愛国主義の風潮が強まる一方の中国では「日本好き」を公言する人に対する視線はますます厳しくなっている。だが、日本好きの人がいないわけではなく、むしろ若者を中心に大勢いると言えるだろう。


 中国の動画サイト西瓜視頻はこのほど、中国のショッピングモールを訪れていた若者にインタビューする動画を配信した。「日本嫌いの若者を見つけるのはとても難しい!」と伝えている。

 この動画では、人びとが数多く行き交うショッピングモールで、複数の若者に日本が好きか嫌いかを尋ね、その理由も聞いている。動画の最初に出てきた若い男性は、「日本は良い国だと思う。風習や美食など、評価できる点が複数ある」と答えていた。しかし、「では嫌いなところは?」との質問されたため、戸惑いながら「日本の政治は嫌いだけど」と答えていた。

 他にも数人の若い男女に質問していたが、「好き」と回答した人が多く、「日本の文化が好き」、「アニメが好き」、「個人主義なのが良い」などと理由を述べていた。しかし、いずれもカメラを気にしながら「嫌いなところもあるけど」と付け加えているのが印象的だった。

 この動画のコメント欄に寄せられた意見を見ると、「教育がなっていない」、「中国の若者は恐ろしすぎる」など、配信者のタイトルに沿うような反応がほとんどだった。やはり日本好きと答える中国人に対して、ネット上では厳しい見方が多いようだ。

 中国では「日本好き」を公言しにくい雰囲気になっていると言えるだろう。インタビューに答えた若者たちのように、中国にも日本好きの人が一定数いると思われるが、今は肩身が狭い思いをしなければならないようだ。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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