【画像】LE SSERAFIM、初の東京ドーム(全9枚)
2025年春、ワールドツアー「2025 LE SSERAFIM TOUR EASY CRAZY HOT'」が動き出した。韓国・仁川公演を起点に日本5都市を含む全20都市へ展開した同ツアーでは、特定の地域にとどまるのではなく、複数の都市を横断しながら観客との接点を増やしていった。ツアーを巡りながらステージを重ねるそのプロセス自体が、LE SSERAFIMの活動の広がりを体現していた。そこで積み上がったのは、歌やダンスの精度だけじゃない。観客の様々な熱気、言語、会場の形状、熱狂の立ち上がり方──同じセットリストでも、毎夜異なる空気感をどう掌握し、どう応じるか。その柔軟さだ。
そして2025年11月、東京ドームでのアンコール2DAYS。巨大なドーム空間を埋め尽くした観客の歓声が波のように広がり、メンバーの動きひとつにまで数万人の反応が呼応する。その光景は、LE SSERAFIMのライブがいまどれほどのエネルギーに満ち溢れているかをはっきり示していた。大箱公演の成功はもちろんだが、より示唆的なのは、その流れを受けて韓国・ソウルでのアンコール公演(2026年1月31日~2月1日)も華やかな盛況ぶりをみせたことだ。
次のステージとは何か。フェスなら、フェスを目当てに来た不特定多数の観客。テレビや配信なら、チャンネルを回した先で偶然たどり着く視聴者。単独公演が「ファンの熱量を最大化する場」だとすれば、次のステージは「”初めて出会う人”に説明せず伝える場」だ。勝負は、数曲で誰なのかを身体でわからせることにある。
このモードにいちばんフィットしているのが「SPAGHETTI (feat. j-hope of BTS)」だろう。タイトルにもなっている”歯の間に挟まったスパゲッティ”という比喩が示す通り、この楽曲は一度耳に入ると離れにくいフレーズと反復で構成されている。メロディ、リズム、パフォーマンスのフックが短い時間で印象を残す設計になっている。フェスやテレビで強い楽曲とは、前提知識がゼロでも観客を引き込む力を持つものだ。
その射程はチャートにも表れた。
そもそもLE SSERAFIMは、シングルごとに明確なコンセプトを打ち立ててきたグループだ。デビュー曲「FEARLESS」が提示した”恐れず前に進む”という姿勢は、「ANTIFRAGILE」でより身体的なエネルギーへと拡張され、「CRAZY」では大胆なスタイルとパフォーマンスによって視覚的な強度を伴うものへと更新されていった。楽曲は単なる音源として完結するのではなく、振付、衣装、ステージングと結びつくことで一つの表現として立ち上がる。だから彼女たちのパフォーマンスは、初めて観る観客の前でも短い時間で強い印象を残す。多様な文脈のステージに立ったとき、音源の完成度は前提条件で、最終的に記憶に残るのは”印象の強さ”だ。
こうしてライブのスケールを拡張してきたLE SSERAFIMは、ステージの種類そのものも広げつつある。ツアーや単独公演にとどまらず、テレビ特番やフェスといった異なる舞台を横断する動きが、ここにきてよりはっきりと見えてきた。
実際、年末年始の活動はそうした試みの連続だった。米ABCの年越し特番「Dick Clark's New Year's Rockin' Eve with Ryan Seacrest」は、タイムズスクエアのカウントダウン中継で知られるアメリカの国民的な年末番組で、多くの視聴者が新年の瞬間をこの放送とともに迎える。2025~2026年の放送では、LE SSERAFIMが出演アーティストの一組として登場。アメリカの年末特番のラインナップに名前が並ぶフェーズに入ったことを、印象づけた。
一方、日本では「COUNTDOWN JAPAN 25/26」に初出演。このステージでは全曲をバンドアレンジで披露した。単なる演出の豪華さじゃない。フェス特有の音圧やグルーヴに合わせて楽曲を再構成する試みであり、K-POPとして完成されたパフォーマンスをロック/ポップのライブ文脈へと翻訳するアプローチだ。
「一歩踏み出すための勇気とポジティブなエネルギー」
今回、Rolling Stone JapanにLE SSERAFIMがコメントをくれた。
ーLE SSERAFIMを初めて観る方(ライブ会場や音楽番組・配信などを含めて)に対して、どんな印象や体験を残したいと考えていますか?
わたしたちをいつも応援してくださる方だけでなく、初めて観てくださる方を含め、世界中のたくさんの方々の心に深く刻まれるような時間をお届けすることを意識しながら、ステージに臨むようにしています。わたしたちLE SSERAFIMの音楽とパフォーマンスを通じて、一歩踏み出すための勇気とポジティブなエネルギーをお届けできたら嬉しいです。
ー2026年のLE SSERAFIMは、パフォーマンスにおいてどのような点で進化したいと考えていますか?
昨年初めて開催したワールドツアーを通じて、世界中のFEARNOTの皆さんと心を通わせながら、音楽で1つになる幸せな経験をすることができました。
KIM CHAEWON (P)&(C) SOURCE MUSIC
SAKURA (P)&(C) SOURCE MUSIC
HUH YUNJIN (P)&(C) SOURCE MUSIC
KAZUHA (P)&(C) SOURCE MUSIC
HONG EUNCHAE (P)&(C) SOURCE MUSIC
ファン=FEARNOTに会えるという発想にとどまらず、初見の観客も含めた体験を強く意識する。ライブやテレビ、フェスといった異なる舞台を横断するほど、その姿勢はじわじわ効いてくる。日本でもツアー公演と音楽番組出演が並行して展開され、会場で生まれた熱量が放送や配信を通じて広がる流れが作られてきた。
だからこそ、SUMMER SONIC 2026は単なる初出演のニュースでは終わらない。夏フェスの会場には、「知らない」ことを前提に動く観客が混ざっている。そこで必要なのは説明じゃなく引力だ。楽曲のインパクト、ツアーで鍛えた体力、バンドと共にするライブ演出──それらを初見の群衆の中でどれだけ際立たせられるか。SUMMER SONICのステージは、その答えを示す場所になる。
東京ドームが”証明”だったとすれば、SUMMER SONIC 2026は”更新”だ。


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