なぜ今、スペイン語で歌うバッド・バニーに世界は熱狂するのか。なぜアジア初の舞台として東京が選ばれたのか。彼の活躍から日本の音楽市場が学ぶべきヒントとは何なのか。そして、グローバルな視点から見た日本の音楽シーンの現在地とは──ライブ当日のお昼前、Spotifyの音楽パートナーシップ&オーディエンス グローバル統括のジョー・ハドリーさん、スポティファイジャパン株式会社 音楽事業部門 統括の大西響太さんに話を伺った。
ジョー・ハドリーさん(Photo by Kazushi Toyota)
大西響太さん(Photo by Kazushi Toyota)
「Billions Club Live」とは?
―「Billions Club Live」はどういう経緯で始まったのでしょうか?
ジョー:まずはプレイリストの「Billions Club」が出発点となり、それから映像シリーズの映像シリーズ「Billions Club: The Series」、そしてイベントシリーズの「Billions Club Live」を立ち上げ、ここ数年の間に進化を遂げてきました。
もともと「Billions Club」は、Spotifyのプラットフォーム上で10億再生に到達した、ごく限られたアーティストを称えるために始めたものです。そこからアーティストに記念盾を贈るようになると、それがちょっとしたバズをもたらすようになったんです。記念盾にパスタを盛り付けて食べたり、ペットのご飯皿に使ったりする写真が投稿されるなど、名誉ある受賞をユニークに祝う瞬間になっていきました。
そこから、複数曲が10億再生に到達したアーティストのために「Billions Club: The Series」を設けました。今回出演するバッド・バニーとも5~7分ほどのショートコンテンツを制作しましたし、ビリー・アイリッシュとも取り組みました。
そして、最新の進化形態が、2024年後半にザ・ウィークエンドと共にローンチした「Billions Club Live」です。10億再生を突破した25曲を祝福するため、彼のトップリスナー2000人を(ロサンゼルスの会場に)招待しました。これが今までの経緯です。今回、バッド・バニーと東京で開催できるのをとても楽しみにしています。
日本語詞を含む楽曲「Yonaguni」の「Billions Club」記念盾を手に取るバッド・バニー
―「出演アーティストのSpotifyトップリスナーを、リアル空間でのコンサートに招待する」というコンセプトにも多くの反響が集まっています。これにはどういう意図が?
ジョー:大好きなアーティストとファンがリアルな空間で繋がることを、我々は非常に重要視しています。長年、多くの人々に利用されているプラットフォームとして、Spotifyはファンが直接アーティストと繋がるための「カルチャーのハブ」であり続けていると自負しています。ですから、Spotifyがさらに進化を遂げ、ファンの皆さんのサポートによってアーティストが達成できた大きな成果を、ファンを招いて共にお祝いすることは、我々にとっても戦略的に極めて重要だと考えています。
―日本側としては、今回バッド・バニーを東京で迎えることの反響をどう見ていますか?
大西:やはり非常に熱心なファンの方々がいち早く反応してくださって、そこから大きな盛り上がりが生まれたという印象です。期待値もものすごく高いですし。
というのも、今回の招待枠は我々が告知してから集まった人たちではなく、もともと「トップ・リスナー」だった方々ですよね。つまり、彼らはすでに自分たちでアーティストの魅力を見つけ出しているんです。
―Billions Club Liveはこれまで、ダブリンでエド・シーラン、パリでマイリー・サイラス、ロサンゼルスでザ・ウィークエンドが出演。ファンの反応やイベント後のデータへの影響など、過去回の手応えを聞かせてください。
ジョー:まさに、アーティストとファンの双方にとって「最高のお祝い」のようなイベントでした。先ほども触れたように、ファンの皆さんの熱心な応援があったからこそ、アーティストの10億再生という偉業が実現したわけですから。マーケットプレイスにおけるトップ・ファンにしっかりと報いることができる。それはSpotify、アーティスト、そしてユーザーにとって、あるべき理想の姿を実現できたと感じる瞬間でもありました。
データ的な側面で見ても、あらゆる形のライブ・エンゲージメントの後は、プラットフォーム上での数字も確実に伸びる傾向にあります。また、ザ・ウィークエンドの回ではSpotify上で初めて映像配信も行いました。こうした新しい試みを通じて、多くの学びや興味深い展開を得ることができています。
―過去の「Billions Club Live」の模様は、コンサート・フィルムとしてSpotify上で独占公開されています。
ジョー:みなさんが何らかの形で楽しめる方法を模索しています。
―詳細はまだ言えません、ということですか?
