アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ!脳疲労にアプローチするマインドフルネスとは?

自分の心の状態を把握し、客観視することで、リラックスしたり、集中力を高める“マインドフルネス”。現代人のほとんどが陥っている脳疲労の改善にも繋がるとあって、〈トータル・ワークアウト〉でも、ヨガや瞑想を取り入れたプログラムを提供している。

今回はそのプログラムの監修も務める、日本におけるヨガのオーソリティ、ケン・ハラクマを迎え、池澤 智との対談が実現。カラダ同様、脳のケア&コントロールするスキルを手に入れることができれば、何歳からでも日々のパフォーマンスがアップする!

今月のキーワード

❶ マインドを自分で操縦する!
❷ 瞑想で脳疲労を軽減!
❸ 意識的に“喜ぶ”こと!

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profile(写真右)インターナショナルヨガセンター主宰
ケン・ハラクマ Ken Harakumaアシュタンガヨガの創始者から日本人初の正式指導資格者として認定され、日本にヨガを広めた第一人者。国内外でヨガの指導を行うほか、〈トータル・ワークアウト〉のヨガを監修し、ブレインデトックスプログラムでは瞑想のメソッドを提供する。profile(写真左)トータル・ワークアウト 代表
池澤 智 Tomo Ikezawa日本初の女性パーソナル・トレーナー。約30年もの間、多くの俳優やモデル、文化人のボディメイクを手掛けるカリスマ。ハリウッドセレブによるライフスタイルブランド〈グープ〉では日本のリテールディレクターを任されている。


脳をコントロールして仕事もオフタイムもパフォーマンスアップ!

忙しく過ごす生活の中で瞑想がもたらすメリットとは


アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ!脳疲労にアプローチするマインドフルネスとは?

池澤 智ヨガやブレインデトックスプログラムをはじめたきっかけは、私がカラダだけにフォーカスしていた頃に「もっと心地よく生きるためには、マインドも大切なのでは」と気づいたことからです。脳外科の医師とお話しをしたら「BHQという脳の健康指数を測ると9割の人の脳が疲れている」と。では、脳を健康にするためになにをすべきかと尋ねると「ヨガや瞑想がいい」ということで、ケン先生に協力を仰いだわけです。
ケン・ハラクマヨガの考え方というのは、脳をコントロールすることからスタートしていますからね。
池澤 智〈トータル・ワークアウト〉の代表になった当初、パーソナル・トレーニングだけじゃない脳の使い方もするようになって。「最近、すごくイライラするし、誰かを嫌いになったり、人に対して攻撃的になっている」という相談をしたんです。そうしたらケン先生も「瞑想をしてみたら?」とおっしゃいましたよね。
ケン・ハラクマこの人は嫌いとか、こういう人だとか、自分側で決めつけた価値観ではない、相手側の価値観を、瞑想を通じて感じることができますからね。


池澤 智瞑想ができるようになると、誰かと対抗しませんよね。いわれたことを否定せずに受け入れて「そういう考え方もありますね。一緒に考えてみましょう」と、自分がその人になる感覚。だから、嫌いとか苦手な人ができなくなりました。
ケン・ハラクマそうなれるとぶつかり合いが少なくなり、ストレスが軽減されます。ヨガでは“馬の手綱を自分で引く”といういい方をしますが、 勝手に馬が走ってしまうのを鞭で叩くのではなく、馬を理解しながらコミュニケーションをとると自分の思いどおりに動かせるという意味です。人間同士も同じことですよね。
 

前向きにとらえることで脳の疲れは軽減していく


アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ!脳疲労にアプローチするマインドフルネスとは?

池澤 智交感神経が高ぶる緊張状態とリラックスする副交感神経が同じくらいのレベルになったときが瞑想状態だとケン先生に教わりました。自分ではその感覚がわかってきたけど、相手ができているかはチェックできないので“状態を見える化したい”と思ったときにケン先生が脳波を測る機器を持ってきてくださって。それをつけて瞑想したら、自分では意識したつもりはないのに、知り合いが通るだけでピンッて、反応するんです。でも、ケン先生はピタッと止まったままで。
ケン・ハラクマ今もそれをつけて、実験しているんですが、 なにかに思いを向けようとすると、交感神経が優位になり、集中度が上がってしまうんですよ。

