利益確定売りが優勢となる流れ。ハンセン指数はこのところ急ピッチに上昇し、足元では約4カ月ぶりの高値水準を回復していた。また、米中が関税応酬が経済の下押し圧力になるとの不安もくすぶっている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。浙江省杭州市のスタートアップ企業、杭州深度求索人工智能基礎技術研究有限公司(DeepSeek)が低コスト、かつ高性能な生成AI(人工知能)の大規模言語モデル(LLM)を開発する中、AI技術の進化が国内産業を発展させるとの見方が引き続き支えとなっている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が10.3%安、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が7.2%安、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)が6.0%安と下げが目立った。
セクター別では、自動車が安い。吉利のほか、小鵬汽車(9868/HK)が9.0%、長城汽車(2333/HK)が7.1%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が6.1%、理想汽車(2015/HK)が5.6%ずつ下落した。
半導体セクターも急落。英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が8.7%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5.2%安、華虹半導体(1347/HK)が5.1%安、ASMPT(522/HK)が5.0%安で取引を終えている。同セクターはこのところ、AI産業発展による需要拡大の期待で買いが目立っていた。
消費セクターもさえない。
半面、通信キャリアやクラウドの一角は物色される。中国電信(728/HK)が2.6%、中国聯通(762/HK)が1.2%、万国数拠HD(9698/HK)が10.7%、金蝶国際軟件集団(268/HK)が3.8%、微盟集団(2013/HK)が2.6%ずつ上昇した。
一方、本土マーケットも4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.12%安の3318.06ポイントで取引を終了した。不動産が安い。自動車、食品・酒造、小売、医薬、公益、ハイテク、軍事関連、空運、保険・証券なども売られた。半面、銀行は高い。資源・素材、通信ネットワーク、海運も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)