ジョー:その通りです(笑)。
大西:乞うご期待ですね。
*
取材時点で詳細は明かされなかったが、バッド・バニー東京公演の模様を収めた「Billions Club Live with Bad Bunny: A Concert Film」が4月8日深夜に公開された。
長年のクリエイティブパートナーであるStillzが監督・フォトグラファーを務めた本作では、「Tití Me Preguntó」「Yonaguni」「NUEVAYoL」をはじめとする代表曲8曲のパフォーマンスに加え、「MIA」のサルサアレンジ披露など初公開の演出も収録。さらに、Bad Bunny自身がキャリアやファンとのつながりについて語る独占インタビューも含んだ、全42分の見応えのある内容。モバイルおよびTVで多言語字幕に対応しており、視聴時に字幕を表示して楽しむことができる。
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バッド・バニーを東京に迎えた真意
―今回、出演者としてバッド・バニーを選出した経緯や意図を教えてください。なぜ今、東京で彼のステージを見せる必要があったのでしょうか?
ジョー:では、質問の後半部分からお答えしましょう。なぜ今、東京が重要なのか。それは日本が単なる文化の輸入国ではなく、特に「輸出」の面において、長年グローバルなカルチャー・ハブとしての役割を果たしてきたからです。アニメはもちろん、現代ではシティポップや「Gacha Pop」といった多様なムーブメントが生まれており、Spotifyにとっても極めて重要なマーケットです。
それに加えて、日本はバッド・バニーがまだ足を踏み入れたことのない場所でした。彼はSpotify史上初、かつ唯一となる〈世界で最も再生されたアーティスト〉に計4回輝いた存在として君臨しています。そんな世界一のアイコンを、今、世界で最も文化的価値が高く、影響力のあるマーケットと結びつける。その舞台として、日本こそが最も相応しい場所だと考えたのです。
大西:バッド・バニーにとって、アジア初の舞台が今夜の東京なんです。ストリーミングによって世界の音楽シーンは今、フラット化が進んでいます。そのフラットな環境下で生まれる文化交流、エクスチェンジにおいて、彼のようなアーティストを熱狂的に受け入れるファンが日本にしっかりと存在している。その事実を形にすることには大きな意味があります。
今回の開催を一つの大きな成功事例とすることで、逆に日本のアーティストが外へ出ていく流れも加速させたいと考えています。YOASOBIやAdo、米津玄師や藤井 風といったアーティストがすでに世界で結果を出していますが、こうした事例がさらに増えていくための大きなきっかけを作りたい。我々としても、その文化交流をサポートできる体制をしっかり整えていきたいと思っています。
―大西さんは一人のリスナーとして、バッド・バニーが日本に来ると知ったときどう思いましたか?
大西:純粋に圧倒されました。
Photo by Hanna Lassen/Getty Images for Spotify
―バッド・バニーがこれほどまでに世界中を席巻している要因を、Spotifyとしてはどのように分析していますか?
ジョー:彼の成功は、非英語圏の楽曲がいかにグローバルな広がりを見せているか、そしてストリーミングがいかにそのための強力なプラットフォームとして機能しているかを象徴しています。
新曲をリリースするたびに数字が伸びるのはもちろんとして、彼は単にストリーミングの中だけで完結している存在ではなく、実世界でのワールドツアーや活動を含めた「ムーブメント」として機能しています。我々のプラットフォーム上での爆発的な支持と、実社会での彼の動きが分かちがたく結びついている。だからこそ、5度目のグローバル・トップ・アーティスト選出も十分にあり得ると考えています。
―グラミー賞やスーパーボウルハーフタイムショーを通じて、日本でもバッド・バニーへの注目が高まっていますが、海外での知名度に比べると、まだ日本では馴染みが薄い存在でもあります。彼のアーティストとしての魅力はどんなところにあると思いますか?
