アジア系アーティストの活躍を世界に発信してきたレーベル、88risingが主催する音楽フェスティバルの日本版「HEAD IN THE CLOUDS Music & Arts Festival in TOKYO 2026」が3月28日(土)・29日(日)の二日間にわたって開催された。場所は千葉・幕張メッセ。
88risingはアメリカを拠点に、音楽制作、アーティストのマネジメントなどを行い、アジアのポップカルチャーをグローバル市場に届ける存在として音楽シーンで大きな影響力を持つ。88risingの多岐にわたる活動の中でも特に象徴的なのが、2018年にロサンゼルスで始まった音楽フェス「HEAD IN THE CLOUDS」。多彩なジャンルを横断しながら、アジア発のカルチャーを世界規模で紹介するフェスとして成長してきた。

初日・3月28日(土)

記念すべき初日のトップバッターは初来日となるno na。88risingより昨年5月にデビューしたインドネシア初のグローバルポップ・ガールズグループだ。現行のグローバルポップと呼応するモダンなR&Bをベースに、多彩な振れ幅とヘルシーなセクシーさで魅せていく。インドネシアの伝統音楽・ガムランにインスパイアされたリズムと重厚なビートが印象的な最新曲「work」ではアクロバティックな動きを披露。日本語で「ありがとうございました!」と言った後、名残惜しそうに「Satu, Dua, Tiga(1,2,3)」とインドネシア語でカウントアップしてオーディエンスと共に記念撮影を行っていた。

「HEAD IN THE CLOUDS Music TOKYO」レポート BE:FIRST、ちゃんみな、HANAら躍動、国境を超えたコラボも実現


「HEAD IN THE CLOUDS Music TOKYO」レポート BE:FIRST、ちゃんみな、HANAら躍動、国境を超えたコラボも実現

no na ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

「最高の日にしましょう!」という宣言からスタートしたAyumu Imazuのステージ。日本とアメリカを拠点に活動を行う希代のオールラウンダーとしての実力を見せつけていく。「みんなで歌って踊って少しずつチルしましょう」と言ってから披露されたのは日本レコード大賞「企画賞」受賞曲「Obsessed」。ダンサーたちと共に花道を歩きながら心地よいグルーヴを広げ、シンガロングが生まれた。
ラストはリリース前の楽曲「Home」。「14歳で親元を離れてニューヨークに行って、ずっとホームを探し続けてました。場所ではなく自分の心にホームはあると気付いて書いた曲です」と紹介し、たくさんのスマホライトが揺れる中、センチメンタルなAyumu Imazu流のバラードで締め括った。

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no na ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

ソニーミュージックが世界を舞台に活躍するアーティストを育成する新プロジェクト「TORA PROJECT」から誕生した4人組ガールズグループ、kiOraのフレッシュな初パフォーマンスを経て、IVEの妹分として昨年3月にデビューしたKiiiKiiiが登場。2000年代初頭のダンスポップテイストの強い「DANCING ALONE」からステージを始め、「BTG」「I DO ME」とクールな表情で魅了したと思ったら、元気いっぱいの日本語のMCで和ませた。この曲を聞きたかったオーディエンスも多いだろう。「こんなに大きなステージで『404 (New Era)』が披露できるのは嬉しいです」というMCに続いて、最新EP『Delulu Pack』のリード曲であり、米ビルボードの「グローバル200」にもチャートインした「404 (New Era)」を華麗にパフォームした。

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kiOra ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

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KiiiKiii ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

CHIKAの「We Are HANA!」のシャウトからの「All IN」。メンバー自らが手がけた「全部bet全部全部bet」というパンチラインが幕張メッセに轟いた。デビューから1年。音楽シーンを席巻し続け、初のホールツアーの真っ最中のHANAの姿に多くのオーディエンスが釘付け。ビジョンに富士山が映る中での「NON STOP」の「bigger than Fuji」のシンガロングが痛快すぎる。
MCタイムでは、MAHINAを起点に「bigger than Fuji」のコール&レスポンスで盛り上がり、メンバーのしなやかなダンスと共にオーディエンスも踊った「My Body」、特大のシンガロングが巻き起こった「Blue Jeans」、どんな環境でも美しく花は咲くということを証明する「ROSE」を経て、JISOOが満面の笑顔で昨日新曲がリリースされたことを告げ、MOMOKAが「好きな人のために自分を変えてでも愛されたいという曲」と紹介。リリースほやほやの「Bad Girl」へ。NAOKOはサビでKOHARUを抱き寄せるなど、さらに強くなった絆を見せた。

