中国のポータルサイト・網易に28日、日本が世界で最も急速に高齢化が進んでいる国になった理由について紹介する記事が掲載された。
 
 記事は、今年9月に総務省が発表した最新の高齢者人口が3640万人に達し、昨年より22万人増えて総人口に占める割合が29.1%になったと紹介。
日本は2007年より「超高齢化社会」に入っており、世界で最も高齢化率が高く、なおかつ最も急速に高齢化が進んでいる国となっていると伝えた。

 そして、日本の「超高齢化社会」を招いた1つめの大きな理由は、日本の発達した医療体系により国民の平均寿命が大きく向上したことであると説明。もう1つの理由が深刻で、著しい少子化であるとし、内閣府の調査で1949年の第1次ベビーブームでは260万人、73年の第2次ベビーブームでは210万人だった年間出生数が年々減少していき、今年6月に厚生労働省が発表した昨年の出生数は84万832人とベビーブーム時の約3分の1にまで減少し、過去最低を記録したと紹介している。
 
 その上で、人口に占める高齢者の割合を高める要因になっている少子化を引き起こしている要素として、まず独身者が増え、恋愛や性生活に興味を持つ若者が少なくなっていることに言及。日本の若い男女の2割程度は恋愛に興味がないと考えていることが調査によって明らかになっていると伝えた。
 
 また、子どもを産んで育てる費用が多額になり、子どもを産む積極性が削がれているとも指摘。1人の子どもが生まれてから大学を卒業する22歳までにかかる生活費は平均で1640万円と言われており、これに大学までの教育費用を加算すると1人あたり2600~3000万円というコストがかかるという計算を紹介した。
 
 さらに、仕事のプレッシャーやストレスが大きく、プライベートを充実させることができない点も大きな要因になっているとし、朝早くから出勤して夜遅くまで残業するなど、1日の生活の大部分が仕事に費やされる人が少なくないほか、日本の会社にも有給休暇の制度があるもの、休みを取得するには周囲の目や仕事上での同僚への負担を気にしなければならず、積極的に休暇が取れない雰囲気であることなどを説明している。
 
 記事は最後に、働く女性が増えており、結婚や出産が多くの女性にとって人生の最優先事項ではなくなりつつあることにも触れている。もともと日本は男性主導の社会で、男性が家を養い、女性が家の面倒を見るという考え方が今なお根強く残っており、多くの女性がこういった古い考えに反発して結婚や出産に消極的になっているのだと分析した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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