ジョー:魅力の捉え方は人それぞれだと思いますが、個人的には彼のファッション性、音楽、そして制作における圧倒的な柔軟性に惹かれます。彼は非常に多面的なアーティストなので、どの要素が響くかは国や文化によっても異なるでしょう。だからこそ、4度の世界一ストリーミング・アーティストという、唯一無二の地位を築けたのだと思います。
大西:私もジョーと同意見で、楽曲はもちろんとして、やはり「アイコン」としての立ち居振る舞いに惹かれます。
―ラテンポップは日本だと馴染みの薄いジャンルでしたが、今回の来日を機に大きな風が吹いている気がします。
大西:そうですね。より多くの人々にその魅力を伝えるための「大使」が、最高の形でやってきてくれた。そんな感じがします。
Photo by @badboi
―バッド・バニーは数多くの楽曲がBillions Club入りを果たしているわけですが、そのなかでお二人がお気に入りの曲を選ぶとしたら?
ジョー:(笑)では、2曲お答えしましょう。まず、今のベストは「DtMF」です。素晴らしい曲が多いのでお気に入りはよく変わりますが、今はこれが一番ですね。そして、もう一つはBillions Clubにはまだ入ってませんが、2作前のアルバム『Un Verano Sin Ti』に収録されている「Después de la Playa」。これまでの彼の楽曲の中で、これが一番好きかもしれません。
大西:私はアルバムの1曲目「NUEVAYoL」ですね。この曲には、彼自身の文化に対するプライドのようなものが色濃く表現されていますし、純粋にオープニングトラックとして最高に格好いい。大ヒット曲としての華やかさと、音楽的な格好良さが絶妙なバランスで連動しているのがすごいなと。今の時代、アルバムを1枚通して聴くという体験は、かつてとはパーセプション(捉え方)が変わってきているかもしれませんが、そうした「アルバムを楽しむ」という文脈においても、1曲目にこの曲を持ってきているセンスに痺れます。
バッド・バニーの世界的成功から日本が学ぶべきこと
―ラテンポップ全体においても、昨年のSpotify年間まとめ〈世界で最も再生されたアーティスト〉の上位30組に、Fuerza Regida、ラウ・アレハンドロ、Peso Pluma、KAROL Gなどがランクインしています。ここ数年におけるラテン音楽のグローバル規模での存在感についてはどう見ていますか?
ジョー:おっしゃる通り、複数のジャンルをまたいで多くのラテン系アーティストがトップ30にランクインしています。これは、現象が特定のスタイルに限定されず、非常に広範に起きていることを示しています。
なかでも今、急激に勢いを増している特定のジャンル、あるいはプラットフォーム上で顕著な成長を見せているものとして、レゲトンはもちろん、Urbano Latino(ウルバノ・ラティーノ:ヒップホップ、レゲトン、トラップ、ダンスホールなどが融合したアーバン系のラテン音楽)やMúsica Mexicana(ムジカ・メヒカーナ:メキシコの伝統音楽と現代的なポップミュージックが融合したスタイル)が挙げられます。単にラテン系アーティストが注目されているだけでなく、ラテン音楽というカテゴリー自体が多角的にグローバルな成長を遂げている。我々はそのダイナミックな進化にワクワクしています。
―スペイン語で活動するバッド・バニーもそうですし、たとえばK-POPが世界的成功を収めるうえでも、ストリーミングサービスの存在は大きな支えになったと認識しています。非英語圏アーティストが世界で成功する上で、Spotifyのエコシステムはどんな役割を果たしてきたといえそうでしょうか?
