ライブタイトルからも分かる通り、この公演は本来2025年のクリスマスシーズンである12月23日に開催される予定だったが、SUGIZOが交通事故に巻き込まれたことにより延期に。さらには、闘病生活を続けていた真矢が2026年2月17日に永眠。しかし、生前の真矢の「LUNA SEAを絶対に止めないでくれ」というメッセージ、その約束を守る形でこのたび開催するに至った。まさに「OUR JOURNEY CONTINUES」を体現することになったこの公演のレポートをお届けする。
また、本公演の開催を機に、11月8日(土)、9日(日)幕張メッセにて開催された主催フェス「LUNATIC FEST. 2025」を振り返るレポートも掲載する。
>>「LUNATIC FEST. 2025」初日 レポート
>>「LUNATIC FEST. 2025」2日目 レポート
REPORT「LUNATIC X'MAS 2025 - OUR JOURNEY CONTINUES -」
まずは「LUNATIC FEST. 2025」のグランドフィナーレにサプライズ登場した際の真矢の言葉をここに記したい。
「みんな、昨日と今日と本当にどうもありがとう! こうやってステージに立てるのも本当に皆さんの祈りとか、たくさんの愛のおかげだと思ってます! 今ね、治療とかリハビリに集中しているんですが、こういうことになっていろいろ決めなきゃいけないことがあるじゃん? でもね、僕はみんなにね「LUNA SEAを絶対に止めないでくれ」ってワガママを言ったんです。だから、12月23日、有明アリーナで待ってます! もしかしたら1曲叩けないかもしれないし、曲の半分も叩けないかもしれないし、1小節2小節しか叩けないかもしれないけど、今日のこの声の張りを聞いたら……(客席から大歓声が飛び交う)3小節ぐらいいけんぞ! そうやって年末に叩くんだということを僕も目標にして治療に専念したいと思います。また23日にみんなと時間を共有して、そして、みんなと一緒に感動できたら、本当に嬉しいと思っています! LUNA SEAは決して止まらないからね! みんな愛してるよ!」
そんな元気な姿と強い意志を見せてくれた彼の名を「真矢!」とコールし続けるSLAVEたち。それに応えるようにいつものドラムソロ恒例のコール&レスポンスが繰り広げられた。真矢の復帰を誰もが信じ、自身も復帰する気満々であることを知った瞬間。ネガティブな未来を想像させない、生命力に溢れた姿が今も心に焼き付いている。
その想いに呼応するように有明アリーナへ集結した超満員のSLAVEたち。ステージ上にはふたつのドラムセット。ひとつはサポートドラマー・淳士のもの。もうひとつは真矢がデビュー当時に使用し、この公演の為に新調していたYAMAHA製のドラムセット。そして、開演とともに聞こえてくる「LUNA SEAには、絶対に止まってほしくない。絶対にLUNA SEAを続けたいと、僕はメンバーにワガママを言いました。LUNA SEAは決して止まらない。LUNA SEAは決して止まらないからね!」という声とスクリーンの中で激しくドラムを叩く真矢の音。
「2026年3月12日、有明アリーナ。みんなもいろんな気持ちを抱えて今日は来てくれたと思います。俺たちもね、いろんなことを考えたんだけど、いちばん大切な真ちゃんとの約束があったから……今日は「ライブをやる」という決断をしました(RYUICHI)」
「みんな、本当にご心配とご迷惑をおかけしました。すみませんでした。本当は今日、盛大な復活の狼煙になる日だったんだけど、こういう形になって……。でも、真矢、ここにいるから。奴は賑やかなほうが好きだから、今日は真矢がいちばん喜ぶことをしましょう。ド派手にいきましょう、皆さん!(SUGIZO)」
その言葉に共感したSLAVEたちは、RYUICHIの「有明いけるかぁーい! それでは、真ちゃんのビートから生まれたこの曲で思いっきり盛り上がっていきたいと思います!」という煽りからの「MILLENNIUM」で、再び真矢のパフォーマンス映像と共に「会いたくて もう一度 あの頃のキミは 眩しすぎたよ 抱きしめて もう一度 もう離さないよその温もりを」などのフレーズに涙しながらも激しく体を揺らしていく。
その後も「Sweetest Coma Again」「inside you」とスペシャルなセットリストに真矢との思い出を重ねながら、RYUICHIも「最後の瞬間までドラマーであり、LUNA SEAの御輿をしっかり担いでくれた真ちゃんがいてね。
LUNA SEAとSLAVEたちが互いを支え合い、真矢の望んだ未来を歩んでいこうとするその光景は、このライブの前半のハイライトだったと言っていいだろう。その後、20分間のインターミッションを挟んで、再び幕を開けた「LUNATIC X'MAS 2025 - OUR JOURNEY CONTINUES -」の後半は、真矢のドラムソロからスタート。2025年2月23日「覚悟の夜」と称される東京ドームでの35周年記念ツアーグランドファイナルの映像が流れ、真矢がまるで今そこにいるように臨場感溢れるド迫力のプレイを繰り広げたあと「やっぱりSLAVEのみんなは格好良いなぁ!」と叫ぶと、時空を超えて有明アリーナにいるSLAVEたちが「真矢ぁ!」と叫び返しながら大歓声をあげる。
これにRYUICHIが拍手を送ると、真矢からのバトンを受け取るように淳士が全身全霊でドラムを叩き出し、SUGIZOの鬼気迫る高速ギターソロをはじめとした凄まじい熱量のバンドサウンドと歌声が絶え間なく響き渡る「Metamorphosis」「G.」が畳み掛けられた。さらには、アコギを奏でるINORANと肩を寄せながら、SUGIZOと1本のマイクで歌い合いながら「IN SILENCE」で伸びやかなボーカルをRYUICHIが披露すると、会場の一体感はこれまで以上に高まっていく。そして「今夜、ここ有明に集まってくれたみんなに次のナンバーを贈ります。心から「I for You」」と稀代の名バラードを届けていくのだが、その愛の歌を受け止めながら、この日ばかりは<心からキミを愛してる>というフレーズに真矢の姿を思い浮かべずにはいられないSLAVEも多かったことだろう。
