クラファンの目標額が早々に達成した要因
──最新アルバム『ALICE』のリリースに向けて、クラウドファンディングをされたきっかけからお訊きしてもよろしいでしょうか。
田中紘治(以下、田中):実は、サウンドプロデューサーのタニヤマヒロアキ(以下、タニヤマ)から紹介をいただいて。ミシェルは今、お客さんの雰囲気も凄くいいし、いい結果が出るんじゃないかなと。
──メンバーの皆さんはクラファンをすると聞いて、どう思いましたか。目標金額も300万円と、かなり強気の設定でした。
ミミミユ:クラファンって「お金を集める」ことなので。そんなにいっぱい集まるのかな?って不思議でした。
レーレ:私もまさかこんなにたくさんの金額が集まるとは思ってませんでした。目標の300万円ですら、「そんなに大丈夫かな!?」って。でも、開始から3、4時間で目標金額に達して。お客さんと一緒に盛り上げて作っていけることってなかなかないと思うので、凄く嬉しかったです。
田中:なんで300万を目標にしたかって言うと、多少ハードルを感じつつも、1日でクリアできるかもしれないラインを考えに考えての金額だったんです。今のミシェルについてくださっているお客さんのムードを考えたら、100万円だと多分当たり前すぎていて。目標を達成して話題を作ろうという盛り上がりがこの記録になりました。12,033,000円はアイドルのクラファンの中では歴代1位かもしれなくて。
ユブネ:とっても嬉しいです!
──どうしてここまで成功されたと思いますか。
田中:要素はいくつかあったと思います。手前味噌ですが、楽曲はAqbiRec(ミシェルが所属する事務所)でタニヤマさんが作るからこそ絶対に裏切らせないという担保があったんだと思います。その楽曲をもっと広めたいと思った層がいてくれたこと。あとは、推しているメンバーだけでなく、グループ全員を幸せにしたいという気持ちをいただいたのかなと。今のミシェルは、何よりメンバー間のムード、簡単に言うと仲の良さが魅力になっていると思うので。
──クラファンをやって気がついたことなどはありましたか。
田中:クラファンってグループとお客さんが一緒に盛り上がれると、凄くポジティブなニュースとして外に広がっていくんですよね。それに、安心して作品を作っていけるというのも大きかったです。いくら回収できるか分からないから、これくらいのプロモーションに抑えておこう、というのがない。これだけお客さんが期待をしてくれているからこそ、何の迷いもなく進めたのは凄く大きかったですね。
──メンバー自身ではここまで大きくなっているという実感は湧いていますか。
ミミミユ:実感が湧いてきたのは、最近ここ数カ月とかです。クラファンでお金を集められたこととか、たくさんの方がレイヴに来てくれたりとか。
紆余曲折を経て今日に至るミシェルの歩み
──ここからは、ミシェルのこれまでを振り返っていければと思います。2018年7月にミミミユさん以外のメンバーが全員脱退することになって、それでも1人で活動を続ける決断をされました。あの時はどんなスタートでしたか。
ミミミユ:1人になった時に、オーディションをしてブラジルちゃんが入ることになって2人になったんですけど。本当は、もっとメンバーが集まると思っていたので、いいスタートを切れてはいませんでした。
ブラジル:もともと7人でやっていたことを2人でやることになって。パフォーマンスもそうだし、責任感というか精神的にも大変でした。
──期待を背負っている分ということでしょうか。
ブラジル:いや、むしろ期待されていなくて。受け入れられていないなってずっと思っていて。前のほうが良かったなって思われながら続けていたことが、正直しんどかったです。
──そんな状況から始まり、2019年2月にようやく新メンバーが加入することになりました。タマネさんとユブネさんですね。お2人は、どうしてミシェルに応募されたのでしょうか。
ユブネ:前にアイドル活動していたんですけど、やっぱりステージに立つことをお仕事にしたいなと思って。アイドルのオーディションを検索した時に、年齢解除のTweetを見て。もともと王道のアイドルではないグループに入りたいというのもあって、ちょうど条件が合致した感じでした。
田中:最初は20歳までの制限を設けていたんですけど、ピンとくる人が少なくて、途中で解除したんです。
──当時の2人での活動のことは知っていましたか。
ユブネ:そんなに詳しくは知らなかったんですけど。2人のパフォーマンスを観た時に、その世界観を好きになって。だから最初は、カリスマ性のある2人だからこそ作れる世界観を、凡人の自分が入って、壊しちゃうんじゃないかっていう不安はありました。天性のダークな魅力というか。
──実際に入ってみて、その印象は変わりました?