ジョー:いい質問ですね。現在、世界180以上のマーケットで7億5,100万人を超える月間アクティブユーザーが我々のプラットフォームを利用しています。そこで明らかになってきたのは、「世界で成功を収めるために、英語はもはや必須ではない」ということです。
その流れを力強く後押ししているのが、世界中にいる我々の優れたエディター陣です。彼らは様々なマーケットや地域の音楽をキュレートし、かつては届かなかった場所へ、その魅力を届ける役割を担っています。
また、優れたパーソナライズ機能やアルゴリズムを通じて、ユーザーがまだ出会ったことのない新しい音楽を提供しています。さらに、数年前にローンチした「Blend」や「Jam」といった機能によって、今までにないスピードで音楽をシェアすることが可能になりました。この進化を目の当たりにできるのは、実に興奮させられます。
大西:日本でも、エディトリアルの面でさまざまな試みを行っています。アニメのプレイリスト「Anime Now」や「Gacha Pop」といった切り口を通じて、新しい音楽を発見してもらう「ディスカバリー」の動きを加速させています。
こうした試みは、日本のアーティストが世界へ羽ばたく大きなきっかけになると確信しています。グローバルな音楽シーンの潮流と、日本国内でのサポートをいかに結びつけ、アーティストの海外展開をさらに促進していけるか。そこを常に意識しながら、開発やサポート体制の強化に取り組んでいます。先ほどジョーが言ったように、パーソナライゼーションやデータと紐付け、アルゴリズムによって新たな発見へと繋げていく。そのサイクルを日本でもいかに大きく回していけるかを常に考えています。
―つまり、現代の音楽シーンにおいて、もはや「言語」はヒットの障壁ではなくなっていると言えるのでしょうか?
ジョー:障壁ではないですね、そう断言できます。
大西:実際にグローバルヒットが続出していますからね。
ジョー:私が気に入っている統計の一つに、「2025年には、16の言語の楽曲がSpotifyのグローバルトップ 50にランクインし、5年前と比べて2倍以上に増えている」というデータがあります。あらゆる成長のステージにおいて、かつての壁が崩されているのがわかりますよね。先ほどラテンミュージックやK-POPについて触れましたが、今まさにJ-POPについても同じことが言えます。今後も英語以外の言語によるグローバルヒットは続きますし、それは音楽界にとって非常にエキサイティングな傾向です。
大西:実際、たとえばAdoは、再生数のかなりの割合を日本国外が占めているというデータがあります。そういったポテンシャルを持つアーティストが、日本からもどんどん出てくるはずです。これまで、言語の問題はずっと「超えられない壁」だと言われ続けてきましたよね。でも、そのパーセプション(認識)が日本国内でも変わっていくといいなと常々思っています。
―今回の「Billions Club Live」が東京で開催されることになったのは、きっと今のお話とも関連しているのでしょうね。
ジョー:日本は、世界の音楽エコシステムにおいて端にいる存在ではなく、今や「ド真ん中」にいると私は考えています。だからこそ、バッド・バニーを東京に招き、スペイン語の音楽とこの市場、そして我々が提供する「国境を越えた広がり」を共に祝うことが重要だったのです。
大西:グローバルな視点で見ても、日本の持つポテンシャルに改めてスポットライトを当てたいという考えがあるのだと思います。その期待の大きさは、我々にもしっかりと伝わっています。
ジョー:今夜は世界各地からSpotifyの幹部たちも参加します。それは、バッド・バニーへの期待はもちろん、音楽がいかに国境を越えて広がっているか、そして我々にとって日本がいかに重要なマーケットであるかの現れでもあります。みんな、ここ日本に来られたことを心から喜んでいますよ。
Photo by Kazushi Toyota
―ジョーさんは、スポティファイジャパンの成長をどのようにご覧になっていますか?
ジョー:ここ数年、大幅な成長を遂げているように思います。また昨年は、『MUSIC AWARDS JAPAN(以下、MAJ)』との素晴らしいパートナーシップも築くことができました。今後も多くのインターナショナルなアーティストを日本へ積極的に紹介していくつもりですし、同時に日本の音楽を世界へ届ける「エクスポート(輸出)」のサポートも、変わらず継続していきます。
―ジョーさんは昨年、『MAJ』授賞式を京都でご覧になったと思います。どのような感想を抱きましたか?
