投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。トランプ米政権は9日午前0時1分(日本時間9日午後1時1分)、「相互関税」の上乗せ分を発動する。トランプ米大統領は先ごろ、「米国に報復する国には当初よりも大幅に高い関税をかける」と自身のSNSに投稿。中国には累計104%の関税をかける方針だ。中国商務部の報道官は8日、「最後まで戦う」として、更なる対抗措置を示唆した。貿易戦争のエスカレートで、世界のサプライチェーン(供給網)混乱や、景気の落ち込みも懸念されている。こうした中、米シティグループは最新リポートで、2025年の中国経済成長率予想を従来の4.7%から今回4.2%に下方修正している。
ただ、指数は徐々に下げ幅を縮小。中国当局が矢継ぎ早に株価対策を発表したことや、経済対策に対する期待感などが支えだ。中国では近く、預金準備率や金利の引き下げなど、金融緩和が早期に実施されるとの観測も高まっている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、パソコン(PC)世界大手の聯想集団(レノボ:992/HK)が6.0%安、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が5.5%安、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が5.5%安と下げが目立っている。
セクター別では、自動車が安い。
医薬セクターも急落。百済神州(6160/HK)が6.3%安、信達生物製薬(1801/HK)が6.2%安、緑葉製薬集団(2186/HK)が5.5%安、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が4.7%安で前場取引を終えた。
半面、半導体セクターは高い。上海復旦微電子集団(1385/HK)が7.7%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.0%、華虹半導体(1347/HK)が5.1%ずつ上昇した。そのほか、自動運転向けAI(人工知能)の地平線(9660/HK)が1.6%高、ロボットの深セン市越疆科技(2432/HK)が3.3%高と値を上げている。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.24%高の3152.96ポイントで前場取引を終了した。不動産が高い。ハイテク、軍需産業、公益、空運なども買われた。半面、資源・素材は安い。医薬、銀行、自動車、海運も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)