週明け4日前場の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比119.44ポイント(0.49%)高の24627.25ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が44.92ポイント(0.51%)高の8849.34ポイントと5日ぶりに反発した。売買代金は1265億2820万香港ドルとなっている(1日前場は1197億9670万香港ドル)。

 内外の政策期待が相場を支える流れ。米国では7月雇用統計が大幅に下振れたことで、9月の利下げ観測が急浮上している。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利が低下するとの期待も高まった。中国では官民が発表した7月の製造業PMIがそれぞれ景況判断の境目となる50を割り込んだことで、中国当局は今年の経済成長目標を達成するため、追加の景気刺激策を打ち出すとの見方が強まっている。内外の景気懸念で売り先行したものの、下値は堅く、指数は程なくプラスに転じた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、民営教育サービス事業者の新東方教育科技集団(9901/HK)が4.6%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が4.5%高、香港不動産デベロッパー大手の新鴻基地産発展(16/HK)が3.5%高と上げが目立った。
 セクター別では、半導体が高い。英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が12.3%、華虹半導体(1347/HK)が6.5%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.9%、晶門半導体(2878/HK)が3.4%ずつ上昇した。
 香港の不動産セクターもしっかり。新鴻基地産のほか、信和置業(83/HK)が2.1%高、新世界発展(17/HK)が2.0%高、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が1.1%高で前場取引を終えた。
 産金セクターも物色される。山東黄金鉱業(1787/HK)が9.0%高、赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が8.7%高、招金鉱業(1818/HK)が7.6%高、中国黄金国際資源(2099/HK)が4.8%高で引けた。

 半面、医薬セクターはさえない。上海復星医薬集団(2196/HK)が2.1%、石薬集団(1093/HK)が1.9%、華潤医薬集団(3320/HK)が1.5%、山東新華製薬(719/HK)が1.4%ずつ下落した。
 他の個別株動向では、自動車大手の比亜迪(BYD:1211/HK)が2.1%安。7月の新エネルギー自動車(NEV)販売台数が前年同月比0.6%増にとどまり、生産台数が0.9%減とマイナスに落ち込んだことを嫌気している。
 本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.20%高の3567.02ポイントで前場取引を終了した。銀行が高い。軍需産業、消費、公益、産金・非鉄、半導体なども買われた。半面、医薬は安い。不動産、エネルギー、自動車も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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