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HANA ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

「TOKYO! こんにちは!」というパワフルな日本語の挨拶から始まったアメリカ出身のシンガーソングライター、MAXの2020年1月のワンマン公演ぶりの来日ライブ。MAXは全身を使って踊ったり、アグレッシブな動きをしながら、バンドと一体となって巧みに盛り上げる。「ITS YOU (feat. keshi)」や「Blueberry Eyes (feat. SUGA of BTS)」といった楽曲をバンドメンバーや自らがゲストパートを担当する形で披露。共にアメリカ三大都市ツアーを行うなど親交の深いAyumu Imazuが飛び入りし、一緒に「STUPID IN LOVE」を歌う場面もあった。これぞ「HEAD IN THE CLOUDS」の醍醐味だ。

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MAX ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

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MAX × Ayumu Imazu ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

88risingの顔的存在でもあるインドネシア出身のラッパーRich Brian。広いステージにたった一人で立ち、低音の効いたキレのあるラップをぶちまかしたと思ったら、MCでは楽し気に話しかけ、日本へのリスペクトを口にする。この日着用していたのは日本語が書かれたタンクトップ。「Till I see you again」というラインをオーディエンスに歌わせてから「Oh Well」へ。
ヘヴィでソリッドなラップから一転、スムーズな美声を聴かせた。サビではもちろん「Till I see you again」のシンガロングだ。代表曲「History」でご機嫌なグルーヴを充満させ、約6分半ある「Timezones」では息をも付かぬスピード感のラップで場内を掌握。自らベースやピアノを弾くといったマルチぶりも見せた。個人的には2019年にZepp Tokyoで開催された88rising以来の生でのRich Brianのライブだったが、さらなる貫禄と余裕を感じるステージングだった。

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Rich Brian ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

初日のヘッドライナーはBE:FIRST。国内アーティストが出演するフェスのトリを張るのはもはや珍しくはない、日本を代表するダンス&ボーカルグループだが、海外アーティストも出演するフェスのヘッドライナーは初めて。MANATOのアカペラから始まる「BF is...」でゆっくりと現れた6人。「GRIT」のSHUNTOとRYUHEIのダンスサイファーに歓声が飛ぶ。「Don't Wake Me Up」のイントロが流れる中、MANATOが「こんなグローバルなアーティストが集う二日間ってすごくない? 俺らにしか出せないパフォーマンスを楽しんでますか?」と問いかけると「YES!」の大歓声。「Sailing」が終わるとSOTAが思わず「楽しい‼」と叫んだ。SHUNTOが「タオル本気でぶん回してくれますか!? 手でも良いよ!」と言ってからの「Great Mistakes」。
息をのむようなストンプシーンを加えた「Milli-Billi」。MCタイムを一切挟まないノンストップの熱演だが、RYUHEIが「Blissful」のイントロで「準備運動終わったんでこれから体力見せつけてやる!」と言えば、SOTAが「一番楽しんだヤツが勝ちだぜ!」と重ねた。SHUNTOが満面の笑顔で「バカ楽しいじゃん! ヤバいじゃん! 歌えるなら一緒に歌って!」と歓喜を爆発させて「夢中」へ。新曲「BE:FIRST ALL DAY」までの全16曲。今この瞬間、世界で一番音楽を楽しんでるのは間違いなくBE:FIRSTであろうという確信が1秒ごとに高まっていった、歌い踊り続けた驚異の1時間。フェスのヘッドライナーとして無双していた。

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BE:FIRST ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