「今夜は真矢くんが呼んでくれて。「今夜も」ですけど、淳士が叩いてくれています。(大歓声が送られる)……結構ね、無茶なスケジュールをいろいろ調整してくれてここに立ってくれているんだけど。真矢くんの指名というのももちろんあるけど、本人がね「俺が叩かないでどうするんだ」と思ってくれているから。(盛大な拍手が送られる)……まだ号泣すんなよ。もらい泣きしちゃうから。本当にね、面白いことがいっぱいあってね。真矢くんといると毎日が笑顔で。冗談言い合って、本当に長い長いツアーでもね、共にそういう時間を大切にして、リラックスして、次の日ステージに立てるように……本当にムードメイカーっていうかね。そこはもしかしたら淳士足りないかもしれないけど(笑)。ま、ムードメイカーに急になられても俺らからツッコまれるだけっていうのもあるけど(笑)。
RYUICHIがそう語ると、過去の5人のライブ映像をバックに躍動する「BLACK AND BLUE」を披露するのだが、最後の光の洪水のようなシンガロングがこれまた劇的すぎて、メンバーも瞳を潤ませるほどだった。そんな感動的なムードから暴走するように疾走していく「ROSIER」もこの日はいつも以上にドラマティックに響き渡り、Jが間奏で「By the time I knew I was born……」と高速で畳み掛けていくくだりの最後に「いくぞぉー! 真矢ぁぁぁー!」と野太い声で雄叫びをあげると、SLAVEたちのリミッターが崩壊し「うぉぉぉぉー!」と爆発的な声の波が会場を埋め尽くした。そして、間髪入れずに畳み掛けられる「TONIGHT」のギターリフ。そこに鳴り響くエモーショナルすぎるあらゆる音と歌声と自らのあらゆる感情に誰もが溺れそうになりながらも、生命の鼓動は高まるばかりで叫ばずには、暴れずにはいられなくなる極限状態に達した瞬間にしか生まれない絶景が眼前に広がっていた。
これはもちろんステージに立つメンバーたちと有明アリーナに集いしSLAVEたちが生み出したものだが、その原動力であり、起爆剤は間違いなく真矢がここにいるひとりひとりと紡いでいった絆。そして、その人生のすべてを懸けて体現し続けてくれたLUNA SEAへの愛だろう。
ライブ本編が終了すると、どこからとなく「きよしこの夜」を歌う声が聴こえてきた。
RYUICHI「いまだに真ちゃんからメールとか来そうな気持ちでいます。なんかね、今にも起きてきそうな、やさしい、そんな眠った顔だったからね。……また、今日も、いろんなことがあったけど、ずっと支えてくれていたんだなっていうね。やっぱり共にいるんだなと思いました。たくさんの方に献花式も含め来ていただきました。本当に皆さんありがとうございます。本当に絶対(真矢も)思ってるよ。みんな、本当にどうもありがとう。」
J「絶対にいるよ! 必ず、どこかで観てる! 今日ライブやってね、真矢くんが叩き続けてきたビートがね、この体の中に、メンバーみんなそうだと思うけど、刻まれているんだなって……本当に感じながら演奏させてもらいました。みんなもそうでしょ? 実際、真矢くんが旅立ってから……何にも手につかなくてさ。心の置き所をずーっと探してる感じ。でも、今日ね、見つけたね。やっぱりこうみんなと一緒に盛り上がるライブ。ここが俺の心の置き場所なんだなって、本当に思いました。これからも真矢くんのね、想いをね、つれてガンガン吹っ飛ばしていこうと思います。今日はありがとうございます! そして、真矢くんも俺たちを見守っててください。ありがとう!」
INORAN「ふたつあります。ひとつは、真矢くんが……どんだけ真矢くんがみんなに愛されていたか。そして、LUNA SEAがどんだけみんなに愛されていたか。それを教えてくれました。まぁ、お笑い担当がいなくなっちゃったんで、僕が継がなきゃいけないのかな(笑)。ハハハ! 精進して頑張ります! そして、もうひとつ。「おまえら、最高に格好良いぜ!」って言ってくれていたの、真ちゃんが。俺らもいつまでもいつまでもこうやってバンド続けて、ライブやって、「おまえら、最高に格好悪いぜ!」なんて言われないように頑張っていくんで、よろしくお願いしまーす!」
SUGIZO「まったくさ、俺たちを置いて先に逝っちゃいやがってさ。冗談じゃないよ! いずれ、俺たちが向こうに行ったら、まず頭を引っ叩いてやろうと思っています。先に逝くんじゃねぇって感じです。でも、長年の親友があちら側に行ってしまって……本当に今日は怖かったです。ステージに立つのが。事故のあとだし、真矢いないし。なんだけど、Jも言ったように思いました。……ここが俺たちの居場所で、俺たちのホームで、帰ってくる場所なんだと。で、いつものように真矢はいます! 俺たちがこちらの世界にいる限り、真矢と一緒にこれからも全力で突っ走っていこうと思うので、ぜひ引き続き共に歩んでいきましょう。
そして、いずれは俺たちも向こうに行くんだから、君たちも向こうに行くんですよ。そのうち向こうで、ここの全員で、続きやりましょう。真矢、待っててくれるから。たぶん、すごいライブになると思うよ。真矢は向こうで熟練の男になってると思うし。ずーっと待ってくれているHIDEさんもいるし、HEATHもいるし、櫻井さんもいるし。全員集めて、君たちとみんなで、最高なショウを向こうでやるから。たのしみが増えたね。俺たちがこちらの世界で命ある限り、真矢と共にこれからも走っていきます。君たちも俺たちと共にこれからもよろしくお願いします」
各メンバーの想いを伝え、RYUICHIが「今夜もスタッフが我々4人を。淳士も。そして、真矢くんも支えてくれています。スタッフに熱い拍手をお願いします! そして、淳士、本当にありがとう。ドラムス! 淳士!」と告げると、号泣しながらSLAVEたちからの声援を受け止める淳士。そして、RYUICHIの「俺たちの旅のはじまりの歌です」という振りからストリングスの音色と共に泣きながら淳士がドラムを叩き出すと「LUCA」が披露される。<その涙を拭うからこの詩で 君が自由を求めるなら君の羽ばたく僕は君の空になろう 君が羽を痛めたなら癒えるまでずっと星を灯すよいつまでも君の自由を>──本公演のタイトルに記された「OUR JOURNEY CONTINUES」のテーマソングのように響き渡るその曲を共に歌い、共にこの旅の続きを歩んでいくSLAVEたち。そんな愛すべき旅の仲間たちを「東京! 東京! 東京! おまえら全員でかかってこい! かかってこい! かかってこい!」と鼓舞すると、曲は「WISH」へ。それぞれに悲しみを抱えて、真矢と共に愛した曲たちを全員で奏でた夜に「I Wish for...」──希望ある未来をみんなで願い、この上なくハートフルでホープフルな音楽空間を生み出してみせた。
