低層住居が並ぶ閑静な住宅街で、2階LDKの戸建て住宅を建てたK邸。伸びやかな高さのある三角天井、高窓からの陽射しのなか浮かび上がるのは、ミッドセンチュリーの落ち着きあるインテリア。
階段を上がり、2階のLDKに入ると、目に飛び込んでくるのはふたつの〈JBL〉のスピーカー。スピーカーそのものが家具のように美しい一対だ。K邸の家づくりは、「このヴィンテージスピーカーと、建築家フィン・ユールの椅子に似合う、自分好みの空間をつくりたい」という思いからはじまった。
学生時代からジャズが好きで、レコードを少しずつ買い集めていた。好きな音楽が誕生した当時のオーディオで聴きたいと、スピーカーもプレイヤーも1960年代のもので愛聴してきたため、同時代にあたるミッドセンチュリー(20世紀中頃にアメリカで流行した近未来的な素材を使用した、シンプルで機能的なインテリアスタイル)の家具に関心をもつのは必然だった。少しずつお気に入りの家具を買い集め、家づくりの際にイメージしたのは、落ち着いた木の質感と伸びやかな陽射しが入る、シンプルでモダンな空間だ。
K邸の立地は、閑静な住宅地で高さ制限があるため、周囲に高い建物が立つ心配はない。2階にLDKを配置し高窓を設け、ベランダの外には高さ180㎝の腰壁をつけた。近隣の視線を気にすることなく、大きな掃き出し窓もカーテンを開けたまま過ごすことができる。「高窓から見えるのは空だけ」という素晴らしい見晴らし。さらに2階LDKの利点を生かし、屋根勾配を生かした三角天井に。高窓の光が部屋全体を明るく照らし、日中は照明を点けることなく過ごせる。大小のグリーンにとってもご機嫌な環境だ。
大きな壁面はコペンハーゲンリブの板張り、床は市松張りという、直線を生かしたクラシカルなデザインとした。キッチンは板張りの天井でブラウンをベースにし、ラグやクッションには青を差し色に使って、柔らかさを出した。陽だまりのリビングで、生活の背景にいつも音楽が流れている暮らしを楽しんでいる。
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写真=松村隆史 文=中城邦子 photo : Takafumi Matsumura text : Kuniko Nakajo
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