村上春樹が2007年に発表した回顧録『走ることについて語るときに僕の語ること』は、ハリー・スタイルズを含む何百万人もの人々に、靴の紐を結び、長い距離を走るインスピレーションを与えてきた。
3月3日、ハリーは4枚目のソロアルバム『Kiss All the Time. Disco, Occasionally.』のリリースを控えるなか、雑誌『Runners World』の表紙を飾った。彼はお気に入りの作家の一人である村上春樹と、新作や名声、そしてマラソンの規律と芸術性について語り合った。
ハリーは昨年、3月の東京(3時間24分でフィニッシュ)、そして9月のベルリン(2時間59分という驚異的な記録)と、2度のマラソンを完走している。「あなたの走ることについての本を読んで本当に良かったことの一つは、音楽は不健康な職業でなければならない、自分は『苦悩する魂』でなければならないという考えから僕を解放してくれたことです」と彼は村上に語った。「健康であることがアーティストとして長く活動することを可能にする、規律ある健康な人間であっても素晴らしい作品を作れるというあなたの指摘に、とても感謝しています」
Photograph by Laura Jane Coulson/Runners World
ハリーは自身のランニング・ルーティンも明かした。走る前に尿意を催さないよう水の代わりに電解質を摂取し、レース中に水分を補給するという。また、非常に親近感の湧くエピソードとして、長距離走の前には「見つけられる限り一番大きなクロワッサン」を食べると語っている。公道を走っている時に気づかれることについても触れた。「僕を見かけた人は、『あれ、今の……?』と思うくらいで、『あ、彼だ!』とはならない。そう思われる頃には、もう通り過ぎていますから」
彼はまた、名声ゆえに感じてきた孤独や、自分を守るために──時には過剰なまでに──取ってきた態度についても打ち明けた。「長年、友人の誕生日や素晴らしい場所への旅行、イベントのオープニングなど、誘われるものすべてに『ノー』と言わなければなりませんでした。
2024年に30歳を迎えたハリーはこのスタンスを変え、旅に出ることを決めた。特にベルリンではナイトクラブのシーンに没頭したという。「ダンスフロアで感じた、楽器の音や音楽性に没入する感覚を再現したかったんです。とても没入感があって、ステージの上でも同じように感じたいと思いました。僕が説教をしているような感じではなく、『ああ、僕たちは今この音楽の中に一緒にいるんだ』という感覚。皆と一緒にそこにいるという感覚にしたかったんです」
Photo by Laura Jane Coulson/Runners World
ランニングは自分自身との対話
彼はまた、村上の著作がいかに自分自身や人生観を形作ってきたか、特に村上が日常のシンプルな瞬間に見出す美しさについて語った。「あなたが書いた中で一番好きな言葉の一つは、『自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ』(『ノルウェイの森』より)というものです。また、朝食を食べるために席に着くことやビールを飲むことの描写のような、シンプルな物事の詩情も好きです。それは間違いなく、僕が座って目の前にある日常に感謝する、自分だけのささやかな時間に影響を与えています。世界の見方が変わるんです」
二人のアーティストは、走っている時に何を考えているかについても議論した。
「人生の他の場面でも、特にランニングで見出したのは、自分がやると決めたことをやり遂げる自分を信じる、という考え方です。自分に対して、『君なら困難なこともできるし、トレーニングしたくない時でも起きて練習できるし、辛いことも突き進める』と言い聞かせること。そのような自己の誠実さ(セルフ・インテグリティ)を持つこと。マラソンは、誰も代わりに走ってくれません。音楽制作やリリース、ライブの演出、僕を良く見せてくれることには多くの人が助けてくれますが、ランニングは自分自身との対話なのです」
Photo by Laura Jane Coulson/Runners World
※『Runners World』対談記事の全文はこちら
From Rolling Stone US.
ハリー・スタイルズ
『KISS ALL THE TIME. DISCO, OCCASIONALLY.』
2026年3月6日リリース予定
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