中国にはかつて外国租界が各地にあり、当時の日本人が建てた建物も残っている。中国メディアの百家号は5日、かつての上海租界に残る一風変わった建物として「日本人が建てたインド風寺院」を紹介する記事を掲載した。


 記事が紹介したのは、上海・虹口(ホンコウ)にある「上海西本願寺」だ。一瞬、異国に迷い込んだかのような錯覚になる古代インド・イスラム風の建物だが、1931年に日本人が建てた寺院だと紹介した。

 記事はこの建物の魅力について、雪のように白い東洋建築と、壁に3列に並んだ円形の飾りが美しいと紹介している。ここにはまた、「上海市の認める優秀な歴史文化」と書かれたプレートもあると伝えている。

 このかつての宗教的建造物が特別なのは、外見だけではないようだ。記事は、日本にはそっくりの寺があると紹介している。それは築地本願寺のことだが、そっくりなのは偶然ではなく、上海西本願寺は築地本願寺を真似て作られたと言われている。

 中国の旧租界地に、日本の寺と名前も形もそっくりな建物が残っているというのは感慨深いことだと言えるだろう。かつてここは、日本人がお参りに訪れ、僧侶が住み、遺骨を一時的に保管する場所にもなっていたようだ。しかし、残念なことに地元の上海人でこの建物の歴史を知る人はまずいないと記事は伝えている。しかも、現在ではナイトクラブが入っていて、かつて厳かだったはずの場所が見る影もないと複雑な気持ちをのぞかせている。

 上海に日本人街があったことを示す、こうした歴史的な建物が残されているというのは意義のあることだと言えるだろう。
しかしその保存状態に関しては、中国人からも疑問の声が出ているほどで、ぜひ保存方法を見直してほしいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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