スクリーンに真矢を含むLUNA SEAの写真とロゴ。その前でSUGIZOがシンバルを素手で叩くと「真矢ぁ! 真矢ぁ! 真矢ぁ! 真矢ぁ! 真矢ぁ!」と叫ぶSLAVEたち。そして、いつまでも鳴り止まない「アンコール!」の声。最後に再びステージに現れたLUNA SEAは「実は、今夜のライブに向けて真ちゃんも準備をしてくれていました。みんなに届けたい映像があるので、観てください」と、真矢がスタジオでドラム演奏している映像を流し始める。そこには「1小節2小節しか叩けないかもしれないけど、今日のこの声の張りを聞いたら……3小節ぐらいいけんぞ!」と「LUNATIC FEST. 2025」で話していた彼が3小節どころか、いつも通り演奏している姿があった。
「実は、真ちゃんは原点回帰するということで、今回、YAMAHAのドラムセットをつくっていただいて、ここに今日置いてあるんだけど、このドラムをね、リハーサルでは本当に「今までと全然変わんないじゃん」っていうドラムをね、叩いてくれていました。本当にね、楽しみにしていたんだよね。ライブを。つまんないことを考えてネガティブになるよりも、先の明るい未来を考えてポジティブになる人だったと思うし、みんなも知っての通りね、本当に人生、魂、すべてを懸けてドラムを叩いていたドラマーなんで。これからも共にライブができたらいいなと思っております。そんな真ちゃんの想いを乗せて、愛を込めて、最後に有明に集まってくれたみんなにこの曲を贈りたいと思います。ラストソング「HOLY KNIGHT」──」
そうRYUICHIが語って最後に届けたこの曲は、LUNA SEAがSLAVEたちの夢の続きを守っていく5人の聖なる騎士をイメージして制作したクリスマスソング。曲中「ドラムス、真矢」と紹介しつつ、これからも変わらず、真矢と共にSLAVEたちと夢を追いかけていく意思表明とも言える「HOLY KNIGHT」で「LUNATIC X'MAS 2025 - OUR JOURNEY CONTINUES -」を締め括ってみせた。そして、スクリーンにて「真矢との約束」「新たな旅路は」「真矢の愛した地」「秦野から始まる」といったテキストと共に「LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-」5月29日の秦野公演から全国22都市33公演の全国ツアーを開催することが発表される。
「今年は、真矢くんと一緒に全国のみんなのもとに行きます。真矢くんは「1曲でもいい、後半だけでもいい、1フレーズでもいい。必ず叩きに戻るから」(と言っていたので)俺たち4人もその想いを抱いて、どの会場に来ても必ず創造を超える、リミットを超える瞬間をみんなに届けたいと思います。過去最強のツアーにしたいと思います。みんな、楽しみに待っててください。淳士、一緒にいくぞ!」と語ったRYUICHIは、最後に「今夜集まってくれた全員ともう一度ひとつになりたいと思います。みんな、いい? いくよ?」とSLAVEたち全員とジャンプをして「有明、愛してるよ! バイバーイ!」と告げ、INORANは屈託のない笑顔で手を振り、Jも「真矢くんの想いを連れて全国ツアーへ行きます!」と晴れ晴れとした表情を浮かべ、SUGIZOは両手を合わせて長い時間にわたって頭を下げたあと、再び例のドラムセットを指差し「真矢!」コールを巻き起こして、ステージをあとにした。客席から飛び交い続ける「ありがとう!」の声。
こうして「LUNA SEAは決して止まらないからね!」と誓った真矢との約束を果たし、この先も真矢と共に「UNENDING JOURNEY」を続けていくLUNA SEA。その終わらない夢の続きに今後もぜひ注目してもらいたい。
<ライブ情報>
LUNA SEA TOUR 2026
UNENDING JOURNEY -FOREVER-
2026年5月29日(金)
秦野公演を皮切りに全国22都市33公演 開催決定!
詳細はこちら https://www.lunasea.jp/live/2026tour
2025年2月に結成35周年イヤーの締め括りとしてGLAYとの対バンイベント「The Millennium Eve 2025」、バンド史上最大規模ツアーのグランドファイナル公演「LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR ERA TO ERA -THE FINAL EPISODE- LUNATIC TOKYO 2025 -黒服限定GIG-」をそれぞれ東京ドームで開催し、新たな伝説を刻んだLUNA SEA。
その場で発表された主催フェス「LUNATIC FEST. 2025」が11月8日(土)、9日(日)幕張メッセにて実現。LUNA SEAをはじめ、BRAHMAN、BUCK∞TICK、DIR EN GREY、GODLAND、黒夢、lynch.、MUCC、MY FIRST STORY、NEMOPHILA、Novelbright、凛として時雨、ROTTENGRAFFTY、SIAMSOPHIA、シド、T.M.Revolution、UVERworld、THE YELLOW MONKEY、9mm Parabellum Bulletといったロックジャンルの壁を越えた錚々たるアーティストが集結し、凄まじい熱量のアクトを繰り広げた。
「LUNATIC X'MAS 2025 - OUR JOURNEY CONTINUES -」開催を終えたいま、改めて同フェスを振り返る。
DAY1
Novelbright
2015年、2018年、そして、今年の開催で10周年を迎えたルナフェス。RYUICHIの開会宣言を受け、そのトップバッターを務めたのは、日本最強男性ボーカルを決定するオーディション番組『現役歌王JAPAN』にて優勝したことも記憶に新しい、竹中雄大(vo)率いる5人組ロックバンド・Novelbright。「楽屋で仮眠を取っていたら「RYUICHIさんとJさんがご挨拶したいと仰っていて」と聞いて、普段は寝起きめっちゃ悪いのに人生でいちばんバコーン!と起きて(笑)。今日は最高な日の一発目を任せてもらったんで、しっかりと盛り上げて先輩たちに繋いでいきたい!」と、この日は竹中にとって20代最後のライブだったこともあり、スタジアムロックバンド級の開放的かつ爆発的なボーカルとバンドサウンドで会場中を扇情。レジェンド級の先輩たちを喰わんとするアクトで完璧なオープニングを飾ってみせる。
lynch.
