映画の邦題にはガッカリすることもあるが、『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷちの北欧メタル!』って邦題、いい! 『HEAVY TRIP』を片仮名にしてダサいサブタイトルを付けて、コレがピッタリ! 本当に常に崖っぷちなのだ。
メタルが盛んな国、フィンランドとノルウェーの合作である本作。
そんな生活の中で遂に一曲のオリジナル曲が誕生。コレが傑作。たまたま出会ったノルウェーの巨大メタルフェスのプロデューサーにその曲のテープを渡し、フェス参加が決定! ……かどうかは映画を観てほしいのだが、夢が近づいてきた時のイキイキとした4人。気づけば村の人々も4人を応援している。
小さな村から飛び出し、ポンコツ車でノルウェーの巨大メタルフェスの会場へと旅立つ4人。進む道には高い山、果てしない海と空。北欧の大自然。そこで出会う人々。
音楽映画でありロードムービーであり青春映画。そして、何もない田舎で夢を持つこと、持ち続けることの厳しさと素晴らしさというシリアスなテーマを実は内包しつつ、徹底的に、堂々とした、抱腹絶倒、爆笑のコメディ映画。
監督のユーソ・ラーティオ、ユッカ・ヴィドゥグレンは本作品が初の長編映画。音楽担当はフィンランドを代表するヘヴィメタル・バンド、ストラトヴァリウスのラウリ・ボラー。
巨大メタルフェスを目指すと決めたら、夢を目指すと決めたら、前だけを見て進むのだ!(text:遠藤妙子)