
映画はタイトルが重要。目を引かせるという意味で、ある程度“煽った”単語が要求されたりもするが、とくに近年、あまりに内容とかけ離れると逆に批判の対象になりやすい。
原題は『Love Lies Bleeding(愛は血を流して横たわっている)』だが、邦題に入った“ステロイド”も重要なエレメントだ。本作では、メインキャラクターが筋肉増強の目的でステロイドを使用するのだが、その効果が中盤、終盤と目を疑う展開を導いていく。人気のスタジオ、A24製作らしい野心あふれる一作だ。舞台は1989年のニューメキシコ州。トレーニングジムで働くルーは、ボディビルの大会に出るため各地を転々とするジャッキーと出会う。やがて2人は激しい恋におちるのだが、銃の密輸を行うルーの父、夫からDVを受けるルーの姉も絡み、とんでもない犯罪に巻き込まれていく。女性同士のラヴストーリー、衝撃のバイオレンスも含むクライムサスペンス、さらにシュールな世界も届ける、かつて観たことのない映画が立ち現れる。
ルーを演じるのはクリステン・スチュワート。私生活でバイセクシュアルを公言していることもあって、その演技は説得力満点。冒頭から“こんな行為を見せていいの?”という体当たりのチャレンジもこなしている。
『愛はステロイド』8月29日(金)公開
監督・脚本/ローズ・グラス 共同脚本/ヴェロニカ・トフィウスカキャスト 出演/クリステン・スチュワート、ケイティ・オブライアン、エド・ハリス、ジェナ・マローン 配給/ハピネットファントム・スタジオ
2024年/イギリス・アメリカ/上映時間104分
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文=斉藤博昭 text : Hiroaki Saito
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