中国のポータルサイト・百度に3日、大連に建設された日本街がオープン直後に中国国内で激しい批判を浴びた理由について解説する記事が掲載された。
 
 記事はまず、大連が日本の近代史と深く関わるセンシティブな場所だという点をを挙げた。
日本人は1894年の日清戦争より大連の地に足を踏み入れ、1945年までの約半世紀もの間現地を占領し続けたと紹介。このため、大連は中国人の心を大いに傷つけた場所に一つになっているとしたほか、「日本という国は一歩間違えばわれわれの国を滅ぼそうとした。これはいついかなる場合においても、否定することのできない事実なのだ」と論じ、大連という場所に建設されたことで中国人の心の傷を一層えぐる結果になったとの見方を示している。
 
 次に、日中両国間で国力が逆転したことも関係していると主張。40年が経過した中国の改革開放政策のうち、最初の20年ほどは日中関係は概ね良好であり、両国間の民間交流も非常に活発だった上、互いの国民間の印象も悪くなかったとする一方で、この期間は「日本人がわれわれを上からの目線で見て、われわれが日本人を下から見上げていた」と伝えた。
 
 その上で、2010年に中国の経済規模が日本を抜くと、日本人の中国に対する心境や態度に大きな変化が生じたとし、疑い、驚き、蔑視からやがて悲観、怒り、敵視といった感情を露わにするようになったと説明。今日の日中関係がギクシャクしているのは主に日本が中国の発展、大国化を受け入れられないからであり、そのことによる中国に対する攻撃的な姿勢が、中国国内に日本と関係する施設を建設することに対する中国人の反感を生んでいるとの考えを示した。
 
 さらに、米中関係の緊張状態も関係していると伝えた。記事は、日本について「名目上、独立自主の国であるものの、実際には米国人の操り人形であり、ありとあらゆる事柄について米国から指示を仰がなければ動くことができない」とし、米国という「主人」が中国に対して深い敵意を抱いているために、日本も自ずと「主人」を助けるべく中国に非友好的な姿勢を取っているのだと主張している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
編集部おすすめ