2020東京五輪は、コロナ禍という特殊な状況のなかで開催にこぎ付けた、歴史的な大会となった。ただ中国人から見ると「日本と韓国が衝突してばかりの大会だった」という印象が強く残ったようだ。
記事は、日韓関係の悪化は東京五輪よりもずっと前から始まっていたと指摘した。韓国による元徴用工訴訟問題に対して、日本は半導体材料の輸出管理強化で「報復し」、韓国は日本製品不買運動や慰安婦像設置などで嫌がらせをするというように、近年の日韓は互いに火花を散らしてきたと伝えている。
記事は、今回の東京五輪で韓国側は福島県産の食材や花束の安全性を疑問視し、横断幕で日本人の気分を害したりしたと指摘しつつ、これは東京五輪の開催前から始まっていた「軋轢の延長」に過ぎないと主張。日韓関係の冷え込みを受け、文在寅大統領は五輪開会式への参加を見送ったほどだと指摘し、日韓両国の関係は改善の兆しが見えないほどに低迷していることを強調した。
では、そんな日韓関係を横目で見ながら、日韓の同盟国である米国はなぜ介入してこなかったのだろう。記事は、トランプ政権はビジネス優先だったため、日韓に対する関心はもっぱら「米軍駐留費」に集中しており、日韓関係にはあまり関心を示さなかったためだと説明し、その間に日韓関係はずいぶん拗れたと指摘した。バイデン政権になってからも日韓の確執は続き、盟友が一枚岩でないと「インドやオーストラリア、日韓を巻き込み中国に対抗しようとする目論見はうまくいきそうもない」ので頭を悩ませていると伝えた。
中国にとっては、日本と韓国は隣国であると同時に、対立が深まる「米国」の同盟国だ。その日韓同士が争ってくれていれば、米国からの脅威が軽減するという思惑もあって、中国からすれば日韓関係からは目が離せないようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)