続くlynch.は、広大な空間を隙間なく埋め尽くすラウドでハードコアな爆音と、その中で凶悪すぎるデスボイスと色気漂うボーカルを自在に操る葉月(vo)によってムードを一変したかと思えば、LUNA SEAの「PRECIOUS...」を愛情とリスペクト溢れるアレンジでカバー。シンガロングが発生するほどSLAVE(※LUNA SEAファンの呼称)も大歓喜のパフォーマンスで会場をひとつにしてみせる。さらには「皆さん、おはようございます。おそらくこの2日間で最もLUNA SEAに影響を色濃く受けているであろう、lynch.です。よろしくお願いします! 今回はルナフェス2回目の出演ということで、本当に光栄です! ありがとうございます!」と感謝を告げ、かねてより自身の楽曲にゲスト参加してもらったりと親交のあるJをベーシストとして招き入れ、インディーズ時代からの代表曲でもある「ADORE」を生コラボ。ここでしか体感できないスペシャルアクトで大スパークを生んでみせた。
GODLAND
BAKI(ex.GASTUNK)とMORRIE(DEAD END,Creature Creature)という伝説のボーカリストによるユニット・GODLANDは、RYUICHIの「俺たちがまだバンドを結成するかしないかの頃、ライブを観に行って「本当に神様みたいな人たちがいるんだな」と思いましたね。MORRIEさん、BAKIさん。2人のカリスマがいなかったら、今のRYUICHIは全然違う未来の扉を開けていたかもしれません。神々の降臨を!」と敬愛溢れる紹介を受けて登場。SUGIZO(g/LUNA SEA)、ウエノコウジ(b/the HIATUS、Radio Caroline、ex.THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)、菊地英二/ANNIE(dr/THE YELLOW MONKEY)といったレジェンドに相応しいバンドメンバーを従え「ライブは2回目、1年ぶりぐらい。まだ新人バンドなんで、よろしくお願いします」と謙遜しつつも、文字通り神々しい貫禄あるボーカルを重ね合いながら、SUGIZOも「この暗黒のバンドを午前中からやると思わなかった」と笑っていたが、幕張メッセを異空間へと塗り替えてみせた。
シド
2018年のルナフェスでは、RYUICHIとマオ(vo)で「I for You」を歌唱したシド。今年の出演に際して「最近の自分のどんどん調子が上がってきている感じは、RYUICHIさんがかなりいろんな場面で支えてくださって。RYUICHIさんは歌の恩人=命の恩人なんですよね。そんな感じで、おこがましいんですけど、自分の中で「気持ちのコラボ」的なところはすでにできている状態ではあるので、あとはもう精一杯頑張って歌えたらと思っていますね」とRolling Stone Japanの最新インタビューで語っていたが、その言葉通り終始エモーショナルなアクトを展開。今の彼らが掲げるDark sideの世界観をベースに据え、冒頭の「低温」で聴く者すべてを釘付けにして動けなくさせる、緊張感溢れるムードを漂わせつつ「モノクロのキス」「0.5秒の恋」「プロポーズ」「park」「眩暈」と多種多様な音楽アプローチで、それこそ恩返しとも受け取れる全身全霊のボーカルとシドにしか鳴らせない情感豊かなバンドサウンドで会場中を沸かせてみせた。
SIAMSOPHIA
SOPHIAとSIAM SHADE。共にデビュー30周年を迎えたタイミングで結成された期間限定スペシャルバンド・SIAMSOPHIA。彼らがその最後のステージに選んだのはルナフェスだった。「ようやく今回、ルナフェスに出ることが出来ました! マジでめっちゃ嬉しい! あんまり喋ると泣いてしまいそう」と松岡充(vo)も喜んでいたが、そんな思い入れの深いLUNA SEAの主催イベントでまずはSIAM SHADEメンバーによるライブ、そしてSOPHIAのライブをそれぞれに繰り広げると、満を持してSIAMSOPHIAとして「グレイシャルLOVE」「黒いブーツ ~oh my friend~」と互いの代表曲を生コラボレーション。松岡と栄喜(vo)がこれらの曲を交互に歌い、双方のメンバーの演奏が交わるだけでもスペシャル感は半端ないが、それを目の当たりにしたオーディエンスの共に口ずさみながらはしゃいでいる光景も多幸感に溢れており、この1年間のSIAMSOPHIAとして活動してきた日々を振り返ってから「Oh my friend 聴かせておくれよ 俺よりぶっとんだ お前の詩を♪」と歌い合う松岡と栄喜の姿に涙するファンの姿もあった。
MY FIRST STORY
そんなレジェンダリーなバンド同士の感動的な共演を経て、続いて登場したMY FIRST STORY。ジャンル的にはアウェイながらも今の日本のロックシーンを牽引する存在らしく「楽しんでますか、ルナフェスの皆さん! 飛び跳ねろ!」と序盤からド迫力のハイトーンボイスと技巧派かつ爆発的なバンドサウンドを響かせ、会場を一瞬にして自分たちの世界に染め上げる。「我々が今日なぜこのステージに立っているのか、正直なところいまだに自分の中で答えが見つけられません。だから、その理由を今日探しに来ました」とhiro(vo)は語っていたが、その歌と演奏には一切の迷いなし。2012年、Jの新木場STUDIO COAST公演にゲスト参戦したことを振り返り「大変お世話になりました! 成長して戻ってきました!」と、マイファスのことを10年以上前から絶賛してくれていたJへ恩返しするべく、あの頃の何十倍も大きなバンドになって帰ってきた姿を見せつけ、自らルナフェスのステージに立ったことへの答えを導き、まるでワンマンライブのような熱狂を生み出してみせた。
T.M.Revolution
早稲田大学応援部吹奏楽団の盛大なファンファーレを受け、背中に「革命」と刻まれた衣装を身に纏って登場したT.M.Revolutionは「強引に空気を変えせてもらいますよ!」と、冒頭から「カラダが夏にナル!」と「HIGH PRESSURE」から「HOT LIMIT」「WHITE BREATH」と誰もが歌える大ヒット曲を屈強なバンドメンバーと共に連発し、その筋肉美に裏付けされたストロングボイスで会場をお祭り化。そして、35年来の付き合いとなるLUNA SEAへの想いを語り、現在休養中の「真矢くんに精一杯の想いを込めて……真矢ぁぁぁぁ!」「願いじゃない、この想いは祈りなんだ!」と叫んで「INVOKE -インヴォーク-」「ignited -イグナイテッド-」と『機動戦士ガンダムSEED』シリーズの主題歌としてもお馴染みのナンバーを観客とシンガロングしながら全身全霊で届けていく。さらには、SUGIZOとINORANをステージに招き入れ「夢幻の弧光」「Zips」と肩を抱き合いながら大スパークを生んでいくのだが、実はふたりとコラボするのは「Zips」のみの予定だったらしく、間違って1曲早く呼び込んでしまったことを謝罪(それでも対応したふたりは凄いが、実は耳元で「最悪」と囁かれていたらしい(笑))。