ユブネ:いや、わりと変わらずでした。天性のカリスマ!(笑)
ブラジル:笑いすぎ!
──期待も不安もあったんですね。タマネさんはどうでしょう?
タマネ:私は、オーディションを受ける前に、完全にダメになっちゃっていた時があって。それは周りの環境とかではなくて、消えたいというか。本当に。でも、このままだと受験もあるし、ダメだと思って。絶対に変えなきゃいけないなって。唯一自分が持っているものが、ダンスしかなくて。ヒップホップも週に2回レッスンに行っていたので、楽しいには楽しいけど、このままも違うかもしれないなと。その時に見たのがアイドルのオーディションで。
──2019年3月にミソニー(同年5月に活動休止中)、ユブネ、シャイシャイコ(同年7月に脱退)、タマネ、全員で4人の新メンバーが加入してミシェルはどう変わりましたか。
ミミミユ:グループとしては、大人数のほうがやっていて楽しかったんですけど、経験がない子が多くて、教えるのに苦労しました。練習もそうだけど、遅刻してくるとか、そういうのが大変で。まず、やる気を感じられなかったというか。頑張ってくれてはいたけど、足りなくて。いちいち注意するのも、注意が苦手だから。いや、苦手ではない。苦手ではないけど、そういう行為が好きじゃないので大変でした。
ブラジル:どうしたらみんながやる気を出してまとまってくれるのかなって、ずっと悩み続けていて。


互いが全部出し切る話し合いで良い流れに
──そこではどういうことを話し合われたのでしょうか。
田中:メンバーに対する怒りとか不満とかって、だいたいは理解不足だったり、勘違いだったり、すれ違いだったり。怒っているほうが100%正しいってわけではないので、まず理解し合うために、そこでとにかく全部出し切ろうという日が2回あったんですよ。みんなはけっこうしんどかったのかな?
レーレ:ああいう話し合いって凄く大切だなと思ったし、あれを機にメンバーにもっと言えるようになったというか。今まで言えないけど思っていたことをちゃんと言葉にして伝えるようになりました。
ユブネ:パワーバランスも平均化されたというか。確実にそれからいい流れができましたね。
──その時期に、経験値の高いレーレさんが加入したというのは大きかったんじゃないかなと思います。レーレさんはどうしてミシェルに入ろうと思ったんですか。
レーレ:一番は、THERE THERE THERESがいきなり終わってしまって、アイドル活動を全部やりきったぞと思えなくて。やりたいこととか夢がまだまだたくさんあって、叶えられていなかったので。アイドル活動は今しかできないし、悔いのないようにと。もともとミシェルちゃんの曲は凄く好きだったというのもあって、次こそはっていう気持ちで決めました。
──レーレさんが加入して、メンバーの雰囲気に変化はありましたか。
ミミミユ:レーレちゃんが入ったことにより、これからこうしようっていうグループの話がいっぱいできるようになりました。
レーレ:レッスン会場の近くにコンビニのイートインスペースがあって。そこで集まって、レッスン後に、どうしよう、どうしたらいいんだって話していました。それぞれグループに対するモチベーションだったり、振りの覚え方だったりは違うじゃないですか。あの子はどう教えたらいいんだろうとか、どう言ったら変わってくれるだろうとか、いろいろと話し合いました。
──2019年の3月にはミミミユさんが一度リーダーを解任になったこともありましたね。
ミミミユ:メンバーのまとまりというか雰囲気が良くなくて、それぞれ挨拶もちゃんとできなかった。それは私の責任だったので、解任になりました。
田中:新しく入ってきた子たちが、こんなもんでいいんだと思っちゃう状況だったと。リーダーはこうしたいと思っているから、周りのメンバーもみんなで支えていこうと思えるのがリーダーだと思うので。ミミミユ1人のせいで解任というわけではなくて、その時のグループの雰囲気を見て解任にしました。
──それは、田中さんの中で大きな決断だったのではないでしょうか。
田中:その時は、このままだったら秋あたりで終わらせていいとさえ思っていました。それはメンバーにも伝えていて。ミシェルって2017年にデビューして、その時から応援してくれている人がいて。お客さんだけじゃなくて、関係者の方々も。『ギュウ農フェス』でトリをいただいたりとか、いろいろなアイドルイベントでいい出順をいただいたり。そういう時に、再始動してここから私たち頑張っていくぞってムードがないと、本当にどうしようもないものをたくさんの人に見せることになってしまう。そうなるくらいだったら本当に終わらせようと思っていました。なので、ここまで全員がグループのことが大好きで、メンバーのことが大好きで、それがお客さんに伝わって、曲の話題性とかではなくて、メンバー自身の魅力や繋がりで広がっていくってところまでは想像していませんでしたね。


初のMV撮影以降に固まったグループの結束
──グループとして立ち直ることができたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか?
