戦争を描いた映画が傑作になる条件は、どこまでリアルに伝えられるか。とはいえ、結局は映画なので“作りもの”として観てしまう。
戦場でも最も危険な地帯で、退路がない場所に追い込まれ、周囲は敵に包囲される……。過去にも描かれたようなシチュエーションだが、本作のポイントは、元特殊部隊員の実体験をほぼ完璧に再現しているところ。しかもその元隊員が共同監督を務め、仲間の兵士にも綿密な聞き取りを行うなど、とにかく妥協を許さない映画作りが行われた。その結果、過去に類を見ない戦争映画が完成したのだ。舞台は、2006年のイラクの危険地帯。アメリカ海軍の特殊部隊“シールズ”の小隊8名が、民家を占拠し、アルカイダ幹部を監視する。しかしその任務が相手の知るところとなり、逆に攻撃を受け、8名は逃げ場のない極限の地獄絵図を味わうのだった。
実際にその場を体験したレイ・メンドーサとともに監督を務めたのが、アレックス・ガーランド。前作の『シビル・ウォー アメリカ最後の日』では架空の内戦をセンセーショナルに描いた彼が、今回は徹底して“そこで起こったこと”を映像化。まず驚くのは、兵士たちの作戦やテクニック、さらに精神状態。戦闘のプロフェッショナルたちが作り出す独特の空気感に、観ているこちらも没入してしまう。
『ウォーフェア 戦地最前線』1月16日公開
監督・脚本/レイ・メンドーサ、アレックス・ガーランド 出演/ディファラオ・ウン=ア=タイ、ウィル・ポールター、コズモ・ジャービス、キット・コナー、フィン・ベネット 配給/ハピネットファントム・スタジオ
2025年/アメリカ/上映時間95分
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文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
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