2日目・3月29日(日)

2日目のトップバッターはBBCが選ぶ「世界で最も影響力のある女性100人」にも選出されたタイのラッパー、MILLI。重厚なバンドサウンドにパワフルなラップを乗せてかましまくるが、MCではフレンドリーなトークを展開するというギャップがたまらない。日本語で「まだまだ行けるか!?」とシャウトした後、「BOY PABLO (Japanese ver.)」を披露し、日本のオーディエンスを引き込む。「Dance? or Dead?」という選択を迫った後はもちろん「DANCE or DEAD」。マイアミベースのトラックとアタック強めのラップでダンスフロアを作り出す。客席エリアに降り、「TOKYO!」と叫びながら笑顔で爆走。
ステージに戻り、ドラムスティックで力強くドラムを叩き、インパクトを与えた。

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MILLI ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

俳優としても活躍する韓国のシンガーソングライター、BIBIの初の日本でのライブ。ダンサーと共に表現力豊かな妖艶でシアトリカルなパフォーマンスを展開。日本語で「私はMILLIさんが大好きです。ちゃんみなさんも大好きです。HANAのことも良く見ています。ちゃんみなさんと何かご一緒したい」と出演アーティストへのラブコールも。インドネシアからやって来たという女性ファンをステージに上げ、椅子に座ってもらい、しっとりと歌いながらバックハグをしたり手にキスをする姿はまるで映画のワンシーンのよう。代表曲「悪い女」では力こぶを見せるような振りをまじえた挑発的なパフォーマンス。最後は客席に降り、笑顔でオーディエンスとハイタッチをしながら走り抜けた。

昨年初の日本武道館公演のチケットを即完させるなど、年々プレゼンスが増しているKvi Baba。「Luv Myself feat. AKLO & KEIJU」「Ms. U feat. Idom & SALU」といった代表曲を次々と披露。
「みんな僕のこと知らないでしょ?」と問いかけると「知ってる!」という声が多数上がった。「皆今日のことI Like Itになるように」ということで「I Like It」。友達のようなMCから流れるようにラップと歌を縦断するフロウが特徴的な楽曲に突入し、オーディエンスとの距離を近づけていった。「愛槌」や「Friends, Family & God (feat. G-k.i.d & KEIJU)」ではシンガロングが幕張メッセに鳴り響いた。

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Kvi Baba ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

韓国のヒップホップシーンやフェスカルチャーを牽引してきたJAY PARKと、彼がプロデュースするボーイズグループLNGSHOTのコラボステージ。先攻はLNGSHOT。「Backseat」のダンスブレイクにフロアから悲鳴が上がった。デビュー曲の「Moonwalkin'」の「Say my name say my name」というラインではシンガロングが聞こえた。今年1月にデビューしたばかりとは思えない安定した歌/ラップ/ダンスに目と耳を奪われる。日本語と韓国語で自己紹介。リュルが「初めて日本でライブができて嬉しい」とにこやかに伝えた。ウジンが次が最後の曲だと伝えるとあちこちから惜しむ声が上がる。ステージから火柱が上がる中、「Saucin'」の「Sauce be in my blood」という破壊力あるラップラインを何度も投下。日本語で「またね! ありがとうございます!」と言ってステージを後にした。

後攻はJAY PARK。「DNA Remix」「BLUE CHECK」と奥行きと凄みのあるラップを叩きつけ、アカペラで「All I Wanna Do」を歌い出すとシンガロングが巻き起こった。ダンサーと共に踊りながら、官能的な想いを美しい歌に乗せて届ける中、「JAPAN! SAY! JAYPARK! SAY! 愛してる!」とコール&レスポンス。一挙手一投足、オーディエンスの心をぐっと掴んで離さないのがさすがだ。「Keep It Sexy (MOMMAE 2)」で上裸になって踊るとフロアから絶叫が聞こえた。「この世界が滅びそうになっても」と初の日本語シングル曲「Whenever」の一節をアカペラで歌い始め、オーディエンスは「Call me whenever」と歌って応える。「The Purge」で再びLNGSHOTが登場。JAY PARKと一緒に強烈なラップでかましつつ、ウジンはフロアに降りてオーディエンスの近くに。スペシャルなセッションの最後を飾ったのはコラボ曲「Yeah! Yeah!」。世代を超えた破壊力抜群のラップの応酬が味わえた。