ユブネ:初めてMVを撮った後に確実に変わりました。「69」のMVの撮影中に、シャイシャイコが脱退になってしまって。私にとっては、メンバーの脱退が初だったので。そこで、新しく入ったメンバーだからとかではなくて、グループに所属している1人1人の重要性を改めて認識して。その後MVが出て、夏の大きなイベントに向けて一緒に過ごす期間が濃くなっていって。レイヴの回数も増えて、自然にグループとして固まったというか。そこが確実に今のミシェルの始まりでしたね。そこにさらにナーナナラが加入して、今の形になりました。
──ナーナナラさんがミシェルに入ろうと思ったきっかけは?
ナーナナラ:小学校の頃からアイドルが好きで、いつか自分もアイドルになりたいと思ったんですけど、踏み出せずに時間が経って、気づいたら高校3年生の6月になっていて。何かを始めるなら今しかないと。それまでオーディションも受けたことがなくて、でもミシェルのことは知っていたんですよ。普通にミーちゃんとブーちゃんの2人の時に、お客さんとして観に行っていて、リリースイベントでもCDを買って並んで握手もしていて。次に自分が好きなグループのオーディションが開催されたら受けようって決めた次の日に、ミシェルのオーディションのTweetが流れてきたんですよ。「これは運命だ!」って(笑)。
──そのタイミングは、奇跡に近いですね。
ナーナナラ:初めて自分の意思でオーディションを受けたので、受かるとは思っていなかったんですよ。経歴もなくて、ダンスをやっていたわけでもないし、歌も好きだったけど全然自信はなくて。でも、田中さんがTwitterでどんなに経歴が良くてもかわいくても真剣に取り組まない子は全員はじいたって言っていて。真剣さに関しては、負けないかもと思ったんです。とにかく真剣に頑張れますってことをアピールしていたので。
田中:ナラは、オーディションの1人目だったんですよ。ミミミユもどんな子が入るか見定めたいっていうのがあったので、僕とミミミユで面接をしていて。かなり応募総数が多くて、その中の何十人と面接したんですけど、その1人目で、そのままずっと勝ち逃げした感じなんです。
ミミミユ:本当に良くて。どこにも渡したくなくて。
一同:(笑)
ユブネ:オーディションから帰ってきて「どうだった?」って訊いたら「決まりの子いたわ」って。それがナラでした。スタッフさんも絶賛していて。
田中:あの時、グループとして固まりつつあった時期だったので、最後の新メンバーの人選を間違えたら、また崩れるかもしれないというのがあって。だけど、入ったのがナラで、みんなの中で大きな安心要素になりましたね。
ミミミユ:今まで習ったことがないのにダンスを覚えるのが一番早いし、凄く真面目なんですよ。
ナーナナラ:でも正直、外から見ていて、このメンバーが完成しているミシェルに見えていたので。ここに私が入ってそのバランスが壊れないかなとか、マイナスに動いたらどうしようとか、足を引っ張ったらどうしようとか、レッスンに行く前はめちゃくちゃ緊張していて。なので、動画だけは人一倍見ておこうとかはしていました。
──憧れのミシェルに入って、率直に今の気持ちは?