DIR EN GREY
そんな自由すぎるお祭り男のアクトを経て登場したのは、180度違う世界観で我々を圧倒したDIR EN GREY。今やその音楽性はプログレッシヴメタルやエクスペリメンタルメタルまで広がりながら進化及び深化しており、日本が世界に誇るバンドのひとつとなっている。この日のライブもその歴史をまるっと物語るような構成となっており、かつてSUGIZOをフィーチャリングした「空谷の跫音」を2015年のルナフェスに続いて生コラボする場面も。その幻想的ながら狂気をも感じさせるヴァイオリンの音色と有機的に絡み合う重く深いバンドサウンドと、京の儚くも情感溢れるボーカルに会場中の誰もが魅了され、釘付けとなっていた。その後もMCや煽りは一切なく、9分超えのプログレッシヴな大作「VINUSHKA」から「朔-saku-」「THE FINAL」といった2000年代中盤の往年の人気キラーチューンまでオーディエンスを圧倒、狂乱し続けてその巨大な存在感を我々の心に激しく刻み付けた。最後の曲「詩踏み」を終え、スクリーンに映し出された「未来永劫、LUNA SEAが輝き続けることを俺たちは信じている」と受け取れるメッセージも粋だった。
BRAHMAN
日本中の幾多数多のロックフェスで伝説を刻んできたBRAHMANが、2度目のルナフェス参戦。しかも今回はトリの前。冒頭からSUGIZOを迎え入れ、彼の空間を切り裂くようなギターと共に「初期衝動」で狂喜乱舞の渦を生み出していく。その後も「一生に一回きりだと思っていた7年前のルナフェス……また呼ばれました! お礼は、全身全霊でBRAHMAN始めます!」とその宣言通りのアクトを畳み掛けると、中盤に今度はJのベースと共に互いが大好きなモーターヘッド「Ace of Spades」とBUCK-TICK「ICONOCLASM」のカバーをそれぞれ披露。そんな特別なライブに対し「生きていると楽しいことがたくさん起きる」と感無量の表情のTOSHI-LOW(vo)。そして、最後は「今、あなたたちSLAVEの主というか、王様っちゅうか、あのバンドが大変なことになってる。病気を抱えて。文字通り体を張って、命を懸けてやってるんだ。たぶん、25年前につくってしまった空白の時間をもうつくりたくないんだと思ってる。そして、その空白の時間があったにも関わらず、こうやって復活を信じてそれをずっとずっと待ってるSLAVEに本気で、命懸けでお返しをしているんだと思う。世界中に、歴史上であなたたちだけだよ。ちゃんと愛を与えてもらってるそんなSLAVEは。俺はそんな関係性がとても素晴らしいとここで感じています」と、再びSUGIZOを招き入れて彼のヴァイオリンと共に「満月の夕」をお届け。涙する観客が続出するほど優しすぎるその音楽で、トリのLUNA SEAへのバトンを渡してみせた。
以上9組の様々な想い溢れるアクトを受け止め、ロックの母・東海林のり子と超満員のオーディエンスの「LUNA SEA!」と叫ぶ声に誘われ、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」と共にステージに登場したRYUICHI、SUGIZO、INORAN、J、そして、真矢から直々に代役を頼まれたドラマー・淳士(SIAM SHADE)の5人から成るLUNA SEAは、冒頭から全身全霊の「TONIGHT」「Dejavu」といったヒットナンバーで凄まじい熱狂とシンガロングを生み出していく。「みんな元気ですか? 楽しんでますか! 7年ぶり3回目のルナフェスです。こんなに格好良いバンドを集められる、もしかしたら唯一のフェスかもしれないね。今夜は最後まで楽しんで帰ってください!」とその後も「DESIRE」「TRUE BLUE」と誰もが知る名曲中心のセットリストで会場を大スパークさせ続け、「今夜の幕張は熱いね。本当に凄いバンドの仲間たちがたくさんの想いを投げてくれたと思うんで、LUNA SEAはホストですから、全バンド集めても超えられるような球を投げたいね。今夜集まってくれたひとりひとり全員に……心から「I for you」」と稀代の名バラードも全力の愛を込めて熱唱熱演。さらに「これからも熱量を求めて、しっかり4人でバンドを守って……みんな、真矢くんにたくさんメッセージをくれて本当にどうもありがとう」と感謝の言葉を告げつつ、その想いを最大限にその歌声と音にも乗せて「BELIEVE」「ROSIER」「WISH」という最強の畳み掛けでもって、SLAVEたちと愛に溢れた爆発的な大狂乱の渦を創造していく。
RYUICHI
SUGIZO
INORAN
J
淳士
そんな夢のような音楽の宴のグランドフィナーレとして、彼らはこの日の出演者たちを次々とステージに呼び込み(RYUICHIに「さっき、何かあったの?」と聞かれたT.M.Revolutionが「(SUGIZO&INORANを早く呼び込んでしまった例の件は)もう謝ったから! あとでゆっくり話すから! もう何なんだよ!」と叫んで笑いを誘うシーンも)会場はさらなるお祭りムードへ。
そんな中で「これだけのメンバーが揃ったら、奇跡が起こるよね。みんなにスペシャルなギフトになると思います。……ドラムス、真矢!」と、RYUICHIが休養中の大切なメンバーを招き入れると会場は驚きと大歓声に包まれ、自身の名を何度も叫び続けるSLAVEたちに真矢は感極まった表情を見せながら、ステージも客席も会場全体が見渡せる、淳士のドラムセットの後方に座る。そして「真ちゃんがいると、一気にステージが明るくなるよね。じゃあ、こんなめちゃめちゃかっけぇバンドの集まりで、1曲いきたいと思います」と、最後は「STORM」を錚々たる「LUNATIC FEST.2025」DAY 1出演メンバーたちと共に歌い奏で、そのまさしく夢のような光景と音楽にSLAVEのみならず全出演者のファンたちが大興奮しながら、この日最大のスパークを共に生み出していた。
真矢
