中国には有名な「拾金不昧」という四字熟語がある。「拾ったお金をねこばばしない」という意味で、小さな子どもでも知っている道徳規範だが、実行する人は残念ながら非常に少ない。


 もし、中国で誰かが拾ったお金を持ち主に返すなどということがあれば、金額によってはメディアによって大々的に報道されることだろう。中国メディアの百家号は25日、日本は中国と違って「拾ったお金をねこばばしない人が多い」と伝える記事を掲載した。

 記事は、日本人の感覚は中国人とは逆で「拾ったお金は交番に届けるのが当たり前」になっていると紹介している。一例として日本に住んでいるという、ある中国人の話を紹介した。その中国人は、拾ったお金を警察に届け、持ち主が名乗り出ずに一定期間が経過したので、受け取りに来るよう警察から電話があったそうだが、記事の中国人筆者はその話を聞いて笑ってしまったと伝えている。

 中国人筆者が笑ってしまったのは、「拾ったお金を警察に届けた」からだという。「拾金不昧」を実行するということは、中国では笑われてしまうことのようだ。しかし、日本在住の中国人は真顔で、「日本では法律で決められているので、届け出なければならない」、「日本では届け出れば、持ち主が現れても報労金を受け取ることができ、現れなければ今回のように拾った人が受け取ることができる」と説明してくれたそうだ。

 記事の中国人筆者はそのため、日本人が「拾金不昧」を実行しているのは、民度が高いからではなく、「どのみちもらえるなら合法的にもらいたいからだ」と理解してしまったようだが、これは誤解だろう。もちろん日本人が拾ったお金を届けるのは、法律のおかげでもあるのだろうが、民度や教育も関係しているはずだ。何事も損得勘定で考えがちな中国人は、「拾金不昧」の意味を今一度よく考えてみてはどうだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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