
大人のお洒落において、ローファーは欠かせないシューズだ。スーツからデニムまでマッチするローファーは、特にオン・オフの境が曖昧な昨今においては、もはや革靴選びにおける主軸といっても過言じゃない。
■数あるローファーの中でも名作と呼ばれる理由■理由1:クセのない黄金バランス理由2:スタイルを問わない普遍性理由3:長く履けるしっかりとした作り
1891年にフランス・リモージュ地方で創業した〈ジェイエムウエストン〉。フランスを代表するシューズブランドだが、その名の由来は実はアメリカの街にちなんでいる。創業者エドゥアール・ブランシャールの息子ユージェーヌは、近代化がいち早く進んでいたアメリカ靴のグッドイヤーウェルト製法を学ぶため、アメリカ・ボストンのウエストンという街で学んでいるのだ。帰国後、その製法を取り入れ躍進した同ブランドは、1922年パリに1号店をオープンするが、その地位を確立したのは1946年に誕生した“シグニチャーローファー #180”によるところが大きい。同ブランドの魅力は、ズバリ“フレンチエレガンス”。過剰な装飾性やスタイルの誇示ではなく、普遍的で実に上品。言い換えれば、誰が見てもバランスの取れた美しい靴作りが見どころだ。“シグニチャーローファー #180”はまさにその象徴で、誕生時から変わらぬラストは、時代だけでなくファッションスタイルも問わない。イギリスほどストイックすぎず、イタリアほど色気を主張せず、サイドウォールが立った姿はアメリカ的ではあるものの、やはりフレンチらしいコンパクトで洗練された履き姿を楽しませてくれる。いわばローファーにおける究極型。スーツからデニム、はたまたカーゴパンツやショーツさえもすべてを受け入れてくれる“シグニチャーローファー #180”は、ローファーの中でこれを選べばよしという範疇を超えて、もはや大人の足元選び全般における「これを選べばよし」な1足だ。
[ジェイエムウエストン]J.M. WESTON“シグニチャーローファー #180”■定番■
まずはこの一足、そして最後までこの一足

バリエーションが豊富な“シグニチャーローファー #180”だが、定番で展開されているのがブラックボックスカーフとタンブラウンボックスカーフ。製法はグッドイヤーウェルト製法で、約150もの手作業で作られる。ソールはシングルレザー。ストラップには、カモメを想起させるカットがあしらわれる。
■バリエーション■
トレンド性の高い提案もお手のもの
01“コンビ”

前述のとおり、定番とともにトレンドを捉えた大胆な提案も“シグニチャーローファー #180”の見どころ。今回ピックアップしたのはさりげに個性を出せるコンビ物、ボックスカーフとスエードの組み合わせとなる。さらに、昨今人気のバイカラーは、歴史的名作をイマドキ顔で楽しませてくれる。この懐深さも、スタイルを選ばない理由だ。
履き続ける喜びをさらに与えてくれる02“デニムキャンバス”

シワだけでなく色落ちまで楽しめるインディゴデニム。しかも、採用されるデニムはヴィンテージデニムというから驚きだ。
タフな顔つきが名品を新鮮な気持ちに03“ラグソール”

スマートなアッパーに対して、ゴツいラグソールというギャップが名品の新たな魅力を教えてくれるこちら。色柄だけでなくソールのバリエーションもあり、他にも分厚いソールを履かせたトリプルソールローファー #385も展開する。
INFORMATION
⚫︎ジェイエムウエストン 青山店
03-5485-0306
https://jmweston.jp/
写真=正重智生 スタイリング=田川 匠 文=安岡将文
photo:Tomoo Shoju(BOIL) styling:Takumi Tagawa text:Masafumi Yasuoka