その美しい音楽空間を感慨深げに見つめていた真矢は、久しぶりに公の場で口を開く。「今日は本当にみんな、来てくれてありがとうございます! こうやってね、ステージに立っていられるのも、みんながいつも祈ってくれたり、メッセージをくれたり、たくさんたくさん愛をくれたり、そのおかげだと思ってます。ありがとう! 元々は「3カ月経って、杖ついて歩けるんじゃないか」と言われていたんだけど、みんなのおかげで、1カ月で杖なしで歩くことができました。ただ、まだ今は治療とリハビリに集中しています。でもね、今回の件でいろんな判断をしなきゃいけなくって、その中で「LUNA SEAには、絶対に止まってほしくない。絶対にLUNA SEAを続けたい」と僕はメンバーにわがままを言いました。
なので、12月23日、LUNA SEAは有明アリーナでライブやります! そのときに、もしかしたら1曲とかも叩けないかもしれない。もしかしたら1小節だけかもしれない。でも「少しでも、ドラムを叩きたい」という、少し前からの小さな願いと夢があるので、みんなも12月23日、そのとき同じ時間を過ごしてくれたら本当に嬉しいです! LUNA SEAは決して止まらない。だから、12月23日、お待ちしております。で、今日ね、いろんな人に、メンバーも含め、出演者、スタッフさん、そして、皆様にご迷惑をたくさんおかけしちゃったけど、いつかは恩返しできるようにちゃんと治して、完全復活を目指していきたいと思います。本当に今日はありがとう! やっぱり、みんな最高だぜ。愛してるよ!」──そんな真矢の言葉に会場は拍手喝采に包まれ、RYUICHIも「俺たち4人で真ちゃんをしっかり支えます。こんな奇跡の夜。本当に俺たちも(真矢が来ることを)今日知ったからね。凄いよ、やっぱり。ギフトだよね」と語り、SUGIZO、INORAN、Jも感無量の表情を浮かべていた。
そして、LUNA SEAの5人と、今日のLUNA SEAのライブを支えてくれた淳士も含む6人+オーディエンスのみんなでそれぞれ記念撮影をすると、RYUICHIが「<LUNATIC FEST.2025>に来てくれた皆さん、愛してます! バイバーイ! 明日も蘇りましょう!」と告げ、INORANも「みんな! 最高の、最強の夜をありがとう!」と、Jも「ルナフェス初日どうもありがとう! 今日出てくれたバンドの皆さんもどうもありがとう! また明日騒ぎましょう!」と叫び、最後にSUGIZOが「最高に愛してるぜ!」と締め括ると、10周年を迎えたルナフェスの1日目は閉幕。真矢のサプライズ出演もあり、文字通り奇跡と呼べる音楽の祭典になったわけだが、これに勝るとも劣らない奇跡が2日目にも次々巻き起こることになる。その模様はまた次の記事でご覧いただきたい。
写真:田辺佳子・橋本塁・上溝恭香・岡田裕介
DAY2
NEMOPHILA
前日の熱狂冷めやらぬ幕張メッセのステージに現れたRYUICHIは、大歓声を浴びながら「心からキミに伝えたい キミの笑顔いつも見つめられたら──」と「I for You」のサビをアカペラで歌唱し、満員のオーディエンスを歓迎。そして「LUNATIC FEST. 2025 DAY 2 開幕!」と告げると、今年のルナフェス唯一のガールズバンド・NEMOPHILAが登場する。ハラグチサン(b)とむらたたむ(dr)の屈強なリズム隊、葉月(g)の超技巧派かつエモーショナルな7弦ギター、mayu(vo)の凶悪なデスボイスとガーリーなハイトーンボイスを自由自在に操るボーカルでもって、「朝から声出していこうぜ!」とジャンルも国籍も超えていく多種多様なミクスチャーメタルを畳み掛け、会場を扇情。ライブ中盤では、LUNA SEAの名曲「TONIGHT」を敬愛溢れるアレンジでカバーし、実際に朝からシンガロングも生み出し、SLAVE(※LUNA SEAファンの呼称)たちからも拍手喝采を浴びていた。
ROTTENGRAFFTY
こうして2日目もド頭から凄まじい熱狂に包まれたルナフェス。続いて登場したROTTENGRAFFTYも「重要なのは今! ここを切り拓くこと!」と序盤からオーディエンスをぶち上げていく。NOBUYA(vo)がヴィジュアル系バンド出身ということもあり、彼らの音楽はミクスチャーロックながらLUNA SEAとの親和性も高く、後半の「ルナフェス、10年ぶり! ROTTENGRAFFTY、LUNA SEA、いろんなことがありました! でも、歩みを止めず突き進んでいくバンドが一番格好良いということを証明しにきました! よろしく! おい、おまえら来いよ! 殺す気でかかってこーい!」「リスペクト、LUNA SEA! 過去も未来もその前に何度でも言う! 今! 今! 今を燃やせぇー!」とモッシュやダイブも生み出していき、締め括りにはなんとLUNA SEA初期(1stアルバム『LUNA SEA』収録)のキラーチューン「FATE」をカバーし、10年前のルナフェス初回出演時を超える狂喜乱舞の渦を巻きこしてみせた。
9mm Parabellum Bullet
続く9mm Parabellum Bulletも10年前のルナフェス初回出演時より明らかに進化した爆音グルーヴでもって「Baby, Please Burn Out」から間髪入れず、あらゆるバンドファンが入り乱れた観客と大暴れ。「19年前に9mmの運命を決定づける超重要な人と出逢って。それからずっとライブでみんなに魔法の言葉「いけるか!?」って聞いてきたんですよ。19年前、俺たちはインディーズでCDをリリースしたばっかりで、そんな俺たちをフックアップしてくれたのは……Jさんでした。今日はその命の恩人と言ってもいいんだけど、俺たちのワガママで一緒にステージに」と菅原卓郎(vo,g)がその恩人を招き入れれば、Jは「うそ? もう19年も経ったか! 大人になったなぁ!」と驚きながらメンバー個々の名前を呼んで「もっと暴れなきゃダメだよ?」そして「いけるか!?」と、師弟コラボで「新しい光」を披露した場面はあまりにも劇的で、美しいスパークを生み出していた。
MUCC
2015年、2018年、そして、2025年とすべての回に出演しているルナフェスマスターと言っても過言ではないMUCCは、逹瑯(vo)がMCで「このルナフェスを楽しむ為に日々の生活、仕事を頑張ってここまで来れたんじゃないでしょうか。みんなも思ってるかもしれないけど、俺が一番このフェスを楽しんでいる自信があります。どっちが楽しめるか勝負しようぜ! いいか!」と語っていた通り、LUNA SEA及びルナフェスへの溢れるリスペクトを感じさせるパフォーマンスでもって「愛の唄」「KILLEЯ」「G.G.」と、ヴィジュアル系シーンの異端児に相応しい型にハマらないロックナンバーを次々と披露。代表曲「ニルヴァーナ」では「最高の場をくれたLUNA SEA! ありがとう!」と叫びながらシンガロングを生み出し、続く「蘭鋳」でも「おい、夢烏(MUCCファンの呼称)SLAVEに見せつけてやれよ! 俺もSLAVEだけど!」と笑いを誘ったりと、LUNA SEA愛を抑えられない姿が印象的なアクトであった。
