富山大学附属病院は5月29日、同院での患者の個人情報の紛失について発表した。

 これは同院の医師が、診療目的で取得した患者の個人情報を保存した当該医師所有のSDカードを紛失したというもの。


 当該医師は5月19日にSDカードの紛失に気付き、病院内や自宅等を捜索するが発見に至らず、5月21日に診療科長に報告を行っている。

 同院で調査を進める中で、「あさひ総合病院所有の外付け HDD(富山大学附属病院及びあさひ総合病院の患者情報が保存されたもの)」及び「当該医師所有の外付け SSD(富山大学附属病院の患者情報が保存されたもの)」を、当該医師が保有していたことを確認している。

 各記録媒体に保存されていたのは、当該医師が診察・手術を行った患者の顔、胸腹部を含む体幹、四肢などの画像データ、氏名、IDなどの個人情報。

 同院では5月27日に対象の患者に書面による謝罪文書を送付し、5月28日には電話での謝罪を開始している。

 同院では「富山大学附属病院の保有する個人情報の適切な管理のための措置に関する内規」を定めるとともに、個人情報保護管理研修及び情報セキュリティに関する研修を通じて、全職員に患者情報保護の重要性を周知していたが、当該SDカードについては、適切な管理(外部からの持ち込みの禁止、定められた場所への保管等)が行われておらず、当該医師については、患者情報保護の重要性を十分に
認識、理解できていなかった。診療科長も、診療科内における保有個人情報の管理責任があるという認識が不十分で、当該診療科全体において個人情報の適切な管理が十分に行われていなかった。

 同院では、下記の再発防止策を進行中とのこと。

・当該診療科に対する個人情報管理・セキュリティに関する再教育:実施済
・当該診療科における診療情報へのアクセス権の見直し:実施済
・全職員を対象とした緊急の個人情報・セキュリティ研修:6月5日実施予定
・各部署に配付している同院のセキュリティ付USBメモリを一旦回収し、各部署で運用ルールを再確認した上で、より厳しいルールを課して再配付:実施済
・手術画像録画データ持出し運用ルールの厳格化の徹底:実施済

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