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デニス・ホッパー監督&主演による1971年のアメリカ映画『ラストムービー』、そしてデニス・ホッパーの半生を描いた新作ドキュメンタリー『デニス・ホッパー/狂気の旅路』のBlu-rayとDVDが6月17日(水)に発売される。

デニス・ホッパー監督&主演『ラストムービー』とデニス・ホッパーの半生を描いた新作ドキュメンタリー『デニス・ホッパー/狂気の旅路』のBlu-rayとDVDが6月17日に同時発売!

『ラストムービー』は、『イージー★ライダー』(1969年)の大成功を受けてつくられたデニス・ホッパーの監督2作目にして、長らくホッパーの作家生命を奪うことになった呪われた映画でもある。


これまでにない革新的な内容とスタイ ルで人々を驚かせただけでなく、インディペンデント映画史上空前の興行収入を叩き出し、アメリカ映画業界を根底から揺るがした『イージー★ライダー』によって一躍時代の寵児となったハリウッドの問題児ホッパーは、ユニバーサル製作のもと、長年あたためていた企画『ラストムービー』の撮影にとりかかる。
主人公は、ペルーの村へ映画を 影しに来たスタントマンの男。ドラッグに溺れ、放蕩にふけるうち、男は映画作りを模した村での奇妙な儀式に巻き込まれ、やがて虚構と現実の境目を飛び越えためくるめく世界へと突入する。完成した映画は1971年ヴェネチア国際映画祭で好評を博すが、観客を戸惑わせる難解な内容と前衛的な構成に困惑したユニバーサルのトップにしてハリウッド最大の権力者ルー・ワッサーマンは再編集を指示。それをホッパーが断固拒絶したことで、映画は短期間での公開後ほぼお蔵入りの状態となる。
この騒動でハリウッドに嫌気がさしたホッパーはますます酒とドラッグに溺れ、映画監督としてはその後約10年間の空白期間を迎えることになる。

デニス・ホッパー監督&主演『ラストムービー』とデニス・ホッパーの半生を描いた新作ドキュメンタリー『デニス・ホッパー/狂気の旅路』のBlu-rayとDVDが6月17日に同時発売!

ホッパーは主人公カンザス役を自ら演じ、次第に正気を失い狂気に陥る男の様子を見事に画面に刻みつけた。共演は、ベテラン女優ジュリー・アダムス、新人ステラ・ガルシアらの他、映画監督のサミュエル・フラーや盟友ピーター・フォンダ、本作の音楽も手がけたクリス・クリストファーソン、また現地のペルー人たちも大勢出演している。撮影監督は『イージー★ライダー』に引き続きラズロ・コヴァックス。このたび使われるマスターは、2007年にホッパー本人とコヴァックスによって監修された35mmプリントの色をガイドにオリジナルネガから4K修復された最新デジタル・リマスター版。
映画作りをめぐる物語を幻想的に描き出した本作は、俳優、映画作家、写真家として活躍するハリウッドの異端者デニス・ホッパーだからこそ作れた過激な芸術映画といえる。
複雑なプロットや大胆な編集方法で当時のハリウッドを驚愕させたこの失われた傑作は、長い時を経て、映画とは何か、芸術とは何か、という根源的な問いを私たちに投げかける。

この度国内初ディスク化となるリリースでは、多くの映像特典と詳細資料を付属したBlu-ray2枚組の“最終盤”と、通常版が発売となる。

デニス・ホッパー監督&主演『ラストムービー』とデニス・ホッパーの半生を描いた新作ドキュメンタリー『デニス・ホッパー/狂気の旅路』のBlu-rayとDVDが6月17日に同時発売!

また同時発売の『デニス・ホッパー/狂気の旅路』は、アメリカでは“異端”、ヨーロッパでは“天才”と呼ばれたデニス・ホッパーの狂気の半生を描いた新作ドキュメンタリー。
フランシス・F・コッポラ、デビット・リンチ、ヴィム・ ウェンダース、ジェームズ・ディーン、ピーター・フォンダ、ジャック・ニコルソン、ショーン・ペンなど一流の監督や俳優に、その才能と人柄を愛されながらも、ハリウッドから追放された異端児に迫る。
2010年に亡くなったデニス・ホッパーは、その破天荒さと無謀さで、ハリウッドを追放されたハリウッドの問題児にして異端者、そしていくつもの顔を持つ男でもあった。デビュー当時にジェームズ・ディーンの後継者とも言われた、危うげな魅力を放つ個性派俳優。初監督作『イージー★ライダー』(1969年)で『俺たちに明日はない』(1967年)と並んでアメリカン・ニューシネマを牽引し時代の寵児となった後、2作目『ラストムービー』(1971年)ですべてを失った映画監督。また、60年代のアートシーンで活躍したアンディ・ウォーホルも魅了した名写真家で、無類の美術愛好家。
本作は、70年代初頭から約40年間にわたってデニス・ホッパーの右腕だった男サティヤ・デ・ラ・マニトウの視点から、波瀾に満ちたこの希有なアーティストの半生をたどったドキュメンタリー。狂気にも似た欲望に取り憑かれた男の生き様には、多くの挫折と苦難、依存症の苦しみがつきまとう。だが抑制の効いたモノクロ映像と静かな声は、ホッパーが歩んだただならぬ道のりを詩的に捉え、情熱と愛と友情に満ちた物語をつくりあげた。

映画は、1969年、『イージー★ライダー』の熱狂から幕を開ける。その熱を引きずりながらホッパーは次作『ラスト ムービー』の製作にのめり込むが、完成した映画は難解な内容だと製作元に拒絶される。
大きな絶望を味わったホッパーは酒とドラッグと暴力に溺れ、家庭生活も仕事もすべてを破綻させていく。 だが80年代以降、俳優、監督として徐々にキャリア復活の兆しが見え始める。元々デニス・ホッパーの大ファンだったニック・エベリング監督は、多数の映像資料とアシスタントとして彼を支え続けたサティヤを中心とした知人たちの証言をもとに、ホッパーの人生を振り返る。 本編には、実の弟デヴィッドから、『アメリカの友人』(1977年)で彼を起用したヴィム・ヴェンダース、『ブルーベルベット』(1986年)で俳優デニス・ホッパーの再評価を決定づけたデヴィッド・リンチ、交流の深かった俳優マイケル・マドセン、『ラストムービー』で共演したジュリー・アダムスら多くの友人知人が出演。俳優/映画監督/写真家としてのデニス・ホッパーの歩んだ道のりと、映画史での彼の果たした役割をたどる旅は、70年代以降にアメリカ が経験した一つの時代の証言にもなる。 波瀾に満ちた生涯を歩み、不器用なほどまっすぐに芸術を追い求めた一人のアーティストの愛すべきポートレイトである。
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