
メルセデス・ベンツスタジアム
アメリカ
スタジアム設計と聞いて思い起こされるのが、東京五輪のメイン会場となった国立競技場。当初、コンペの最優秀賞に選ばれたのは、“アンビルトの女王”の異名を持つザハ・ハディドの近未来的な案。ところが、建設コストが膨らんだのを理由に不採用に。再コンペの末に、隈 研吾による木材を多用するデザインに落ち着いたのは記憶に新しいところ。
ナショナルスタジアムは国家の顔。五輪やワールドカップといった国際大会を開催する際は、国が威信をかけて建設し、大々的に開会式を行うのが常だった。北京五輪やカタールでのFIFAワールドカップでは、有名設計事務所が手掛けたインパクトのある姿が披露され、国力を示す絶好の機会となった。
一方で、最近はサステナビリティに配慮し、新規建造を行わないケースも少なくない。パリ五輪は会場の95%で既存のレガシーが再活用され、次のロス五輪でも常設会場を新設しない計画が取られている。巨大施設を造った後に、どう活用するかは世界的な問題。いまやスタジアムは、お国柄だけでなく時代の潮流をも反映しているといえるだろう。
ドイツ

ヘニングスヴァール・シュタディオン
ノルウェー

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INFORMATION
雑誌『Safari』5月号 P193~198掲載

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文=伊澤慶一 text : Keiichi Izawa photo by AFLO