
“乗れるし積める”という用途において、やはりミニバン人気が根強い日本。だけど『Safari Online』読者諸兄には、やっぱりスタイルがあるモノを選んでほしい。
マイナーチェンジで顔が大きく変わったのは2024年のこと。それまでのアイコンだった細目の超個性的フェイスから一転、街に馴染むシンプルフェイスに生まれ変わった。とはいえソコはフレンチ・デザイン。既視感がなく、引っ掛かりのあるライト周りの個性は継承されている。実は〈シトロエン〉、ブランド創立100周年を迎え、それを機に新世代デザインへと舵を切っている。原点回帰というコンセプトもあったようだ。
しかし反して、ナカミは大幅に先進的に。まずメータークラスターやメインディスプレイが最新世代になっている。Apple CarPlayやAndroid Autoにももちろん対応して、操作性もシンプルかつ使いやすく。さらに当然のことながらADASも充実した。


パワーユニットは1.5ℓディーゼルターボ。ガソリン高騰の時代にやっぱり、燃費コンシャスなディーゼルの選択肢は嬉しい。しかもちゃ~んとラテンらしいしっかりトルクに加え、飛び出すようなターボが追っかけてきて、まさに国産ミニバンにはない“走り”の楽しさを備えているところも好感度が高い。
サスペンションはねっとりと粘る感じで、これもハンドリングを面白く感じさせる部分。広い全幅や商用バン由来の確かな剛性も手伝って、前後ともに接地感も申し分なしだから、心置きなく遠出をしたくなること請け合いだ。



そして気になる後部座席だけど、コチラもユニークなのは、2列めシートもそれぞれが独立タイプのキャプテンシートになっていること。きっちり1人ずつのスペースが確保されているのも、個人主義のフランスらしい個性かも。ちなみに2列めシートはスライドなどの機能はないにせよ、シート設計自体がしっかりしていて据わりのいい設えなので、長距離ドライブも疲れなさそうでもある。
しかしやっぱり注目は“着脱可能な3列め”。背面を倒し、固定金具を外せばゴロンとシート自体が取り外せてしまう。慣れれば女性1人でも問題ない。そうすると、実に広大なラゲッジスペースと5人乗りが実現! ちなみに2列めシートもダイブダウンするから、コレを倒せばさらに、ちょっとしたベッドくらいの空間が作れてしまうのだ。
ちなみにこの5月1日の価格改定で、ベルランゴはそれまでより約20万円お安くなったのも朗報。是非この機会にチェックしてみて!
気になるスペックは?★DATA 〈シトロエン〉ベルランゴ ロング MAX BlueHDi
●全長×全幅×全高:4770×1850×1850㎜
●車両重量:1660kg
●ホイールベース:2975㎜
●エンジン:1.5ℓ直列4気筒ディーゼルターボ
●最高出力:96kW(130PS)/3750rpm
●最大トルク:300N・m/1750rpm
●トランスミッション:8速オートマチック
●駆動方式:前輪駆動
●税込み価格:437万円~
INFORMATION
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文=今井優杏 text:Yuki Imai