ジョー:昨年訪れた場所の中でも、京都は最高でした。仲間たちと京都や東京を訪れ、深く感激しました。私なりに日本の文化にはこれまでも触れてきたつもりで、期待値はかなり高かったんです。それでも実際のパフォーマンスの数々や、会場を包む熱気は、その期待を遥かに上回る素晴らしいものでした。
ースポティファイジャパンは『MAJ』に深くコミットしていますが、大西さんは2回目の開催に向けてどのようなことをお考えでしょうか。
大西:非常に楽しみですし、期待も大きいです。去年から、業界全体が一丸となってこのアワードを盛り上げようとする空気というか、凄まじいエネルギーを感じています。Spotifyはグローバル企業ですが、日本の音楽シーンの拡大と成長に深く貢献できることは、我々にとっても大きな意義があります。
単なるスポンサーとして関わるのではなく、ファンによるボーティング(投票)機能などを通じて、アワードの中に入り込み、ポジティブな影響を与えられること。そして、ストリーミングのリアルな数字を世界に向けて示していけること。リスナーが直接アワードにコミットできる仕組みを含め、こうした関わり方がさらなる発展に繋がればと思っています。
―実際のところ、日本の音楽は現在どれくらい海外で聴かれており、どんな成長傾向があると言えそうでしょうか。
大西:日本市場全体で見ると、前年比20%以上の成長を数年間続けており、確実に右肩上がりです。先ほどお伝えしたAdo、米津玄師、藤井 風に加えて、Creepy Nuts、XG、LiSA……挙げ出すと止まらなくなりますが(笑)、海外での活躍がしっかりとストリーミングの数字として反映されているアーティストが目に見えて増えているのは嬉しいですね。この波は今後、さらに加速していくと確信しています。
ジョー:2024年の統計で、私が非常に注目しているデータがあります。それは、「日本のアーティストがSpotifyから得た収益の約50%が、日本国外から発生している」という点です。さらに驚くべきは、その海外収益のうち75%が「日本語の楽曲」によるものだったことです。
つまり、日本の音楽はただ世界へ広がっているだけでなく、翻訳や現地化を必要としない「オリジナルの言語」のままで、グローバルな価値を認められている。これは本当に素晴らしいことだと思います。
―バッド・バニーがスペイン語を貫いて世界を制したように、日本のアーティストも日本語のままで同様の成功を収めることは可能だと思いますか?
ジョー:もちろん可能だと信じていますし、それを後押しするために、私たちはここにいるわけです。すでに日本のアーティストの海外での活躍は目覚ましいものがあります。今年のコーチェラ・フェスティバルにも日本から複数のアーティスト(藤井 風、Creepy Nuts、¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U)が参加しますし、世界中の主要なフェスでその姿を見かけるようになりました。グローバルな音楽シーンにおいて、日本のアーティストが入り込むべきスペースは間違いなく存在します。そして、まさに「今」がその絶好のタイミングなのです。
―今後、日本の音楽市場が国際レベルで成長していくうえで、外からの視点でアドバイスがあれば教えてください。
ジョー:成功するための条件はすでにすべて揃っています。もっと言えば、かなり前から揃っていたのです。大切なのは、自分たちのルーツや地域性を大切にしながら、すでにリリースされている素晴らしい楽曲群をベースに、戦略的に国外マーケットへアプローチしていくことです。
その際、我々が提供するデータは大きな武器になります。「Spotify for Artists」を活用すれば、自分の音楽がどの国で、どの層に響いているのかをリアルタイムで把握できます。成長の兆しが見えるマーケットを一つひとつ丁寧に、かつ大胆に開拓していくこと。その積み重ねがグローバルな成功へと繋がります。
大西:ジョーが言うようなデータやサポート体制を活かすと同時に、やはり日本が一丸となって動くことが不可欠だと感じています。アーティスト自身、レーベル、事務所、そして我々プラットフォームが、一つの強い意志を持って世界に挑む必要がある。
その大きな流れの始まりとして、まさに『MAJ』のような取り組みが生まれています。業界全体が手を取り合い、共に歩んでいくことが何より重要です。そうした本気の姿勢は必ずファンにも伝わりますし、何よりアーティストが世界をフラットに見渡せるような「土壌」を、我々大人の側がしっかりと作ってあげたい。そこが一番の鍵になると思っています。


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