30日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前日比108.51ポイント(0.43%)安の25415.94ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が39.03ポイント(0.43%)安の9106.89ポイントと続落した。売買代金は1482億2350万香港ドルとなっている(29日前場は1424億570万香港ドル)。

 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。米金融政策や中国景気動向を見極めたいとするスタンスが買い手控えにつながっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が29~30日まで開かれるほか、中国ではあす31日、国家統計局などによる7月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される予定だ。最新の市場コンセンサスでは、製造業PMIが6月の49.7と同水準、非製造業PMIは6月の50.5から50.3にやや低下する見通しとなっている。一方、貿易問題を巡り、米中が29日までスウェーデンで開いた閣僚級会議では、8月12日に期限を迎える追加関税の一時停止措置を3カ月延長する方針などが確認された。最終決定はトランプ米大統領が30日に判断する。
 ただ、下値を叩くような売りはみられない。中国の政策に対する期待感が相場を下支えしている。足もとでは、中央政府が少子化対策として、満3歳までの子どもを対象とした育児手当として、1人当たり年間3600人民元(約7万4500円)を支給すると発表した。また、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が月内に開かれるとみられているため、追加の刺激策が打ち出されることも期待されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、自動車の下げが目立つ。理想汽車(2015/HK)が10.5%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.6%安、吉利汽車HD(175/HK)が2.7%安で引けた。
販売競争の激化懸念が再燃している。新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車は29日、純電動SUV「理想i8」の販売を正式発表し、価格を32万1800人民元(約665万円)からに設定すると公表したが、予想販売価格の35万~40万人民元(約723万~827万円)を大幅に下回った。
 セクター別では、半導体が安い。華虹半導体(1347/HK)が5.3%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.9%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.3%、蘇州貝克微電子(2149/HK)が2.5%ずつ下落した。新興EVや半導体などの売りで、ハンセン科技(テック)指数は1.6%安と他の主要指数をアンダーパフォームしている。
 中国の不動産セクターもさえない。碧桂園HD(2007/HK)が5.5%安、遠洋集団HD(3377/HK)が3.7%安、中国奥園集団(3883/HK)が2.9%安、旭輝(884/HK)が1.7%安で引けた。
 半面、メディカル関連(製薬、医療機器、オンライン医療)の銘柄は高い。石薬集団(1093/HK)が6.6%、上海復星医薬集団(2196/HK)が5.1%、コン博医療HD(2216/HK)が10.7%、微創医療科学(853/HK)が9.7%、平安健康医療科技(1833/HK)が9.1%、阿里健康信息技術(241/HK)が3.5%ずつ上昇した。
 本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.52%高の3628.53ポイントで前場取引を終了した。エネルギーが高い。
素材、医薬、公益、消費、銀行なども買われた。半面、ハイテクは安い。不動産、貿易産業、自動車も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
編集部おすすめ