あなたが長年のファンであろうと、今日ファンになろうと考えていようと、『Headlights』はその選択を後悔させないアルバムだ。

From Rolling Stone US.

Alex G、穏やかで美しい最新作『Headlights』に今こそ耳を傾けるべき理由

Alex G JAPAN TOUR 2026
2月19日(木)東京・EX THEATER ROPPONGI
OPEN 18:00 START 19:00
スタンディング 前売り:¥8,000
スタンド指定席 前売り:¥9,000

2月20日(金)大阪・梅田CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 START 19:00
スタンディング 前売り:¥8,000

詳細:https://smash-jpn.com/live/?id=4552

Alex G、穏やかで美しい最新作『Headlights』に今こそ耳を傾けるべき理由

アレックス・G
『Headlights』
発売中
再生・購入:https://AlexGJP.lnk.to/Headlights
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