ナーナナラ:本当にミシェルに入って良かったなって思ってます。普段わりとマイペースにのんびりと生活しているので、ここまで何かに夢中になれたことがなくて。こんなに必死に打ち込めることって凄く幸せです。最初はどう接していいか思ってたんですけど、私自身がけっこう喋るし、明るい人なので、自分からも話せていけたかなと。まだ今日(1月19日)で、お披露目からちょうど4カ月なんですけどね。
メンバー:まだ4カ月!?
ナーナナラ:まだ半年も経っていないんですよ! みんなももっと一緒にいたみたいって言ってくれているし、自分ももっと一緒にいたみたいだなって気持ちになっちゃうくらい、家族みたいな関係です(笑)。
レーレ:ナーナナラが入ってから、さらに急スピードで良くなっていったなと思うんです。6人のツアーで、ミシェルに注目してくださった方も多いと思うし。ナーナナラは場の空気を明るくしてくれて、それもグループの強みになりました。新メンバーがナーナナラで本当に良かったなと思っています。


お客さんの期待をさらに裏切りたい
──ここからは2020年のことについて聞いていければと思います。まずはクラファンを経て、新アルバム『ALICE』はどんな作品になりそうですか。
田中:作家陣と詰めているのは、アリスという女の子が好奇心とか妄想とかイマジネーションから得た刺激を、音から感じられるような作品にしたいというところで。スマートにかっこいいトランスだけではなくて、もっと皮肉に満ちているというか。原作は当時流行っていた童謡とか言い回しをあえて皮肉にすり替えた言葉遊びがたくさん詰まった、ある意味下品な世界で。音からそれを感じられるように、とにかく捻くれまくって、でも全体を通して聴いてみると凄く美しいものにできればと思っています。なので、今までよりも実験していると思います。アリスが大きくなったり小さくなったり別世界に行ったりするように、音楽もそれだけとんでもないところに行ったり混乱の中でゴールに向かっていけるのか。今までで一番満足のいくアルバムになるんじゃないかと期待しています。
──クラファンがあって、お客さん側の期待値も可視化した上での作品作りというところで、意識されたものはありましたか。
田中:めちゃくちゃあります! 毎回毎回こうやってお客さんを裏切っていこうとか、この展開の中にこれが入ってきたらびっくりするよねとかを話し合って作ってはいるんですけど。今回は、さらにとんでもない経験をしたい方々が支援してくださったんだと考えていました。だからこそ、とんでもない経験をしたい方々がミシェルに支援してくださったということなんだと、そういうふうに思っています。お客さんはこういう曲を欲しているんだろう、で進んでいるんじゃなくて、その期待をさらに裏切りたい。
──新曲を提げた3月から始まるツアー『SIX ALICE REMIXED TOUR』の意気込みも伺えればと思います。
ミミミユ:ツアーとかアルバムでいろいろな人にもっと知ってほしいです。クラファンとかあらゆる期待を感じるから、それを超えるようなパフォーマンスで応えていきたい。あとは、もっとグループを大きくしていきたいです。なので、ツアーを観た人はいっぱい広めてほしいですね。新曲が10曲も増えるので、ツアー中はさらに世界観に深みを出していきたいです。
ブラジル:クラファンのパトロン数とか金額からも分かるように、……論文みたいな言い回しになってしまう(笑)。かなりの期待を背負ってはいるんですけど、それを圧倒的に上回るような結果を出していきたい。将来的には、世界中のフェスに呼ばれて踊れるようなグループにしたいので、アイドルファンではない人だったり、海外の方にも見つけてくださるようなきっかけになるようなツアー、アルバムにしたいです。今『ALICE』の世界観を理解するために、ルイス・キャロルの英語の原文を読んでいて。それもパフォーマンスに昇華できるように頑張りたいです。
一同:凄……。
田中:さすがに誰もまだ原文は読んでないよ(笑)。ちなみに日本で初めて発行された『不思議の国のアリス』の日本語版(明治32年)は、主人公の名前が「みいちゃん」(ミミミユのあだ名)です。
一同:みーちゃん!?
