国立映画アーカイブでは、 毎年恒例の上映企画「サイレントシネマ・デイズ 2020」を、 11月10日(火)より6日間にわたって開催。 映画初期に製作された無声映画は、 当時、 まだ映画保存の必要性がそれほど強く認識されていなかったことに加え、 災害や戦禍などが重なったことにより、 世界のどの国や地域においても残存率が低くなっている、 本特集は、 世界各国の無声映画に弁士の説明や生演奏を付けて上映することにより、 その素晴らしさや貴重さを観客の皆さんと共有し、 次代へ継承するための企画です。
本年度は、 所蔵作品から、 サイレント映画期を代表する巨匠 D・W・グリフィス監督の選集 や、 ドイツ表現主義の傑作『プラーグの大学生』など、 アメリカ、 ソ連、 フランス、 ドイツのサイレント映画を 6 プログラム 9 作品、 弁士・伴奏付で上映。

本企画の見どころ

サイレント映画期を代表する巨匠 D・W・グリフィスの初期短篇を上映 『小麦の買占め』から鑑賞機会の希少な『男性』まで、 グリフィスの初期短篇を上映。 映画表現の様々な手法を発展させたグリフィスら製作者の創意工夫をご覧になれる。 大スター、 ウィリアム・S・ハート主演の西部劇を上映! しかも弁士・伴奏付! サイレント映画期の大スター、 ウィリアム・S・ハート監督・主演の西部劇『ヘルズ・ヒンジス』を上映。 正義に目覚めた2丁拳銃のアウトローの活躍と苦難を、 活動写真弁士:片岡一郎、 ピアノ伴奏:上屋安由美でお楽しみいただける。 そのほか、 ロシア革命期のウクライナを舞台にした『アルセナール』と『赤い小悪魔』の2本や、 名匠ルネ・クレール監督の上映機会の希少な『風の餌食』、 サイレント期のドイツ映画を代表する怪奇譚で、 謎の老人に自らの鏡像を売り渡してしまった若者が経験する恐怖を描く『プラーグの大学生』を上映。 6プログラムともすべてアクションとサスペンスあふれる必見の海外作品をそろえた。

上映作品

1. 「D・W・グリフィス選集』 (アメリカ、 監:D・W・グリフィス) ・ 『小麦の買占め』 (1909) ・ 『愚弄された女』 (1911) ・ 『大虐殺』 (1912) ・ 『男性』 (1912) [伴奏付上映の回]11/14(土)1:00pm 伴奏:神崎えり 2. 『ヘルズ・ヒンジス』 (1916、 アメリカ、 監:ウィリアム・S・ハート、 チャールズ・スウィッカード) [弁士・伴奏付上映の回]11/13(金)7:00pm 弁士:片岡一郎、 伴奏:上屋安由美 3. 『赤い小悪魔』 (1923、 ソ連、 監:イワン・ペレスチアーニ) [伴奏付上映の回]11/12(木)7:00pm 伴奏:小林弘人 4. 『プラーグの大学生』 (1926、 ドイツ、 監:ヘンリック・ガレーン) [伴奏付上映の回]11/11(水)7:00pm 伴奏:天池穂高 5. 『風の餌食』 (1927、 フランス、 監:ルネ・クレール) [伴奏付上映の回]11/15(日)1:00pm 伴奏:柳下美恵 6. 『アルセナール』 (1929、 ソ連、 監:アレクサンドル・ドヴジェンコ) [伴奏付上映の回]11/10(火)7:00pm 伴奏:田ノ岡三郎
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