だから、リラックスしようと思えば思うほど、リラックスできないんです。
池澤 智リラックスしようと、集中してしまっているからですね。
ケン・ハラクマそう。でも、集中していても同時に喜びを感じると、リラックス度が上がるんです。たとえば、嫌々掃除していると、掃除に集中するだけで、リラックス度はすごく下がります。ただ、掃除を喜びながらやるとリラックス度も上がる。それがわかると、ストレスケアがしやすいんですよ。仕事をしているときも、意識的に喜んだり、嬉しく感じるだけで、パフォーマンスが1番いい状態になるんです。トップアスリートは、それが自然にできるんですよね。とても大変なトレーニングだとしても、どこかしらで前向きになっているから、思った以上の力が出るという。
池澤 智意識的に喜ぶって、なかなか難しいですよね。物事を否定的に見てしまうと、喜ぶという感情にはずっと巡り会えないから、私は感謝とか好きとか、ちょっとしたことを1日に何個も探すことで訓練しました。

ケン・ハラクマたとえば朝、目が覚めたときに、「ああ生きてる、嬉しい!」と練習するんです。それは難しくないでしょう? 生きているだけで儲けもんという思いになれば、 それだけで脳の疲労度は変わりますよ。
池澤 智そうすると、効率よく仕事できたり、コミュニケーションもうまくいきますよね。脳もカラダと同じでケアやコントロールできるようになるとQOLが上がりますから、〈トータル・ワークアウト〉でも、そのためのスキルを提供できるようにしています。

アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ!脳疲労にアプローチするマインドフルネスとは?
瞑想状態に入りやすいように考案された、ケン・ハラクマ監修のVR瞑想プログラム。温故知新を大切にして、最新テクノロジーを取り入れていく柔軟なスタンスは〈トータル・ワークアウト〉とケン・ハラクマのコンビならでは!

column

ヨガや瞑想に大切な“呼吸”を促すストレッチ法!

『Safari』読者の中にも、仕事の緊張や考え事があったりして、呼吸が浅くなり、カラダが固くなる経験をしたことがある人もいるかもしれない。今回は、それを解放するストレッチをふたつご紹介!
アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ!脳疲労にアプローチするマインドフルネスとは?
片腕を頭の後ろで曲げ、もう一方の手で肘をつかみ、上半身を横に倒す。片側を広げ、反対側を縮ませることを左右両方行い、肺のまわり360度をストレッチ。酸素を取り入れやすくなるため、意識もスッキリとするはず

アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ!脳疲労にアプローチするマインドフルネスとは?
自身の肩を掴むようにしてカラダを前に倒す。背中の肩甲骨まわりにある大きな筋肉を伸ばすことで、肺の後ろ側が広がり、呼吸しやすい状態に。背面は伸びて、前面が縮んでいることの両方を意識することで可動域が広がりやすい

アクティブ・ウェルネスでセルフチェンジ!脳疲労にアプローチするマインドフルネスとは?
肺まわりの筋肉を緩めたら、瞑想へ。ヨガでは鼻呼吸が大事。鼻から酸素を入れることで、眉間まで空気がとおり、脳に刺激を与え、活性化していく。
無理のない拍数からはじめ、徐々に長く深い呼吸にしていこう.und{font-weight: bold; border-bottom: 3px solid #ea5504; padding-bottom:1px;}.ike {background: linear-gradient(transparent 70%, #ffe6e6 70%); font-weight: bold; padding: 0 3px; margin-right: 5px;}.ken {background: linear-gradient(transparent 70%, #e6e6e6 70%); font-weight: bold; padding: 0 3px; margin-right: 5px;}.kkm { position: relative; margin: 3em 0 0 0; padding: 1em; border: solid 1px;}.kkm .tit { position: absolute; display: inline-block; top: -7px; left: 10px; padding: 0 3px; line-height: 1; background: #FFF;font-family: 'Times New Roman',sans-serif; font-style: italic; font-size:12pt;}

INFORMATION

●トータル・ワークアウト
URL:https://totalworkout.jp

雑誌『Safari』5月号 P190-191掲載

写真=藪内 努 構成&文=池上隆太
photo:Tsutomu Yabuuchi composition&text:Ryuta Ikegami(AM5:00)

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