報告書では、攻撃者が狙う新しい標的として、2019年以降に公開されたテレワーク(リモートワーク)、VPN(Virtual Private Network)、クラウドベースの技術に関連する脆弱性を取り上げ、サイバー攻撃者がターゲットをクラウドに移動していると指摘している。
CISAによる脆弱性上位リストの12件の脆弱性を見ると、攻撃者のターゲットは最近発見されたテレワーク関連の脆弱性であることが確認でき、上位3件の脆弱性は、テレワーク、VPN、クラウドベースの環境に関連するもので、残り9件は2019年以降に公開された脆弱性となっている。また、2020年に最も悪用された脆弱性のトップ3の「CVE-2019-19781」、「CVE-2019-11510」、「CVE-2018-13379」は、いずれもVPNサービスで発見されている。
「CVE-2018-13379」はFortinetのVPN製品に存在する脆弱性で、悪用されると認証されていないユーザが特別に細工されたHTTPリソースリクエストを介してシステムファイルのダウンロードが可能になる。トレンドマイクロのデータによると、2021年1月に「CVE-2018-13379」の検出数が急増し、その後減少したものの、昨年の同時期に比べて著しく増加している。
同社では「CVE-2019-19781」、「CVE-2019-11510」についても同様に、同社のデータを用いて傾向を解説している。