凛として時雨
初回以来2度目のルナフェス出演となった凛として時雨。どのイベントでも彼らは音楽性のみならず、佇まいからして異質の存在感を放っているが、10年ぶりのルナフェスではその印象がさらに際立っていた。時雨ファンでなくとも知る名曲「abnormalize」から幻想的かつ狂気的で凄まじい爆発力を誇る歌声と音像でもって、あらゆるバンドファンが集っているはずの空間を完全支配し、誰もをその世界の虜にしてみせる。また、あらゆる楽曲において、TKのすべてを劈くようなボーカル&ギターも、345の暴れ回るような演奏ながらも心地好いベースも、ピエール中野の一音一音が生命の爆発のように響くドラムスも、何もかもが人間臭くエモーショナルに突き刺さり、聴き手もはしゃぎながら涙が溢れるレベルの共鳴が生まれていた。TKの「奇跡の最狂の夜にまた参加できて光栄です。すべて出し尽くしますので、最後までよろしくお願いします」という宣言通りのライブがそこにあった。
黒夢
LUNA SEAと共にヴィジュアル系シーンをムーヴメント化した黒夢が、10年ぶりに再始動したタイミングで10年ぶりのルナフェスに初出演。そんな運命的な巡り合わせで登場した彼らは、まさかのLUNA SEA「BLUE TRANSPARENCY 限りなく透明に近いブルー」「Dejavu」をカバーし、盟友の名曲たちを完全に自分たちの色へと染め上げていく。その後も「やる曲がない、ヒット曲がない。どうしよう?」と嘯きながらもヒット曲連発で会場を扇情。清春がアコースティックギターで誰もが知る「少年」を弾き語ると「僕の数少ないお友達を呼びたい」とSUGIZOをステージに迎え入れ、肩を組みながら歌い叫んだりと歴史的なコラボレーションに全身全霊を注ぎ、その熱量にオーディエンスも感慨深げな表情を浮かべながらシンガロングで呼応する。さらには、ROTTENGRAFFTYのNOBUYA&N∀OKIと「後遺症-after effect-」、最後は代表曲「Like@Angel」を満員の観客と歌い叫び、どこまでも黒夢らしいライブを完遂してみせた。
UVERworld
「さっさと歌わせろぉぉ!」というTAKUYA∞の叫びと激しいブルースハープで幕を開けたUVERworldのアクトは、序盤から攻撃的なマインドに溢れ返っており「レジェンドが出まくってるフェスで一番獲る為に毎日走り続ける!」と剥き出しのロックを体現。メッセージ性の強い楽曲たちを次々と畳み掛けながら、聴く者を涙が出るほどに鼓舞させていく。「先輩風を吹かしてくれるようなイヤな先輩がいるわけじゃないけど、わざわざこっちからも後輩風を吹かせて下から突き上げるような格好悪い真似しないよ。ちゃんと対等にいつも通り、良いところも悪いところも曝け出して、そのままの自分たちを愛されにきました! UVERworld、よろしくどうぞ!」」といったMC通り、まさかのRYUICHIとのコラボで披露した大名曲「ROSIER」では、バンドの顔として負けられない戦いを続けてきたボーカル同士、各々の人生をぶつけた歌声の交わりで爆発的な熱狂を生み出してみせた。
THE YELLOW MONKEY
EMMA/菊地英昭のドラマティックなギターソロから「楽園」「SPARK」といった大ヒット曲の畳み掛けで幕を開け、序盤から誰もが満面の笑顔でシンガロングするほどの多幸感と開放感溢れるステージを繰り広げたTHE YELLOW MONKEY。LOVIN/吉井和哉も「やっとこのルナフェスに出させてもらっています! 個人的にとても運命的なものも感じているし、すごくドキドキワクワクしています。昨日、あんまり眠れませんでした! LUNA SEA、BUCK-TICKとイベントに出させてもらってから我々はブレイクしたんで、今日はその恩返しに参りました! 俺は個人的にこのルナフェスを”月の祭典”と名付けております。そして我々は黄色い猿、黄色い太陽とも言えます。今日はロックの皆既月蝕を堪能してください!」と感無量の様子だったが、今夜だけのセットリストとして月の歌「ソナタの暗闇」も交えながらイエモンの多岐にわたる音楽性をぎゅっと詰め込んで、「LOVE LOVE SHOW」「WELCOME TO MY DOGHOUSE」で最後の大スパークを生み出すまで終始、彼ららしい最高のフェスティバルを楽しませてくれた。
BUCK∞TICK
先ほど、吉井が「LUNA SEA、BUCK-TICKとイベントに出させてもらってから我々はブレイクした」と語っていたが、それは1994年に開催されたLUNA SEA、BUCK-TICK、SOFT BALLETによる伝説的ツアー「L.S.B.」のこと。そこでゲストアクトを務めたTHE YELLOW MONKEYからバトンを受け、大トリのLUNA SEAに繋ぐという歴史を感じさせる立ち位置で、2024年より第二期を始動させたBUCK∞TICKとして登場した今井寿、星野英彦、樋口豊、ヤガミ・トールの4人。そこで鳴らされた音楽は、かつてのいわゆるバンド形態ではない、ラップやアンビエントなエレクトロミュージックも飛び出す、完全に新しいサウンドアプローチであった。第二期のライブ未体験者は戸惑ったかもしれないが、次第にその今まで体感したことのない音楽空間に身も心も委ねて揺れ始める。終盤の「TIKI TIKI BOOM」では、今井とお揃いメイクのJも登場して「イカれていこうぜ!」と、満員の観客と楽しげに歌い踊るハートフルな時間を堪能させてくれた。
以上9組の多種多様すぎる強烈なアクトで胸いっぱいになっていた我々をさらに盛り上げるべく、昨日に続いてロックの母・東海林のり子が超満員のオーディエンスと「LUNA SEA!」と何度も叫び合うと、その声に誘われるようにRYUICHI、SUGIZO、INORAN、J、そして、真矢から直々に代役を頼まれたドラマー・淳士(SIAM SHADE)の5人が登場。1日目とは異なるセットリストで序盤から「STORM」「TONIGHT」と惜しみなくヒット曲を全身全霊で畳み掛ければ、誰もが手を高く掲げながら共に歌い叫ぶ歓喜の乱舞が眼前に広がっていく。「3回目、10周年を迎えた「LUNATIC FEST」。今日も最後まで思いっきり楽しんで帰ってください。そして、真矢くんの想いを受け継いで、最強の後輩助っ人が来てくれています」と淳士を改めて紹介すると、彼の気持ちの乗ったカウントから「END OF SORROW」「SHINE」とこれまたキラーチューンを連発し、ライブエリア後方のフードエリアまで埋め尽くされたオーディエンスのシンガロングを浴びながら、嬉々とした表情を浮かべるメンバーたち。そして「この2日間、本当に俺たちと共鳴して、絆を結んでくれた先輩たち、仲間たち、後輩たち。絆とリスペクト、信じる力が絶対にフェスには重要だなと、今回改めて思いました。みんなもたくさんの想いを抱えてこの会場に来てくれたと思います」とそんな愛するすべての者たちへ捧げるようにINORANが耽美で幻想的なギターリフを奏で、LUNA SEAの2000年の扉を開いた重要曲「gravity」を今ここからまた新しい世界へ誘うかのごとく届けていく。
