BTSの最新スタジオアルバム『ARIRANG』が、ついに届けられた。この超大作で、世界最大のバンドはグループのアイデンティティと韓国人としてのルーツを強調しつつ、楽曲を大胆で新しい領域へと押し進めている。
米Rolling Stone誌のレビューをお届けする。

これほど大きなカムバックは他にないだろう。BTSが約6年ぶりとなるニューアルバム『ARIRANG』を携え、ついに帰ってきた。メンバー7人全員が韓国での兵役義務を履行するためにグループを一時休止して以来、世界中のファンはこの瞬間を指折り数えて待っていた。だが、王者たちは再び集結した。RM、JIN、SUGA、J-HOPE、JIMIN、V、そしてJUNG KOOK。ぜひこの言葉を広めてほしい──「彼らが街に戻ってきた(The boys are back in town)」と。

『ARIRANG』は、世界を席巻するポップスターとして、以前止まった場所から再び歩み出す準備が整った彼らのグループとしての勇姿を誇示している。BTSが最後にオリジナルアルバムをリリースしたのは2020年11月の『Be』だったが、本作はそれよりも遥かにアップビートなステートメントだ。ディプロ、フルーム、ライアン・テダー、テーム・インパラのケヴィン・パーカー、マイク・ウィル・メイド・イット、そしてJPEGMAFIAらがプロデュースした14曲が並ぶ。彼らはオープニングのアンセム「Body to Body」でそのトーンを決定づける。韓国で愛される民謡を挿入しながら、「スタジアム全体でジャンプしてくれ!」と唱えるのだ。


BTSの面々はグループを離れていた期間も音楽活動に勤しみ、個々のパーソナリティを掘り下げ、劇的に異なる芸術的アイデアを追求してきた。その結果、彼らは極めてパーソナルで、かつ魅力的な作品をいくつか生み出した。JIMINは『MUSE』でしなやかなポップスを掘り下げ、RMは自身のアンダーグラウンドなルーツへと立ち返り、『Indigo』ではエリカ・バドゥやアンダーソン・パークと、『Right Place, Wrong Person』ではモーゼス・サムニーとデュエットして自身のソウルフルな側面を探求した。

SUGAはもう一つの顔であるAgust Dとして、内省的な「Haegeum」を含む『D-DAY』をドロップした。JUNG KOOKは『GOLDEN』でラトーやジャック・ハーロウと共演し、J-HOPEは『Jack In The Box』やストリートダンスのドキュメンタリーシリーズ『HOPE ON THE STREET』で剥き出しの表現を見せた。Vは『Layover』で、親しみやすくジャジーなサッパークラブ・バラードに挑んだ。そしてJINは、(Worldwide Handsome〉の輝きを放つ『ECHO』で、黒いネイルを塗ったグラムロック期へと突入した。これらはすべて、大衆に迎合することなく情熱を注いだプロジェクトであり、自らの進むべき道を持った自信に満ちた男たちの仕事であった。

しかし『ARIRANG』において、彼らは今や全員が同じ方向を向いていることを示そうとしており、グループのアイデンティティ、そして特に自分たちの韓国人としてのルーツを強調している。彼らはアルバムのタイトルに、1890年代に在米韓国人留学生のグループによって初めて録音されたという伝説的な韓国民謡の名を冠した。それはK-POPが爆発的に普及する以前、彼らの母国で最も国際的に有名だった曲であり、20世紀を通じて国家の歴史と深く結びついた、哀悼と抵抗の歌である。さらに彼らは「Body to Body」のラスト30秒に、韓国の伝統的な打楽器とともにこの曲を織り交ぜた。
それはBTSのサウンドにおける、古きものと現代的なものの力強い衝突である。

これは重要な動きだ。なぜなら、彼らが世界的な飛躍を遂げた最も決定的な要素の一つは、自分たちの韓国人としてのアイデンティティを薄めることを頑なに拒んだことだったからだ。音楽業界を知る者なら誰もが、米国を攻略する唯一の方法はクロスオーバーな英語のポップソングを歌うことだと忠告しただろう。しかし彼らは、自分たちのやり方でアメリカを征服することにこだわった。BTSは、アメリカですでにスタジアムを埋め尽くすメガスターとしての地位を確立するまで、英語に手を出すことさえしなかった。彼らはあえて困難な道を選び、それを成し遂げたのだ。

したがって、『ARIRANG』において彼らが、世界中のARMYに対して自分たちのルーツを再認識させようと決意したことには大きな意味がある。アルバムの中盤には、胸を打つ瞬間がある。聖徳大王神鐘(別名「エミレの鐘」)の音をそのまま収めたインタールードだ。これは韓国で最も崇められている国宝の一つであり、1200年以上前に鋳造された約19トンもの巨大な青銅の鐘である(その独特の音色は40キロメートル先まで届くと言われている)。ここではただ一度、鐘が鳴り響き、その残響が2分近く続く。
しかし、それは力強いステートメントとなっている。

