投資家のリスク選好が強まる流れ。米中通商協議の進展期待が相場を押し上げた。ベッセント米財務長官は22日、スウェーデン・ストックホルムで中国側と来週会談し、8月12日に期限を迎える関税停止措置の延長について話し合う可能性に言及している。また、トランプ米大統領は22日、中国の習近平・国家主席から中国への招待を受けているとし、それほど遠くない未来に訪問する予定だと述べた。米政権はこのところ、中国に対しては柔軟な対応をみせている。一方、中国当局は22日、米デュポンへの独禁法違反調査を一時停止すると発表。貿易協議を前に対話環境の整備を図ったとの見方だ。指数は前引けにかけて上げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が4.5%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が4.4%高、中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が4.2%高と上げが目立った。
セクター別では、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連が高い。薬明合聯生物技術(2268/HK)が8.1%、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が7.1%、薬明生物技術(2269/HK)が3.6%、来凱医薬(2105/HK)が3.3%ずつ上昇した。CRO各社は米国でも事業展開しているため、米中関係の改善がプラスに働くと期待されている。
中国の不動産セクターもしっかり。世茂集団HD(813/HK)と融創中国HD(1918/HK)がそろって2.4%高、旭輝HD(884/HK)が1.7%高、中国奥園集団(3883/HK)が1.6%高で引けた。
中国の保険・証券セクターも物色される。中国人寿保険(2628/HK)が2.6%高、中国平安保険(2318/HK)が2.2%高、国聯証券(1456/HK)が9.2%高、中信証券(6030/HK)が4.0%高と値を上げた。
半面、電力設備やゼネコン、建材などインフラ建設関連はさえない。ハルビン電気(1133/HK)が4.5%安、東方電気(1072/HK)が4.4%安、中国交通建設(1800/HK)と中国鉄建(1186/HK)がそろって1.8%安、華新水泥(6655/HK)が8.7%安、中国西部水泥(2233/HK)が3.2%安で前場取引を終えている。同セクターはこのところ、世界最大級の大規模水力発電ダム着工を手がかりに、連日で急伸していた。利益確定売りに押されている。
本土マーケットは5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.75%高の3608.58ポイントで前場取引を終了した。金融が高い。消費関連、自動車、発電設備、資源・素材、ハイテク、不動産、医薬なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)