中国不動産業を巡る不透明感が重し。取引時間中に公表された中国経済統計では、1~5月の不動産開発投資が前年同期比で10.1%減少し、縮小率は1~4月の9.8%から0.3ポイント拡大している。また、デベロッパー各社の月次実績に関しても、販売の低迷が続く状況だ。ただ、指数は高く推移する場面もみられている。中国内需の持ち直しが期待された。上述した経済統計では、5月の小売売上高が前年同月比で3.7%増加し、市場予想(3.0%)と4月実績(2.3%)を上回っている。これまでに公表された貿易や物価などの指標では、内需の弱さが指摘されていた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が3.5%安、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が3.4%安、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が3.1%安と下げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が安い。上記した龍湖集団のほか、世茂集団HD(813/HK)が8.2%、遠洋集団HD(3377/HK)が8.1%、合景泰富集団HD(1813/HK)が6.8%、広州富力地産(2777/HK)が6.4%ずつ下落した。富力地産の5月成約額は、前年比同月比で4割減と苦戦している。
中国の発電セクターもさえない。
半面、食品飲料の消費関連セクターは高い。中国雨潤食品集団(1068/HK)が4.8%、統一企業中国HD(220/HK)が4.2%、中国旺旺HD(151/HK)が3.5%、中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.0%ずつ上昇した。そのほか、外食チェーン大手の大家楽集団(341/HK)が3.1%高。2024年決算の実質利益5.8倍が材料視されている。
スマートフォン部材・組立の銘柄群もしっかり。高偉電子(1415/HK)が8.3%高、舜宇光学科技(2382/HK)が2.2%高、瑞声科技HD(2018/HK)が1.2%高、比亜迪電子(BYDエレク:285/HK)が6.3%高で取引を終えた。そのほか、半導体セクターの一角も物色されている。
一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.55%安の3015.89ポイントで取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)