本格的なR&Bを日本に根付かせた先駆者のひとりであるAI。バンドとダンサーを携え、世界基準の歌とラップでオーディエンスを掌握。「ヤバいヤバいスペシャルゲストが来てくれてます!」と言って、トップバッターを飾ったMILLIを呼び込み、MILLIはこの日のためのヴァースをぶち込んだ。思わぬサプライズに湧くオーディエンス。AIが「こんなスペシャルなヴァースをやってくれたMILLIちゃんにデカい拍手を! ライブ見てたけど素晴らしかったね! あんなエネルギーとラブとパワーがあって」とリスペクトを露わにした。「ハピネス」では「君が笑えば この世界中にもっと もっと 幸せが広がる」という歌がみるみるうちに広がっていった。

「HEAD IN THE CLOUDS Music TOKYO」レポート BE:FIRST、ちゃんみな、HANAら躍動、国境を超えたコラボも実現

AI ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

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AI × MILLI ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse

「HEAD IN THE CLOUDS!」というドスの効いたシャウトと共にステージに現れた2日目のヘッドライナー、ちゃんみな。時代の代弁者となるきっかけを作った「美人」をいきなりドロップ。ダンサーに抱き抱えられての「WORK HARD」。デスボイスと共にステージから火柱が上がった「ダイキライ」と、初のアリーナツアーを終えたばかりの熱量を容赦なく放出していく。「好きなアーティストがたくさん出てました。AIちゃん大好き」と言って「ハピネス」の一節を歌い出したり、JAY PARKとコラボしたことに触れつつ、「BIBI、love you so much」と口にし、出演アーティストにリスペクトを贈った。エレキギターを持って、「音楽を3歳で始めたんだけど、お客さんの感じでパフォーマンスが変わるんです。今日はすごく素直に音楽ができそうです」と言って、「I'm Not OK」。衝動のままに音楽と戯れ、大きく息を吐いて、ステージに体育座り。「音楽を感じてめっちゃ幸せなんだけど。人生っていろいろあるけど、音楽は私にとって命綱。私のおうちに遊びに来たと思って次の曲を聞いてくれたら嬉しいです」と言って歌われたのは「Angel」だ。切なく伸びやかな歌がオーディエンスの心を解放させていく。「Never Grow Up」ではフロアに降りて、「みんないつもありがとう。私に出会ってくれて」と感謝を伝えた。アリーナツアーにも訪れたというファンと直接コミュニケーションをする一幕も。リスナーとちゃんみなは同志なのだということを改めて認識させた後、「NG」で世界中のNOを突き付けられた人々をすくい上げ、投げキッス。「また音楽で会おうね!」という言葉で記念すべきイベントの初年度は終演を迎えた。

二日間を通して、目当てのアーティストがいたとしても、国籍やジャンルを問わず、全てのアクトを楽しもうというピースな雰囲気が充満していた。ステージ上では日本語、英語、韓国語、インドネシア語、タイ語と、さまざまな言語が飛び交ったが音楽があれば繋がることができるのだ。今回は初回ということもあり、音楽に特化した印象だったが、そもそも「HEAD IN THE CLOUDS」は音楽を中心にアートやファッションなども内包したイベントだけに、ここ日本でも多角的な形での広がりを期待したい。

「HEAD IN THE CLOUDS Music TOKYO」レポート BE:FIRST、ちゃんみな、HANAら躍動、国境を超えたコラボも実現


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「HEAD IN THE CLOUDS Music TOKYO」レポート BE:FIRST、ちゃんみな、HANAら躍動、国境を超えたコラボも実現

ちゃんみな ©HITC Tokyo 2026 All Copyrights Reserved. Photo by Masanori Naruse
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