このインタールードを除き、RMはすべての楽曲のプロデュースに関わっており、他のメンバーも全編にわたって作詞・作曲やプロデュースに名を連ねている。アルバムの前半はアップテンポな踏み鳴らすようなリズムの連続で、ヒップホップ特有の不敵な自信に満ちており、彼らがハードに帰還したことを知らしめている。「FYA」がそのトーンを決定づけ、〈クラブはサイコ状態/バイラルになるかも/今夜の僕はフルスロットルの『スリラー』だ〉や、〈クラブはクレイジーになる/ブリトニー(・スピアーズ)みたいにね、ベイビー/もう一度僕を突き動かしてくれ!(Hit me with it one more time!)〉といったチャントが響く。また、「Aliens」(西洋における韓国人としての感覚を遊び心たっぷりに描写)や、ロザリアやチャーリー・XCXのプロデューサーであるEl Guinchoが参加した「Hooligan」、そして彼らの新章のテーマソングである「2.0」でも、彼らはタフな姿勢を崩さない。「They Dont Know Bout Us」では〈僕たちが変わったって? 僕たちの気持ちはあの頃のままだ〉と豪語し、「Normal」では〈ケロシン、ドーパミン、何をすべきかって? 僕らはこれを『ノーマル』と呼ぶんだ!〉と歌っている。

勇ましいアルバム前半を経て、独創的なアルバム後半へ

しかし、ストレートな勇ましさが際立つ前半に対し、後半はより興味深く独創的な方向へと広がっていく。「Swim」は、整理のつかない感情に飛び込み、理解しがたい何かにのめり込んでいく様子を歌ったシンセ・ポップのラブソングだ。だが、当然ながら彼らの歌声で「Swim」を聴くと、BTSとしてのライフスタイルに再び身を投じる際の恐怖や不安についての歌のようにも聞こえてくる。「One More Night」は本作で最も音楽的に冒険したバンガー(ぶち上がる曲)だ。ディプロによるジャムで、90年代初頭のハウス・ミュージックの鼓動の上に、サイケデリックなオルガンのドローンが重なる。まるでステレオラブやノイ!が、ロビン・Sと一緒にクラブでパーティーをしているかのようなサウンドだ。
「Please」はジャジーなコード感を用いた90年代R&Bに仕上がっている。

最も憂いを含んだ瞬間は「Merry Go Round」だろう。テーム・インパラのケヴィン・パーカーを迎えた、霞がかったエレクトロ・ポップの哀歌だ。断ち切ることのできない感情のループについて歌われている。〈僕の人生は壊れたジェットコースターのよう〉と彼らは歌い、破局した関係を悼みながらも、容赦ないグローバル・ポップスターのペースに戻り、BTSとして再び激しい浮き沈みの中に飛び込んでいく混沌とした心境を表現している。

「Like Animals」は本作で最も肩の力が抜けた、遊び心のある楽曲だ。80年代のゴス的な雰囲気を持つ──『Earth, Sun, Moon』の頃のラヴ・アンド・ロケッツを彷彿とさせる──アコースティック・ギターのロック・ループが印象的だ。アルバムの中で最も官能的な誘い文句も含まれている。〈一晩中だって平気だよ〉とJUNG KOOKが約束し、JIMINが〈もし君がアニマルになりたいなら、ベイビー、僕らもそうなるよ〉と付け加える。曲の終盤は、叫ぶようなギターソロとともに燃え上がる。そして『ARIRANG』は、ビーバー・ブルース的なギターのいなせなリズムに乗せて、デジタル処理されたコーラスが重なるアップビートな「Into the Sun」で大団円を迎える。これはBTSからファンへのラブソングの一つであり、「Moon」の対になる曲だ。
全員の声が重なり、「太陽の中へ、君を追いかけていくよ!」というチャントが響き渡る。

皮肉なことに、離れていた期間を通じて、世界はこの7人の男たちを個としての人間としてかつてないほど深く知ることになった。JINがマグロにプロポーズしたり、J-HOPEがカウボーイの格好をしてサンアントニオの公演で(スポンジ・ボブを観て学んだという)「ハウディ、みんな!」と叫んだりと、誰もが公の場では見せたことのない側面を披露した。7人全員がこの休止期間に、自分ひとりで新しい場所へ行く方法を学んだのだ。しかし今、彼らは学んだこと、探求したことのすべてを携え、原点であるグループへと持ち帰ってきた。それこそが『ARIRANG』の持つ力だ。7つの異なる歌声が、再び一つになり、かつてないほど強固なものとなっている。

From Rolling Stone US.

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