RYUICHI
SUGIZO
INORAN
J
淳士
さらに「宇宙の詩」でその壮大なスケールの音像の中に我々を包み込むと、RYUICHIは「「LUNATIC FEST」に来てくれた仲間たち。すげぇバンドたちだったけど、俺たちLUNA SEAもみんなひとりひとりにこの熱量を持って帰ってもらいたいなと思います。来てくれた全員に心から「I for you」」と、その胸の中に溢れる愛と感謝とリスペクトを爆発させながら珠玉のラブソングを熱唱していく。そんな昨日今日とコラボアクトも含め全力で歌い続けている彼の肩を抱き寄せたJは、ずっと心配していたのだろう。「喉、大丈夫? こんだけ凄いバンドたちと一緒にライブやってるから、やっぱりくるよね!」と明るく気遣い、客席に向けて「ここからはさ、RYUICHIをみんなで助けてくんねぇかな! みんなで歌ってくんねぇかなぁ!」と呼びかける。これに大歓声で賛同したオーディエンスは、RYUICHIの「俺の今の気持ちとしては、今日は二度と来ないから、今日来てくれたみんなにしっかり想いを届けたいと思います」という意思も汲みながら、続く「TIME IS DEAD」「ROSIER」と激しすぎるキラーチューンを共に、これまで以上にドデカい声で歌い叫んでいく。SUGIZOのギターソロもまるで歌声のように劇的かつエモーショナルに響き渡っていた。こうして会場中のすべての者たちが完全一体化した「LUNATIC FEST. 2025」はいよいよクライマックスへ。「本当に集まってくれてありがとう。この2日間、過去最強のバンドたちが集まってくれたフェスになったんじゃないでしょうか。次のナンバーはラストの曲でもあるんですが、始まりの曲でもあります。今日集まってくれたみんなと一緒に……上り詰めたいと思います」と新たな始まりの鐘を鳴らすべく「UP TO YOU」を披露。その歌詞の通り「いつまでも変わらない この愛を」「明日を信じて この手は離さない」という想いをその声と音のすべてで体現してみせた。
そんな絆を深め合った音楽の宴のグランドフィナーレとして、彼らはこの日の出演者たちを次々とステージに呼び込んでいく。そして「俺が歌えなくなっている場合じゃない。今日も奇跡が起きたから──ドラムス、真矢!」とRYUICHIは大切なメンバーを招き入れた。「二夜連続の奇跡ですね」まさかの2日間立て続けに真矢が登場すると思っていなかったSLAVEたちは大歓喜。昨日と同様、淳士の斜め後ろにスタンバイする真矢の前で「いろんなことがあります。ロックは最高なんで。真ちゃんが(LUNA SEAのドラマーとして)帰ってくるその日までしっかり支えていこうね」と語り、オーラスは「LUNATIC FEST. 2025」DAY 2出演者で組んだ一夜限りのスペシャルバンドでもって「WISH」を届ける。RYUICHI、吉井和哉、清春が並んでマイクリレーするなどステージのどこを観ても夢のような光景が広がっており、あらゆるバンドのファンたちが満面の笑みでシンガロングしながら大はしゃぎしている姿も含めて、あまりにもホープフルな音楽空間がそこにはあった。
真矢
そんな生涯忘れないであろうスーパーセッションを経て、ステージ前方のLUNA SEAメンバーたちと肩を並べた真矢が語り出す。「みんな、昨日と今日と本当にどうもありがとう! こうやってステージに立てるのも本当に皆さんの祈りとか、たくさんの愛のおかげだと思ってます! 今ね、治療とかリハビリに集中しているんですが、こういうことになっていろいろ決めなきゃいけないことがあるじゃん? でもね、僕はみんなにね「LUNA SEAを絶対に止めないでくれ」ってワガママを言ったんです。だから、12月23日、有明アリーナで待ってます! もしかしたら1曲叩けないかもしれないし、曲の半分も叩けないかもしれないし、1小節2小節しか叩けないかもしれないけど、今日のこの声の張りを聞いたら……(客席から大歓声が飛び交う)3小節ぐらいいけんぞ! そうやって年末に叩くんだということを僕も目標にして治療に専念したいと思います。また23日にみんなと時間を共有して、そして、みんなと一緒に感動できたら、本当に嬉しいと思っています! LUNA SEAは決して止まらないからね! みんな愛してるよ!」
そんな元気な姿と強い意志を見せてくれた彼の名を「真矢!」とコールし続けるSLAVEたち。それに応えるようにエアドラムを真矢が披露すると、いつものドラムソロ恒例のコール&レスポンスが繰り広げられた。なんて愛に満ちた光景なんだろう。こうして最高な形で幕を閉じた「LUNATIC FEST. 2025」。最後はメンバーそれぞれの去り際の言葉でこのレポートを締め括りたいと思う。
RYUICHI「(真矢には)無理しないでもらいたいけど、早くドラム聴きたいよね。でも、めちゃくちゃポジティブな人だから、きっと帰ってくるよ。待ってて。この2日間、会えたんだから。凄いことだよ。みんな、ありがとう。」
J「みんな、どうもありがとう! 最高の2日間をどうもありがとう! 素晴らしいバンドの皆さん、どうもありがとう! これからもロックしていきましょう! 12月、また会いましょう!」
INORAN「みんな、本当に2日間どうもありがとうございました! たくさんの素晴らしいファンとアーティストとこんなにね、最高な時間を過ごせたんで……本当に! 最高でーす! 真矢とのことも含め、淳士のことも含め、おまえらのステージに向けて放った愛の形が! なんかこう上手くいえないけど……音楽って最高だなぁ! また会おうぜぇー!」
SUGIZO「みんな、本当にどうもありがとう。この2日間で、新しい奇跡が生まれたと思っています。真矢がこうやって歩いて来れたことも奇跡だと思います。真矢が証明してくれたように奇跡は自分たちで起こすものなんだよ。待つものじゃない。これからもさ、みんなと俺たちで新しい奇跡をつくっていきましょう。そして、また、ルナフェスで会おうぜ! ルナフェスは続くから。LUNA SEAが存続する限り。本当にありがとう。最高でした」
写真:田辺佳子・橋本塁・上溝恭香・岡田裕介


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