中国のQ&Aサイトの悟空問答にこのほど、アジアに属する日本はなぜ「西側諸国」の一員なのかと疑問を投げかけるスレッドが立てられ、多くの中国人ネットユーザーがそれぞれの意見を投稿している。

 ある中国人ネットユーザーは、日本は地理上ではアジアの国だが、「イデオロギー」においては西側諸国の一員なのは、日本が100年も前に脱亜入欧を完遂させているからだと主張している。
世界には大きく分けて欧米諸国を中心とした自由・民主主義と、共産主義陣営とも呼ばれる社会主義陣営の2つのイデオロギーがあるとし、日本は明らかに前者だと説明した。

 一方で、ロシアの国土は4分の3がアジア、残りが欧州に位置するとし、ロシアの人種・言語・宗教は西欧に属するものの、しかし政治的には「西側諸国」ではないと強調、ロシアの例から分かるように、ある国が「西側諸国」かどうかを判断するのに「地理的な位置」は無関係なのだと指摘する中国人ネットユーザーも見られた。

 さらに、日本はすでに100年前に脱亜入欧を実現させており、考え方・社会制度・価値観などにおいて「全面的に欧米化した」ため、周辺のアジア諸国とは相容れない国家となっていると主張する声もあった。韓国も西側諸国の一員であることを考えれば、この「周辺のアジア諸国」とは中国のことを指しているのだろう。

 スレッドに寄せられ得たコメントを見てみると、複数の中国人ネットユーザーが「脱亜入欧」に言及しており、現在の日本が「西側諸国」の一員であるという見方の根拠も脱亜入欧を挙げていたのは興味深い。これらの中国人ネットユーザーたちは、第2次世界大戦での敗戦後に日本が米国に占領されるより前に「日本には西側諸国となる素地があった」と見なしているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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