田中:それも調べていて面白かったな。
ミミミユ:これからアリスって呼んでください(笑)。
楽曲もお客さんの期待も全部を武器に
──ツアーというだけではなく、2020年という視点ではどうでしょうか。
ユブネ:今は人から人に凄く伝わっていきやすい時代で、ツアー中もミシェルをめちゃめちゃ良かった、なんなら他の地域に観に行ってみようかなと言わせるくらい、心に残るようなレイヴをしていきたいです。神奈川・川崎CLUB CITTA'ではクラファンの力をいただいて、会場をサイケデリックにデコレーションするんです。私たちもまだ想像できていないんですけど、CLUB CITTA'に異空間を作り出して、ぶちかまして、その先も期待していただけるような姿を見せつけていきたい。メンバーの絆が深まった分、自信もあります。2020年は楽しく全力で駆け抜けて、1年終わって振り返った時に目まぐるしく駆け抜けられましたって2021年に向かっていけるように、次の年も見据えて6人で頑張っていきたいです。
レーレ:ツアーは全国9カ所を回るんですけど、自分たちの現状も見られると思っていて。地方だとどれくらいの人が来てくれるのか、実感できると思うので。ツアーファイナルに向けて、勢いつけて登っていく感じができればなと。海外の方にももっと知っていただきたいし、日本にもミシェル好き予備軍がたくさんいるって最近サイケのフェスに行って思ったんですよ。昨日、サイケのフェス『OZORA Tokyo 2020』に行ってきて。日本に住んでいる海外の方がたくさん来ていて。ミシェルも、曲を作ってくださっているタニヤマさんも凄いんだぞってことをもっと知ってもらいたい。将来的には、PerfumeさんとかBABY METALさんのように海外でも活躍していけるようなグループにしていきたいです。だから、2020年はその次の年にどんなチャンスが来ても取っていけるような土台作りとしても頑張りたいなって思っています。
タマネ:せっかくツアーでいろんな地方に行かせていただくので、1ステージ1ステージを大事にして、新曲も楽曲ごとの世界観を大事にしながらファイナルに繋げていきたいです。いろんな人に知ってもらいたいし、知ってもらった方との出会いを大事にしたいです。もっと期待感を突き抜けるようなスピード感を出していきたい。あと、2020年、2021年、その先の将来を考えた時に、これだけは今日絶対に言いたいと思っていたんですけれど。妹が友達に「ミシェルって知ってる?」って訊いた時に、その友達が「もちろん知ってる」って答えてくれて、妹が「それ、私のお姉ちゃんなんだよね」って言ってびっくりされるくらいになりたい。
ブラジル:前は、「私のお姉ちゃん、タマネなんだよね」って言っても信じてもらえないくらいになりたいって言ってました。
タマネ:それです!(笑)
──そうなるための道を今着実に歩んでいるということですね。ナーナナラさんはどうでしょうか?
ナーナナラ:今、凄く期待していただけているのを感じるし、ファンの人も「これは、ミシェルくるぞ!」って言ってくださるのを見ているからこそ、ツアーが終わった時に、後から「あのツアーがピークだったね」って言われたくなくて。今勢いがついてるのも分かっているし、期待されているのも分かっているけど、期待以上を出さないと「きてたよね」で終わっちゃう。これからいろんな場所に行けるし、10曲も新曲が増えるのは、大きな武器になると思うので、それを大事にしていきたいです。2020年はオリンピックもあるので海外からたくさんの人が日本に来るし、そこで絶対目に止まるようなグループにならないといけない。私はこのメンバーならそれができるって思っているので。タニヤマさんの凄い曲も、お客さんの期待も全部を武器にして、唯一無二の存在になりたいです。そのために自分たちを鍛えて、みんなも言っていたけど、土台を作っていくのは大事だなと思うので、そういう1年にしていきたいと思っています。
田中:2019年って、メンバー全員が揃う機会が全然なくて。お客さんはバンバン露出してもおかしくないのにって思ってくださっていたんですけど、実はメンバーはレイヴとレッスンで精一杯で。針の穴を縫うような日程でした。余裕のない中でやってたんですけど。その中でも、勢いを衰えさせることなく、むしろ上げていけたのは、完全にメンバーの力だと思います。本当に感謝しかないです。今年は、さらに企画をどんどん打っていってプロモーションもかけて、やることやりまくって、去年にはない加速感を出していきたいと思っています。

写真:稲垣謙一