東証プライム上場企業のTOA株式会社は2月16日、2025年7月16日に公表した同社米国子会社での資金流出について、続報を発表した。

 同社の米国子会社では米国時間2025年7月8日に、悪意ある第三者からの虚偽の指示に基づき、資金を流失させる事案が発生しており、関係する捜査機関に被害報告を行い、捜査に協力するとともに、流出した資金の保全・回収手続きを進めていた。


 同社では、社外監査役および社外取締役を中心とした調査対策委員会を組成し、外部の専門家を交えた社内調査を実施し、「最終報告書」を受領し、2月16日開催の取締役会で再発防止策について決議している。

 調査結果によると、悪意ある第三者の詐欺行為を原因として同社が被害に遭ったことを確認している。また、同社および米国子会社の役職員が本事案に関与した事実は認められず、当事者による不正行為の可能性も認められないことを併せて確認している。なお、米国子会社以外の同社および同社グループ会社にて類似事案の発生は確認されていない。

 調査対策委員会による原因分析の過程で、米国子会社で下記の事象が確認されたことを踏まえ、同社および同社グループ会社を対象とした再発防止策を策定している。

1.業務決裁権限が特定役職者に過度に集中していたこと
2.社内ルール遵守・コンプライアンス意識および危機管理意識が乏しかったこと
3. TOAのモニタリングおよび監査が十分に機能していなかったこと

 同社では調査結果及び提言を踏まえ、同社および同社グループ会社におけるガバナンス体制および内部統制について下記の通り取組みを強化し、再発防止に努めるとのこと。

1. TOAおよびTOAグループ会社における業務プロセスの統制を強化
・送金・支払いに関する業務プロセスの統制強化
・新規取引に関する業務プロセスの統制強化
・不正送金防止のためのインターネット・バンキングにおける仕組みの確認
・資金残高管理の強化
・TOAからのモニタリングの枠組みを強化

2. TOAグループ会社における権限・責任の適切な分掌による社内牽制機能の強化
・組織体制・職務分掌の整備を通じて、子会社責任者(職位)の責任、範囲、役割の再徹底

3. TOAおよびTOAグループ会社におけるコンプライアンス意識・危機管理意識の改善
・注意喚起・研修
・ガバナンス・コンプライアンス教育の充実
・内部統制無効化に関する教育の徹底

4. TOAおよびTOAグループ会社における健全な社内環境の整備(風通しの良い職場環境づくり)
・経営トップ・役員による社内環境の整備
・社内コミュニケーションの強化

5. TOAにおけるモニタリング機能およびTOAグループ会社監査機能の強化
・ TOA主管本部による日常的モニタリング
・ TOAグループ会社監査の強化(内部監査担当部門、TOAグループ会社監査役の強化)
・ TOAによる内部統制評価

6. TOAおよびTOAグループにおけるガバナンスの維持・強化に向けた人員体制の整備
・再発防止策の実行性確保

 なお同社では、本件に関係する従業員について、事実関係の確認が完了したことを受け、社内規程に基づき処分を決定している。また、本件事態の発生を厳粛に受け止め、下記の通り役員報酬の一部を自主返納する旨の申し入れがあったとのこと。

・役員報酬自主返納の内容
代表取締役社長 月額報酬の20%
その他の取締役 月額報酬の10%

・対象期間
2026年2月から3月の2ヶ月間

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